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卒業生よ未来に向かって羽ばたけ

◇2月15日(月)晴れ

今日は本校へ入りたい中学3年生たちの一般入学試験の日。

一週間ぐらい前から微熱が下がらず、睡眠をとることすら億劫で、体がむず痒くなっているような気がする。朝、嫌な感覚が体を覆っているようなので、どこが悪いのか点検してみたが、どうも胃のあたりがかったるい。私の身体とは裏腹なのか、外を見ると快晴で空気が透き通っているようだ。

卒業する私の可愛い生徒たちが、ここにきて風邪をひくようなことになったらいけないと心配している。17日は予餞会、18日は卒業予行練習、19日は卒業式だ。何かと準備で忙しく、今日も教職員室に張り付いている。5時半に入試合格の報告で、二人の生徒がやって来て懇談。8時になっても同僚たちはまだたくさん残っている。それでも9時には卒業式の役員と打合わせを終え帰宅した。疲れました!

私のクラスの生徒の中には、いろいろな環境の子がいた。父子暮らしで、朝食の支度をしてからでないと学校に来れない子。低血圧で朝にとても弱く、いつも遅刻で駆けつけていた子。3年の前半を入院生活していた子。膝に水が溜まり思うように正座などが出来ず、雨の降る日にはひざが痛み、ふらふらしながら歩いて、泣きながら学校に来ていた子等々。1人ひとりが自ら背負う宿命と闘いながら、社会の人材になろうと挑む姿に触れ、全員が力ある人材として、大きく成長できるように願ってやまない。

外部の識者等から激励を受ける機会も設けてきたが、その成果が出てきて、クラスの生徒の眼差しは、真剣なものになったと今は感じている。

卒業式の際には、全員が新しい航路に出発するのだから、さらなる決意をしていけるよう、当日を大成功させたい。少々体だるし!!       しのぶ

 

◇2月19日(金)晴れ

少し暖かい日であった。今日の卒業式は圧巻でした。私の思った以上に大成功で、涙が出ました。

正装されて全生徒の父兄が参加。用事で来れないと聞いていた父兄も、やりくりをして来ていただいたので、その生徒も大喜びでした。もう一人の親は風邪をひいていたのですが、娘の晴れ舞台に参加しないのは子不幸だと、病院に寄って駆けつけてくれた方もいました。生徒や父兄の皆さんが、今日の旅立ちを何とか盛り上げようと一生懸命なので、目頭が熱くなりました。卒業式の流れは、「国歌」「校歌」斉唱、卒業証書授与、校長告辞、来賓祝辞、在校生送辞、卒業生答辞、自署名簿提出の辞、卒業記念品目録贈呈、保護者代表謝辞、「仰げば尊し」斉唱で進んだ。特に卒業証書授与では、ひざの痛む子を、脇で支えてサポートする同級生の微笑ましい姿に涙しました。校長先生は、大学へ行く生徒、就職する生徒それぞれに、本当に心のこもった素晴らしいはなむけの言葉を述べていました。卒業生全員の心に残ったと思います。送辞と答辞も、目がうるうるになってしまいました。答辞はうちのクラスの金子さんだから、彼女の苦闘や成長の日々を思い出して、万歳をしたいくらいでした。彼女は将来、国際弁護士として世界平和のお役に立ちたいと、日本の法曹資格と米国の法曹資格を取得することと、国際法・条約に関する知識や語学力を身に付けたいと言っています。うちの高校始まって以来の秀才で努力家ですから、きっとその目的を達成すると信じています。彼女は高校一年の時からずっと見てきましたが、1年生の時は怠けて学校に来なかったり、少しいかがわしいところで遊んでいるところを補導されたりと、退学になると考えられていた子です。その子が自宅謹慎の時、たまたまあるアメリカの弁護士物語の映画のビデオを見たのですが、それが青天の霹靂だったようです。その日から人が変わったように勉強し始めました。そして今回、中央大学の法学部に一発合格し、新しい人生を歩み始めています。人間って判らないものです。ですから可能性の大光は、どんな人にもあると信じてやみません。それに彼女は少しぐれていたころには考えられないくらい、他人の体のことを心配したり、またクラスの団結を願ったり、ボランティアに挑戦したりと、本当に大成長しました。感無量です。他の生徒も同じですが、未来に向かって羽ばたけと言いたい。

教師になってはや7年目!また卒業生を送り出す今日この日、私の教師としての戦いの中で、何人かの人材を、いいえクラス全員の人材を輩出できた実感を手中にし、たくさんの喜びを、震える思いで受け止めている。体は不調でだるいが、気分だけは爽快!  しのぶ

 

◇2月28日(日)曇時々雨

今日は腹痛がしている。食欲もあまりない。体調があまり良くないのである。卒業生を送り出した安心感で、どっと疲れが出たのだろうか。

一昨日の仕事が終わってから、2年先輩とともに帰る時、彼女が今、交際を申し込まれていることを聞かされました。

男性など寄せ付けないほどの何か凛とした気迫のある女性だと、同僚と噂し合っていた彼女なのです。彼とは、海外研修のときに偶然出会ったそうで、三歳年下の彼を、弟のごとく女性との交際のアドバイスをしてあげていたそうです。それから時がたち、忘れかけていた12月の中旬ごろ、連絡が入り始めたのだそうです。その彼は東京に出て来て9年目、年齢は27歳。実家は福井県にあって、大工さんをやっているそうで、親元から離れ、一人暮らし。ねえ!誰かに状況がそっくりではありませんか?そんな状況は、周囲にはたくさんありますか?でも、ちょっぴり大人に脱皮してないことや、考え方も驚くほど良く似ていたのです。彼女は申し込まれて、次に会う時にご返事をするそうですが、もうその気のようです!今は女性のメンツで、自分の方からは一度も電話をしたことがないそうです。交際には色々なパターンがあるのだなと感じています。

 

彼殿から電話があったので、これから待ち合わせなのですが、構えた姿勢で行くのです。思い切ってお酒の話をするのですからね・・・・・・!只今午後4時。

 

彼殿とお逢いしてきました。

2人とも今後の主導権を誰が取るのかということで、今まで遠慮しながら言葉を投げてきたのも事実だと思います。私も彼殿に対して、実体のない不安(心の動き)で、彼殿の考え方を思いあぐね、自身の心を動揺させてきました。今日からは出来る限り、天邪鬼ではなく、素直になりたいのです。裸の自分を出していきたいのです。2人だけでいる時は、もっと頼っていきたいし、甘えたいと願望しています。しかし、表現の下手な私は、反作用となり、意地悪いことを言ったり、皮肉なことを言ったりしてしまいます。が、心優しき彼殿は、そんな私の事を知っていてくれて、温かく見守ってくれるでしょう!

今日はずっと側にいて、貴方のぬくもりを感じていたいなと我儘な心でいました。今も鼓動は高なり、判断力は弱くなっているけれど、もっともっと貴方の心の中に深く入り、独り占めをしてみたい。おやすみなさい。あ・な・た。

 

あなたが今生きていること

そして私が今生きていること

そして2人が出逢ったこと

それは偶然なことではありません

例え日本の地ではなくても

2人は出逢えていたであろうと 

私は信じているのです                     しのぶ


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奥付



私、がんばったよね


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著者 : 三輪たかし
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