閉じる


<<最初から読む

79 / 79ページ

上を向いて歩く彼女の後ろ姿を、着ぐるみはじっと見つめていいた。

 

風船欲しさによって来る子供を、彼は手で強引に払いのけた。最初子供は不満そうな表情を浮かべたが、先ほどとは明らかに異なる彼の様子に怯え、すぐさま逃げ出した。

 

しばらくして、着ぐるみはゆっくりと歩き出す。満足に動かせない左足を引きずりながら。周囲を見ると、どこから現れたのか、たくさんの着ぐるみ達が共に歩いてくれていた。彼を置いていかないよう、歩調を合わせながら。

 

ブタ、マングース、トカゲ、カマキリ、ヘビ。思わず感極まり、ピンクの兎は両手を前に出し、だらんと下げると、彼らもすぐさま同じ動作でそれに応えた。村の者、土地亡き後も志は有。志は常に一つ。討つべき者はただ一人。

 

(完)


この本の内容は以上です。


読者登録

エンジンさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について