目次
はじめに
本書について
著者紹介
タイトル一覧
駅名いろいろ
荒川二丁目、天神橋筋六丁目...丁目駅
三十八社、五十鈴川...数字が入る駅
つきのわ、ハーモニーホール...表記が「かな」「カナ」のみ
西川緑道公園、有明テニスの森...公園、テーマパーク、スポーツ施設など
湯の川温泉、和倉温泉...温泉駅
武庫川団地前、越谷レイクタウン...住宅地関係
赤土小学校前、研究学園...学校・学園など
鉄道博物館、陶磁資料館南...施設・建物関係
駅前、国際会議場前...前(まえ)で終わる駅
函館どつく前、三越前...企業名が入る駅
市役所前、県庁前...表記が同じ駅
近鉄富田、京急長沢...鉄道会社の略称で始まる駅
金上、高田の鉄橋...金属系
JR俊徳道、上野広小路...道、路で終わる駅
仙台空港、羽田空港国際線ターミナル...空港駅
大船、大湊...船と舟、港と湊
湯浅、浅海...さんずいへんの漢字2字駅
鶴崎、亀有...動物系
桜上水~芦花公園...桜や花や
笠松、梅坪...松・竹・梅
季節関係
青山、白山...色彩駅
山崎、池田...苗字駅
大宝、延徳...元号駅
西新井大師西、東北沢...方位駅
琴電琴平、世田谷代田...一つの駅名に漢字複数
伊勢中川、美濃太田...旧国名駅(1)
淡路、日向...旧国名駅(2)
福島、香川...その県にない県名駅
三宮・花時計前、元町・中華街...「・」が入る駅
やながわ希望の森公園前、千葉ニュータウン中央...長い駅名
原、津...漢字一字駅
原向、向原...入れ替え可能な漢字2字駅
ステップアップ「駅名力」
御茶ノ水~水道橋...駅名でしりとり
小中、上小田井...大中小または上中下
川島、玉戸、下館、新治、大和...2文字駅が続く区間
栗橋~古河~野木...3駅で3県
春日野道、御影...離れた場所にある同エリア・同名駅
高井田と高井田...遠く離れた同名駅
蒲郡競艇場前と三河塩津...異名隣接駅
同字異音駅
同音異字駅
難度の高い臨時駅
本宮、白井...新しい市の名称が駅名と一致
駅がなくなり、駅名漢字もなくなり...
駅名からはわからない地下駅
大手私鉄の駅名平均字数
駅数いろいろ
駅数が多い市区など
駅のよみ、1文字目で多いのは...
駅名漢字、数が多いのは...
付録
2015年春、駅や駅名の変化
奥付
奥付

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ステップアップ「駅名力」

御茶ノ水~水道橋...駅名でしりとり


 全国には、駅名の漢字でしりとりができる区間があちこちにあります。路線図を読み込んでいる鉄道ファンなら、『北仙台』~『台原』、『大宮』~『宮原』などは朝飯前。JR加古川線の『滝』~『滝野』、JR呉線の『新広』~『広』といったパターンも可とするなら、軽く20や30は出てくることでしょう。(「みず」と「すい」ですが、『御茶ノ水』~『水道橋』も「水」でつながります。)

 伊予鉄道高浜線の『西衣山』(にしきぬやま)、『山西』(やまにし)は、どちらの方向からでも、漢字しりとりができる稀な区間。営業キロは1.2kmです。

 同じ読み方での駅名漢字しりとりができる区間は決して少なくありません。九州では、『大山』~『山川』(JR指宿枕崎線)、『鎌瀬』~『瀬戸石』(JR肥薩線)、『竹中』~『中判田』(JR豊肥本線)のほか、JR日田彦山線、JR大村線、筑豊電気鉄道、松浦鉄道、肥薩おれんじ鉄道にもあります。読み方が違っても漢字でつながる区間については、もっと数が増え、九州だけでも『中郡』~『郡元』、『山本』~『本牟田部』、『長者原』~『原町』などが加わります。

 北海道では、『下金山』~『山部』(JR根室本線)、『豊幌』~『幌向』(JR函館本線)のほか、JR富良野線の『西中』~『中富良野』があります。両駅の間には、臨時駅『ラベンダー畑』がありますが、臨時駅が営業していない時期は、しりとり可能です。

 前後の駅とを合わせて、しりとりが二つ成立する例もあります。北海道では、札幌市営地下鉄東豊線の『環状通東』または『北13条東』~『東区役所前』、漢字の読みは異なりますが、JR函館本線の『手稲』~『稲穂』または『稲積公園』があり、新潟県にはJR信越本線の『矢代田』または『羽生田』~『田上』があります。こうした区間は、各地に散在しています。路線図を眺める時に、意識して探してみると、駅の見方が変わり、実際に訪ねに行けば、一味違った楽しみ方ができるでしょう。


小中、上小田井...大中小または上中下

 


 東西南北同様、駅名1文字目で目に付くものとして、「大」「小」、「上」「下」もあります。両者の間に来る「中」もまた駅数が多い漢字の一つです。

 数が多い分、大・中・小のいずれか、または上・中・下の二つが含まれる駅名というのも少なからず出てきます。それぞれ一覧化したものが下の表です。

 

駅名 都道府県 路線
越中大門 富山 JR北陸本線
大崎広小路 東京 東急池上線
大小路 大阪 阪堺電気軌道阪堺線
大中 岐阜 長良川鉄道
大中山 北海道 JR函館本線
小波瀬西工大前 福岡 JR日豊本線
小中 群馬 わたらせ渓谷鐵道
小中野 青森 JR八戸線
中央大学・明星大学 東京 多摩都市モノレール
中小国 青森 JR海峡線・津軽線
中小田井 愛知 名鉄犬山線
中小屋 北海道 JR札沼線
本中小屋 北海道 JR札沼線
大和小泉 奈良 JR関西本線
陸中大里 秋田 JR花輪線
陸中大橋 岩手 JR釜石線

 

駅名 都県名 路線
下総中山 千葉 JR総武本線
上下 広島 JR福塩線
上下浜 新潟 JR信越本線
上総中川 千葉 いすみ鉄道
上総中野 千葉 小湊鐵道、いすみ鉄道
上中 福井 JR小浜線
上中里 東京 JR京浜東北線
中野坂上 東京 東京メトロ丸ノ内線、都営大江戸線

 

 長良川鉄道には『大中』があり、わたらせ渓谷鐵道には『小中』があります。一級河川の上流部の駅という共通点はありますが、別々の地にあるので、大と小の地理的な相関性はありません。地理的に近い例としては、JR小海線の『甲斐大泉』と『甲斐小泉』があります。隣り合う駅ですが、営業キロで約5km離れています。

 大・中・小とは異なり、「上~」「中~」「下~」については、相関性があります。その三つが連続する区間も三つあります。

 名鉄犬山線の『上小田井』-『中小田井』-『下小田井』、JR水郡線の『上菅谷』-『中菅谷』-『下菅谷』、JR芸備線の『上深川』-『中深川』-『下深川』です。

 東武東上線を池袋方面に向かって『上板橋』から並べていくと、『ときわ台』『中板橋』『大山』『下板橋』となり、上・中・下の間に一駅ずつはさまる格好になります。

 「上~」と「下~」の連続は、『上麻生』『下麻生』(JR高山本線)、『上今市』『下今市』(東武日光線)、『上古沢』『下古沢』(南海高野線)、『上諏訪』『下諏訪』(JR中央本線)、『上永谷』『下永谷』(横浜市営地下鉄1号線)、『上夜久野』『下夜久野』(JR山陰本線)があります。

 一つの路線で上・中・下(かみ・なか・しも)がそろうという例もあります。中小私鉄では二つ、わたらせ渓谷鐵道の『上神梅』『中野』『下新田』、平成筑豊鉄道伊田線の『上金田』『中泉』『下伊田』です。 『上伊田』は、平成筑豊鉄道田川線の駅です。


川島、玉戸、下館、新治、大和...2文字駅が続く区間


 路線図を見ていると、2文字の駅が続く区間が各地にあることがわかります。特にJRの路線では、北は室蘭本線の『志文』~『遠浅』、西は山陰本線の『餘部』~『湖山』がそれぞれ11駅連続など、目立つ区間がいくつかあります。12駅連続だと、播但線の『竹田』~『香呂』、山陽本線の『網干』~『上道』があり、水戸線でも『友部』~『川島』が該当します。

 路線別ではなく、列車の運転区間で考えると、この水戸線を走る普通列車が2文字連続駅の最長になることがわかりました。水戸線『小山』から常磐線直通で『高萩』に向かう早朝の列車の場合、途中の『小田林』『東結城』『偕楽園』は通過するため、実に21連続で2文字駅です。常磐線では、臨時駅の『偕楽園』を除いて数えると、『土浦』~『赤塚』(9駅連続)と『水戸』~『大甕』(5駅連続)がつながるため、実に14連続で2文字駅になり、全国トップになります。

 JR以外で目立つのは、わたらせ渓谷鐵道の『間藤』~『本宿』(11駅連続)程度です。阪急宝塚本線の『梅田』~『池田』は、2013年12月20日までは12駅連続でしたが、中間に位置する『服部』が、12月21日に『服部天神』に改称したため、分断されてしまいました。運転区間上の2文字駅の連続性を誇っていた箕面線に直通する普通列車についても、『梅田』~『箕面』の14駅連続が途絶えてしまい、今は『曽根』~『箕面』の8駅連続が阪急の列車では最長です。


栗橋~古河~野木...3駅で3県

東京近郊路線図(大宮~宇都宮)拡大


 県境などを縫うように走る路線の中には、一駅ごとに所在地の県が異なる区間があります。

 JR宇都宮線では、『栗橋』(埼玉県久喜市)、『古河』(茨城県古河市)、『野木』(栃木県野木町)が3県3駅で、その近くを走る東武日光線でも、『柳生』(埼玉県加須市)、『板倉東洋大前』(群馬県板倉町)、『藤岡』(栃木県栃木市)と同じ状況。全国的に類を見ない入り組み方になっています。『柳生』の手前は『新古河』ですが、JRの『古河』とは渡良瀬川(県境)をはさんで対岸にあるため、駅名に反して所在地は埼玉県加須市。『新古河』が文字通り古河市内にあれば、4県で1駅ずつということになります。

 高地では、JR肥薩線に3県3駅があり、日本三大車窓で名高い区間が含まれます。『吉松』(鹿児島県湧水町)、『真幸』(宮崎県えびの市)、『矢岳』(熊本県人吉市)です。地図で県境を確認しながら車窓を楽しむのもいいでしょう。

 県境を通る区間で、所在地の県を間違えそうになる例としては、

JR飯田線の『大嵐』『小和田』『中井侍』 - 静岡・静岡・長野
JR木次線の『油木』『三井野原』『出雲坂根』 - 広島・島根・島根

 が挙げられます。


春日野道、御影...離れた場所にある同エリア・同名駅

 


 同じ地域に駅が複数あれば、互いに離れていても駅名が同じになるのはむしろ当然。ただし、あまりに離れていて、乗り換えが困難という例も少なくありません。

 愛知県では、『味美』(あじよし-名鉄小牧線と東海交通事業)、『春日井』(JR中央本線と名鉄小牧線)、兵庫県では、阪急神戸本線と阪神本線にそれぞれある『春日野道』『御影』(写真はいずれも阪急)のほか、 『市場』(JR加古川線と神戸電鉄粟生線)、『住吉』(JR東海道本線と阪神本線)、『長田』(神戸市営地下鉄西神・山手線と神戸電鉄有馬線)などがあり、高知県では『朝倉』『伊野』など、とさでん交通伊野線とJR土讃線の並行区間にいくつか見られます。

 路面電車の電停では、『白島』(広島電鉄白島線と広島高速交通)、『郡元』『谷山』(鹿児島市電とJR鹿児島本線)も該当します。

 この他には、北海道の『白石』(JR函館本線と札幌市営地下鉄東西線)、青森県の『石川』(JR奥羽本線と弘南鉄道大鰐線)、大阪府の『今里』(近鉄大阪線と大阪市営地下鉄千日前線)があります。

 このように、駅名が同じでもすぐに乗り換えができない駅は、各地にあります。乗換案内サイトを使う場合なども、注意を要します。


高井田と高井田...遠く離れた同名駅


 同じ道府県内にありながら、全く別々の地に同名の駅があるというケースもあります。どちらかが社名や旧国名を付ければ混同しなくて済むところ、諸事情により両方ともそのまま。駅の数が多かった時期は他にもあったものと思われますが、現在は9例です。

 駅どうしなので、鉄道を乗り継げばアクセスできますが、いずれも距離はあります。直線距離でなく、営業距離(最短)を調べてみたところ、

  • 北海道:『平岸』(JR根室本線)~『平岸』(札幌市営地下鉄南北線)・・・108.3km
  • 秋田県:『黒沢』(JR北上線)~『黒沢』(由利高原鉄道)・・・139.5km
  • 福島県:『泉』(JR常磐線)~『』(福島交通)・・・149.1km
  • 長野県:『下島』(JR飯田線)~『下島』(アルピコ交通)・・・62.2km
  • 富山県:『小杉』(JR北陸本線)~『小杉』(富山地方鉄道不二越・上滝線)・・・19.0km
  • 岐阜県:『明智』(名鉄広見線)~『明智』(明知鉄道)・・・73.5km
  • 静岡県:『柚木』(JR身延線)~『柚木』(静岡鉄道)・・・33.9km
  • 三重県:『船津』(JR紀勢本線)~『船津』(近鉄志摩線)・・・102.7km
  • 大阪府:『高井田』(JR関西本線)~『高井田』(大阪市営地下鉄中央線)・・・15.4km

 となりました。

 大阪市営地下鉄の『高井田』は、JRおおさか東線と接続していますが、JRの方は『高井田中央』(写真参照)。JR関西本線にすでに『高井田』があったことによりますが、紛らわしい代表例と言えそうです。できた順序が逆であれば、『高井田中央』が「高井田」で、『高井田』は旧国名ルールに沿って「河内高井田」となっていたかも知れません。


蒲郡競艇場前と三河塩津...異名隣接駅


 限りなく隣接していながら、会社が異なるために駅名も別々という例が全国には少なからずあります。

 複数の会社線が並行している場所で新たな駅を同時に造るといった場合がまず該当し、『幕張本郷』(JR総武線)と『京成幕張本郷』(京成千葉線)、『千早』(JR鹿児島本線)と『西鉄千早』(西鉄貝塚線)などが挙げられます。

 近くにあって駅名が異なる例は、『有明』(ゆりかもめ)と『国際展示場』(東京臨海高速鉄道)、『豪徳寺』(小田急小田原線)と『山下』(東急世田谷線)、『住吉大社』(南海本線)と『住吉公園』(阪堺電気軌道上町線)、『明石』(JR山陽本線)と『山陽明石』(山陽電気鉄道)、『瀬野』(JR山陽本線)と『みどり口』(スカイレール)、『伊予市』(JR予讃線)と『郡中港』(伊予鉄道郡中線)など多々。JRと名鉄の並行区間はその宝庫と言えます。『岐阜』と『名鉄岐阜』は離れているのでいいとしても、『那加』と『新那加』、『各務ヶ原』と『名電各務原』、『鵜沼』と『新鵜沼』(→「駅ログ」)、『尾張一宮』と『名鉄一宮』、『名古屋』と『名鉄名古屋』、『岐阜羽島』と『新羽島』と複数あります。

 駅舎や改札が共用なのに、同じ駅名でないケースとしては、 『大鰐温泉』(JR奥羽本線)と『大鰐』(弘南鉄道)、『鷹巣』(秋田内陸縦貫鉄道)と『鷹ノ巣』(JR奥羽本線)(→「駅ログ」)、 『人吉』(JR肥薩線)と『人吉温泉』(くま川鉄道)があります。改札は別で、跨線橋がつながっている例では、 『五所川原』(JR五能線)と『津軽五所川原』(津軽鉄道)があります。似た例としては、『三河塩津』(JR東海道本線)と『蒲郡競艇場前』(名鉄蒲郡線)もあります。(改札は別、駅舎は一体→「駅ログ」参照)

 JR2社の駅が近接した場所にありながら、駅名が異なる例で出てくるのが、『津軽二股』(JR東日本の津軽線)、『津軽今別』(JR北海道の海峡線)。北海道新幹線が開業すると、この地に新たに『奥津軽いまべつ』ができます。海峡線の方は新幹線の駅名に変わることになりますが、津軽線の方は今のところ特に発表はなく、不明です。


同字異音駅


 表記が同じで、読みが異なる駅もまた少なくありません。いくつか例を挙げるとするなら、

  • 『青海』・・・ゆりかもめは「あおみ」、JR北陸本線は「おうみ」
  • 『穴太』・・・三岐鉄道北勢線は「あのう」、京阪石山坂本線は「あのお」
    *筑豊電気鉄道には、『穴生』と書いて「あのお」と読む駅があります。
  • 『蒲池』・・・名鉄常滑線は「かばいけ」、西鉄天神大牟田線は「かまち」
  • 『木幡』・・・JR奈良線は「こはた」、京阪宇治線は「こわた」
    *京都府宇治市にある地名「木幡」と読みが同じなのは、JR奈良線の方。京阪宇治線の駅は、地名とは異なる読み方になっています。神戸電鉄粟生線にも『木幡』はありますが、こちらは「こばた」と読みます。
  • 『八幡』・・・遠州鉄道は「はちまん」、JR鹿児島本線は「やはた」、名鉄豊川線は「やわた」
  • 『新木』・・・JR成田線は「あらき」、とさでん交通ごめん線は「しんぎ」
  • 『神代』・・・JR山陽本線は「こうじろ」、JR田沢湖線は「じんだい」
  • 西院』・・・京福電気鉄道嵐山本線は「さい」、阪急京都本線は「さいいん」(写真は、阪急西院)
  • 『十川』・・・JR予土線は「とおかわ」、津軽鉄道は「とがわ」
  • 『梅林』・・・福岡市営地下鉄七隈線は「うめばやし」、JR可部線は「ばいりん」
  • 『本宮』・・・富山地方鉄道立山線は「ほんぐう」、JR東北本線は「もとみや」
  • 『上道』・・・JR境線は「あがりみち」、JR山陽本線は「じょうとう」
  • 『上牧』・・・JR上越線は「かみもく」、阪急京都本線は「かんまき」
  • 『中郡』・・・JR米坂線は「ちゅうぐん」、鹿児島市電唐湊線は「なかごおり」
  • 『中田』・・・JR牟岐線は「ちゅうでん」、JR五能線は「なかた」、横浜市営地下鉄1号線は「なかだ」
  • 『北河内』・・・JR牟岐線は「きたがわち」、錦川鉄道は「きたこうち」

 と結構出てきます。

 この他、同じ表記の駅が三つ以上あって、読み方が複数あるものとしては、『神田』『高田』『新田』『戸田』『富田』『平田』『柏原』『桂川』『川内』『三郷』『東雲』『土橋』『別府』などがあります。


同音異字駅

神戸(ごうど)


 読みは同じで、表記が異なる駅は多く存在しますが、読み方が難しい中で挙げるとするなら、

  • 「おうだ」・・・ 『麻生田』(三岐鉄道北勢線)、『網田』(JR三角線)
  • 「おばた」・・・『小幡』(名鉄瀬戸線)、『小俣』(近鉄山田線)
  • 「こう」・・・『国府』(名鉄名古屋本線・豊川線)、『府中』(JR徳島線)
  • 「ごうど」・・・『郷戸』(JR只見線)、『神戸』(わたらせ渓谷鐵道)(写真)、『顔戸』(名鉄広見線)
  • 「とどろき」・・・『驫木』(JR五能線)、『等々力』(東急大井町線)
  • 「はざま」・・・『狭間』(京王高尾線)、『羽間』(高松琴平電気鉄道琴平線)

 といったところでしょう。

 『麻生田』は、「あそうだ」と読みそうですが、「おうだ」。「麻生」が付く駅は、秩父鉄道に『大麻生』、JR高山本線に『上麻生』『下麻生』がありますが、「麻生」の読みはいずれも「あそう」です。

 古代の国の中心を示す「国府」の読みは、「こくふ」か「こう」のいずれかになります。徳島県、即ち阿波国の国府は、徳島市の国府町にその名をとどめ、その国府町には府中という地名もあります。駅はその「国府町府中」(こくふちょうこう)にあるため、読みは「こう」。「府中」(ふちゅう)は、「不忠」につながるため、その対義語である「孝」(こう)を「府中」の読みとして当てたとする説があります。

 「とどろき」と読む駅は、『驫木』と『等々力』の二つ。えちぜん鉄道勝山永平寺線の『轟』は、一般的には、「とどろき」と読みますが、「どめき」です。

 山や丘陵などにはさまれた細長い谷間を「はざま」と呼び、『狭間』も『羽間』もその名残と言われています。東葉高速鉄道の『飯山満』も由来は同じですが、読みは「はさま」です。

 見た目は同音異字ながら、そうでない駅の組み合わせというのもあります。

  • 『相可』(三重県)、『相賀』(三重県)・・・「おうか」、「あいが」(ともにJR紀勢本線)
  • 『阿木』(岐阜県)、『安芸』(高知県)・・・「あぎ」(明知鉄道)、「あき」(土佐くろしお鉄道阿佐線)
  • 『麻生』(北海道)、『吾桑』(高知県)・・・「あさぶ」(札幌市営地下鉄南北線)、「あそう」(JR土讃線)
  • 『安達』(福島県)、『足立』(岡山県)・・・「あだち」(JR東北本線)、「あしだち」(JR伯備線)です。
  • 『並河』(京都府)、『波川』(高知県)・・・「なみかわ」(JR山陰本線)、「はかわ」(JR土讃線)
  • 『長谷』(広島県)、『波瀬』(佐賀県)・・・「ながたに」(JR三江線)、「はぜ」(松浦鉄道)
  • 『畠田』(奈良県)、『畑田』(香川県)・・・「はたけだ」(JR和歌山線)、「はただ」(高松琴平電気鉄道琴平線)

 ある意味、難読駅と言えるでしょう。


難度の高い臨時駅


 路線図などには載っていなくても、イベントなどで一時的に設けられ、乗り降り可能になる駅や電停があります。会津鉄道『一ノ堰六地蔵尊』、岡山電気軌道『京橋朝市』の二つが最たるものと言えるでしょう。

 『一ノ堰六地蔵尊』は、「一ノ堰盆踊りまつり」向けに2日間のみ出現する駅です。休止と開設を繰り返す方式で設置されるのが特徴です。この駅名での営業は、2010年に始まり、毎年続いていましたが、2014年は開設されませんでした。2015年に復活するかどうか、一つの見どころです。(写真は、同駅の入場券ほか、会津鉄道のブース出店などで購入した各種乗車券)

 『京橋朝市』は、年に一度の全国朝市開催日に臨時で設けられる電停です。位置は、旭川に架かる京橋の西側(『西大寺町』と『小橋』の間)になります。

 これらは、駅の乗り降りを極める上では外せない駅と言っていいでしょう。機会があればぜひ、と思います。(本書では、ホームなどの常設状況を重視し、上記の2駅については対象外としています。)

 臨時は臨時でも、一部の関係者限定の駅もあります。えちぜん鉄道三国芦原線の『仁愛グランド前』がそうです。仁愛女子短期大学・仁愛女子高等学校の行事がある日に限り営業する特殊な駅で、一般客は乗降できず、同校の生徒と学校関係者のみが利用できるとされています。福井鉄道には『仁愛女子高校』がありますが、こちらは通常の電停です。


本宮、白井...新しい市の名称が駅名と一致

 


 市区町村名と、その中心部にある駅の名前は、一致する場合とそうでない場合があります。平成の大合併では、自治体の数が減る一方で、市の数は増えましたが、市の代表駅と市名が新たに一致するようになった駅は意外と限られます。

 2000年以降、町から市に昇格した中で、市名と駅名が一致する代表駅を挙げると、次のようになります。

 福島県『本宮』(JR東北本線)、茨城県『潮来』(JR鹿島線)、『常陸大宮』(JR水郡線)、埼玉県『白岡』(JR東北本線)、千葉県『白井』(北総鉄道)、岐阜県『本巣』(樽見鉄道)、静岡県『菊川』(JR東海道本線)、和歌山県『岩出』(JR和歌山線)、佐賀県『神埼』(JR長崎本線)、鹿児島県『志布志』(JR日南線)。滋賀県はJR東海道本線の沿線3駅、『米原』『野洲』『栗東』が該当します。

 あとは、石川県の『野々市』(市名は「野々市市」)が挙げられますが、JR北陸本線と北陸鉄道石川線の両方に『野々市』があり、いずれも市役所からは遠いのが実態。役所の最寄駅と言えるのは、北陸鉄道の『額住宅前』(ぬかじゅうたくまえ)ですが、駅の所在地は金沢市になるため、代表駅にはなり得ません。悩ましい例です。(JTB時刻表ではJRの『野々市』を代表駅としています。)

 せっかく市名と駅名が一致するようになっても、その駅が市役所の最寄駅でないとなると話が違ってきます。JTB発行の時刻表に付属の路線図を基準にすると、那須塩原市は『那須塩原』ではなく『黒磯』(JR東北本線)、養父市は『養父』(やぶ)ではなく『八鹿』(ようか-JR山陰本線)、うきは市は『うきは』ではなく『筑後吉井』(JR久大本線)、阿蘇市は『阿蘇』ではなく『宮地』(JR豊肥本線)ということになり、当の「市名駅」は該当せず。こうしたケースは、複数見られます。駅名を交換するのも難しいでしょうから、役所の方も案内を充実させる必要が出てきそうです。

 村から一気に市に昇格した岩手県滝沢市には、IGRいわて銀河鉄道の『滝沢』がありますが、市役所の最寄はJR田沢湖線の『大釜』です。『滝沢』は、同鉄道18駅中、1日平均の乗降人数が2番目に多い駅ですが、JTB時刻表の上では、市を代表する駅としては扱われないことになります。


駅がなくなり、駅名漢字もなくなり...

石岡(鹿島鉄道)

 

 2005年から2014年までの間に廃線などにより、廃止となってしまった駅は295あります。その295駅の駅名漢字で最も多いのは、「田」。2013年廃止の『田子倉』、2014年廃止の『中須田』など、全部で22駅がなくなりました。続いて、「前」が16、「岡」が15、「大」が14、「町」「野」「川」が13など。現役の駅名漢字の上位もこれらと多く重なりますが、一つ特徴的なのは「岡」が多いということです。鹿島鉄道『石岡』(↑写真)、神岡鉄道『飛騨神岡』、高千穂鉄道『延岡』に代表される通りです。

 駅がなくなってしまうことは、駅名としての漢字・文字が地図から消えることも意味します。この間の廃駅で、姿を消してしまった「駅名漢字」は、のと鉄道能登線『九十九湾小木』の「湾」、北海道ちほく高原鉄道『薫別』の「薫」、三木鉄道『国包』の「包」など、全部で14個あります。

 

漢字 駅名 よみ 路線 廃止年 月日
白浜海水浴場前 しらはまかいすいよくじょうまえ 島原鉄道 2008年 3月31日
国包 くにかね 三木鉄道
西這田 にしほうだ
借宿前 かりやどまえ 鹿島鉄道 2007年 3月31日
巴川 ともえがわ
神岡鉱山前 かみおかこうざんまえ 神岡鉄道 2006年 12月1日
薫別 くんべつ 北海道ちほく高原鉄道 4月20日
西訓子府 にしくんねっぷ
訓子府 くんねっぷ
張碓 はりうす 函館本線 3月17日
行縢 むかばき 高千穂鉄道 2005年 9月4日
吐合 はきあい
九十九湾小木 つくもわんおぎ のと鉄道能登線 3月31日
徹明町 てつめいちょう 名鉄岐阜市内線・美濃町線
六把野 ろっぱの 三岐鉄道北勢線 3月25日

 

 2013年に廃止になったのは、神戸電鉄の『新有馬』、JR只見線の『田子倉』の2駅、2014年は、4月に正式に廃止となったJR岩泉線の8駅、5月に一部区間が廃止になったJR江差線の9駅を含め、以下の駅がなくなりました。(『 』は省略)

竜飛海底、吉岡海底、知内、西仙台ハイランド、八ツ森、岩手刈屋、中里、岩手和井内、押角、岩手大川、浅内、二升石、岩泉、渡島鶴岡、吉堀、神明、湯ノ岱、宮越、桂岡(↓写真)、中須田、上ノ国、江差

 これらの中では、その駅唯一の駅名漢字はありませんでしたが、駅が減ってしまうというのは、残念な限りです。

 2015年3月13日には、JR只見線『柿ノ木』が廃止になります。(「柿」が付く駅が一つ減り、全部で7駅になります。)

 


駅名からはわからない地下駅

 


 東京メトロ(東京地下鉄)の『地下鉄赤塚』や『地下鉄成増』のように、地下鉄の駅、即ち、地下の駅であることが明らかになっている例もありますが、地下鉄の駅であっても地上駅・高架駅だったり、地下鉄でなくとも地下区間や地下駅が多々あったりとさまざまです。駅名を見てわかるようにはなっていないので、とにかく覚えるしかありません。

 大手私鉄、人口ランキング上位の都市を走る鉄道については、地下駅があるのはむしろ当たり前ですが、古くからの私鉄(特に郊外区間)や地方を走る私鉄は、地下区間や地下駅のイメージが少ない分、予備知識がない状態で遭遇すると驚きがあり、それが旅の楽しみにもなります。

 地方私鉄では、『北鉄金沢』(北陸鉄道浅野川線)、長野電鉄の『長野』~『善光寺下』の4駅があり、広島市では、広島高速交通(アストラムライン)の『本通』『県庁前』『城北』の3駅が地下駅です。いずれも中心部にある駅ですが、事情を知らないと迷うことになりそうです。

 新しく開業した路線では、郊外であっても地上に駅を設置するのが難しくなっていることもあり、つくばエクスプレスでは『南流山』『みらい平』『つくば』が地下、埼玉高速鉄道は埼玉県内7駅のうち6駅が地下といった状況。名古屋市内の駅ですが、愛知高速交通(リニモ)の『藤が丘』も地下深くにあります。名古屋市営地下鉄東山線の『藤が丘』の方は、「高架にある地下鉄駅」なので、注意が必要でしょう。

 大手私鉄の下り終点駅の例では、京王線の『京王八王子』、東急田園都市線の『中央林間』、相鉄いずみ野線の『湘南台』、近鉄奈良線の『近鉄奈良』などがあります。

 東京都内でも、都心部から離れたところで地下区間・地下駅ができると、長年の計画で周知している場合でも、なかなか受け止めにくいと感じる人はきっと多いでしょう。地下駅=都心駅というイメージが強いからだと思われます。

 東急東横線・目黒線の『田園調布』は1994~1995年に地下化されました。20年が経ちましたが、地上駅だった時代を長く知る人にとっては、まだピンと来ないかも知れません。

 京王線の『調布』は、『国領』『布田』とともに2012年8月に、小田急小田原線の『下北沢』は、『東北沢』『世田谷代田』とともに2013年3月にそれぞれ地下化されました。地上駅最終日、地下駅初日を中心に、いずれも大きなニュースになったのは記憶に新しいところです。


大手私鉄の駅名平均字数

 

 大手私鉄16社の駅名、その字数の平均を会社別に出してみました。

 

順位 社名 平均字数
1 京成 3.75
2 京急 3.52
3 京王 3.45
4 小田急 3.37
5 相鉄 3.24
6 東京メトロ 3.154
7 西武 3.152
8 南海 3.14
9 東急 3.07
10 近鉄 2.94
11 名鉄 2.85
12 東武 2.83
13 西鉄 2.81
14 京阪 2.805
15 阪急 2.802
16 阪神 2.67

 

 各社の最長を挙げると、京急は12文字が2駅、東武は11文字1駅、京成は10文字1駅となり、平均では最少ながら、阪神の10文字駅『尼崎センタープール前』が続きます。大手私鉄でこれに続くのは、9文字の『京王よみうりランド』と『小田急多摩センター』です。

 京阪と西鉄は、6文字以上の駅はありません。最長は京阪が『近江神宮前』『神宮丸太町』、西鉄が『香椎花園前』『西鉄久留米』『西鉄二日市』です。

 新幹線を含むJRを同じように調べてみたところ、京阪と阪急の間、2.68と出ました。

 JRで最も長い駅名は、11文字の『鹿島サッカースタジアム』。次いで、9文字の『サッポロビール庭園』『上越国際スキー場前』『ユニバーサルシティ』が続きます。