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1

  

            「天のルビー」               

 

 

 

大事な願いがかなうお話しです。

 

 

あるところに、男の子がいました。

不思議なことに、男の子は、ずっと長い間、

年を取らずに何百年も生きていました。

 

その男の子は、いったい自分が何歳なのかも、

なぜこんなに長く生きているのかもわかりませんでした。

 

そもそも何のために地球に生まれてきたのかも忘れていたのです。

年を取らず長く生き過ぎたせいか、いつのまにか友達もいなくなって、

男の子は、一人ぼっちでさみしい気持ちでした。

 

 

男の子は、いつからか

自然の豊かな森の中に住むように

なっていました。

 

ある日、いつものようにハンモックでお昼寝をしていると、

       どこからか、とてもきれいな歌声が聞こえてきました。

 男の子は、パッと目を覚まして、

  まるでお花に呼ばれるミツバチのように、天使のような歌声が

聞こえる方へ歩いていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2

 

 

すると、女の子が一人、

うれしそうに歌いながら

お花を摘んでいるのを見つけました。

  

男の子が話かけると、女の子は

歌うことやお花が大好きだと教えてくれました。

花の香りをたどってきたら、

森の中まで迷い込んでしまったそうです。

 

女の子は、ニッコリと花のような笑顔で、

とても幸せそうです。 

でもなぜか、花のような笑顔のそばには、

一本の杖がありました。

 

女の子は、目が見えなかったのです。

 

その日は、一緒に歌ったり、

お花を摘んだりしていっぱい遊んでから、

女の子に付き添って村までおくってあげました。

  

それからというもの、

二人はすっかり仲良しになって、

毎日毎日、森で一緒に楽しく過ごしました。

男の子は、さびしかった気持ちも

うそのように無くなって、楽しくて

幸せな気持ちでいっぱいになっていました。

 

男の子は、目が見えない女の子のために

空の青さや森の緑、七色の虹やピンクの花について、

一生懸命話してあげました。

 

 


3

 

それから、首の長いキリンや鼻の長いゾウのこと、

でこぼこしたラクダこぶや、ピンクの子豚の

かわいい鼻のことまで、

たくさんの動物のことも教えてあげました。

 

女の子は、もし目が見えるようになったら、

色とりどりのお花や、みんなの笑顔が

見たいと話してくれました。

 

 

女の子がとても楽しそうに笑うのを見て、

男の子は、本当に色とりどりのお花やみんなの笑顔を

見せてあげたいと思うようになりました。

 

 

やがて、男の子は、神さまに

毎晩あるお願いをするようになりました。

 

 

あの子の目が見えるようになりますように・・・。

 

 

あの子の目が見えるようになるなら、

自分の目が見えなくなってもいい。

年を取らずに生きてきた自分の命がなくなったっていい。

 

寝心地のいいハンモックも、

おいしいご飯もなくたっていい。

 


4

 

どうかあの子の目が見えるようになって、

色とりどりのお花や

みんなの笑顔が見られますように・・・。

 

 

ある晩、男の子は、一生懸命お願いをしていましたが、

いつのまにか眠ってしまい、夢の中にいました。

 

 

夢の中で、男の子は、生まれる前のずっと昔に、

天国にいたときのことを思い出しました。

 

 

天国でも、あの花のような笑顔の女の子に出会っていました。

そして、女の子ととっても大切な約束をしました。

 

それは、地球を笑顔でいっぱいの星にするという約束です。

 

 

男の子は、その約束を果たすために、

地球に生まれてきたのです。

夢の中では、花のような

笑顔でいっぱいの地球が、しっかりと見えました。

 

 



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