目次

閉じる


<<最初から読む

4 / 11ページ

3

 

それから、首の長いキリンや鼻の長いゾウのこと、

でこぼこしたラクダこぶや、ピンクの子豚の

かわいい鼻のことまで、

たくさんの動物のことも教えてあげました。

 

女の子は、もし目が見えるようになったら、

色とりどりのお花や、みんなの笑顔が

見たいと話してくれました。

 

 

女の子がとても楽しそうに笑うのを見て、

男の子は、本当に色とりどりのお花やみんなの笑顔を

見せてあげたいと思うようになりました。

 

 

やがて、男の子は、神さまに

毎晩あるお願いをするようになりました。

 

 

あの子の目が見えるようになりますように・・・。

 

 

あの子の目が見えるようになるなら、

自分の目が見えなくなってもいい。

年を取らずに生きてきた自分の命がなくなったっていい。

 

寝心地のいいハンモックも、

おいしいご飯もなくたっていい。

 


4

 

どうかあの子の目が見えるようになって、

色とりどりのお花や

みんなの笑顔が見られますように・・・。

 

 

ある晩、男の子は、一生懸命お願いをしていましたが、

いつのまにか眠ってしまい、夢の中にいました。

 

 

夢の中で、男の子は、生まれる前のずっと昔に、

天国にいたときのことを思い出しました。

 

 

天国でも、あの花のような笑顔の女の子に出会っていました。

そして、女の子ととっても大切な約束をしました。

 

それは、地球を笑顔でいっぱいの星にするという約束です。

 

 

男の子は、その約束を果たすために、

地球に生まれてきたのです。

夢の中では、花のような

笑顔でいっぱいの地球が、しっかりと見えました。

 

 


5

 

朝になって、うれしい気分で目が覚めると、

ベッドのそばに一本の花がありました。

 

真っ赤なルビーのようでとってもきれいな花です。

何だかなつかしくて優しい香りがします。

  

もしかしたら、夜空に輝くたくさんの星のひとつが

地球に流れ着いてこの赤い宝石のような

花になったのかもしれません。

 

花を手に取ると

遠い記憶を呼び起こすように

不思議な光を放ちはじめました。

 

なつかしい香りと不思議な光につつまれて、

男の子は、思い出しました。

  

遠い昔に、天国でもらった花のことを。

あの花のような笑顔の女の子がくれたのです。

 

大切な約束をいつまでも忘れないようにと。

 

それは、ルビーのように真っ赤な花でした。

 

 

 


6

 

 

天国で小さな花をくれた女の子に、

心から「ありがとう」と言ったことも

はっきりと思い出しました。

  

男の子は、自分が今手に持っているのが

その花だとわかりました。

そして、遠い昔に天国でもらったその花が、

自分の胸の中にも、ずっと咲き続けていることに気づきました。

 

そのとき、胸の奥深くで、

絶対に枯れることのない愛の花がひらいたのです。

 

すると、胸の中にあたたかくて

幸せな気持ちがひろがってきて男の子は、ひらめきました。

 

この花を煎じて女の子に飲ませてあげれば、

きっと目が見えるようになると。

  

男の子は、さっそくひらめいた通りに花を煎じて、

女の子に飲ませてあげました。

女の子は、甘くておいしいジュースみたいだと

喜んでくれました。

 

 

 


7

 

二人は、しばらく一緒にお散歩して、

いつのまにか元気な草の匂いと

優しい花の香りがする丘にやって来ました。

 

 

丘の上に心地よい風がふいて、

男の子はホッとした気持ちになりました。

そして、夢で思い出した天国での出来事を

女の子に話しはじめました。

  

天国でも一緒に楽しく遊んだこと、

地球を笑顔でいっぱいの星にする約束をしたこと、

天国で女の子がくれたルビーのように真っ赤な花のこと・・・。

  

それから、女の子の目がよくなるように

神さまにお願いをしたら、

その花がベッドのそばに現れたことも。

 

男の子が一生懸命話しをすると、女の子は

 

「思い出してくれて、ありがとう」

 

と言ってくれました。

 

 



読者登録

gaiahouseさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について