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はじめに

はじめに

本書をご購入いただきありがとうございます。

本書は八つの話しを収録しており、全て異なる著者が書いたものです。ですので、独特書き方が含まれます。

中には実話、フィクション両方が混ざっています。

読みながらどれが実話か、どれがフィンションかを考えてみると面白くなるかもしれません。

最後のページにてどれがフィクションか記入されています。

 

ご注意ください。


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目次

1.   アプリ 

2.   へびの恩返し 

3.   ロシア人 

4.   白い服の女 

5.   青い紙と赤い紙 

6.   赤い光 

7.   不思議な母

8.   這い寄る 

9.   神がかることは、とどめを知らず


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アプリ

 

俺は妻と小学3年生の娘との三人暮らしなのですが、最近小学校の近所で若い男性に声をかけられ、手を引かれて車に連れて行かれそうになった女の子がいました。

その女の子は娘の同級生で仲の良い友達だったので、娘は大変に怖がり、妻がパートから帰って来るなり妻に抱きつくように泣きついたそうです。

その日帰ってからその話しを聞いた俺は、いろいろな事件のことを思い何とかしないと不味いなぁと思いました。

しかし、出勤時間も帰宅時間も合わないために俺も妻も車で送迎できないし、困っていました。

とりあえず、学校側が対処してくれて、登下校の時間に要所に先生が立って見送ってくれることになりました。

このような見守りが数日続いたある日の朝、新聞の朝刊に一枚のB5サイズくらいの小さな折り込み広告が入っていました。

その折り込み広告には「大事な娘さんを守れるのはあなただけ!!この見守りアプリを使えば娘さんの居場所が分かるだけでなく、娘さんに何かあったときの緊急連絡も可能です。大事な娘さんを守るために今すぐここからアップリをダウンロードしてください」

妻はこれだと思い何も疑うことはしないでそのアプリをダウンロードしたそうです。

そして娘にもダウンロードして、妻のアプリと娘のアプリの連携をとって、娘の居場所を妻のアプリが感知して地図を表示し示してくれるようにしました。

その時に名前を入れなければならないというので、娘の本名は彩(さや)というのですが、アキと入れたそうです。

するとアプリが「本名を入れてください」と男性の野太い声で返事をしてきたのです。

妻は少しドキッとしたそうですが、娘はなぜその声を聞いたときに驚いて両耳を塞ぎうずくまったそうです。

しかしそんな娘の様子も含めてあまり気にしないでいた妻は、「マキ」と入力してみました。

すると再びアプリが「本名を入れてください」と返事をしてきて、入力待ちの状態のままでした。

妻はなぜ入力を受け付けてくれないのか分からず、名前を変えながら何回も繰り返したのですが、同じ返事をして受け付けてくれませんでした。

10回ほどそのようなことをしたそうですが、最後に「もも」って入力したら、アプリから「あなたはサヤさんですよね?」と返事がありました。

怖くなった娘は泣き叫び、妻はそのアプリを削除しようとしたのですが、「リンケージエラー」と画面に赤い文字が表示されてなぜか削除できません。

リンケージエラーということは妻のアプリと連携しているからだろうと思い、妻は自分のアプリを削除しようとしました。

しかし、同じリンケージエラーを表示して削除できません。

妻は「なんで削除できないの」って叫びながら「どうしよう…どうしよう…」と呟いていました。

そのときです、娘のアプリから「ボクを消さないで…ボク…サヤちゃんと一緒に居たい…だからボクを消さないで…」と泣いているような男の声が聞こえました。

娘は「キャー」と叫び携帯を投げたのですがその投げた携帯がテレビ台に立てかけるかたちで当たり、携帯の画面が娘の方を向く形になりました。

娘は無意識にその携帯に目を向けたら「この人…あのときの人…」って小声で言って気絶してしまいました。

妻は怖くてそんな娘を抱きながら震えていました。

俺はそのときに起きてきたのですが、妻から話しを聞いてあの変質者がアプリを作って娘の居場所を探り連れ去ろうとしたのだろうと思ったので、その日は会社を休み妻と娘の携帯を持って警察に行きました。

変質者が捕まったのはそれから数週間後でした。

 

その後警察から聞いた話しですが、その男はスマホのアプリを開発する会社に勤めていて、一ヶ月前に退職していたこと。

最初から狙っていた俺の娘だったこと。

同級生を車に乗せようとしたのは娘の住所を聞き出そうとしたかったからだということ。

聞き出しに失敗し学校の見守りが始まったので、娘の後をこっそりつけて住所を探ったこと。

自分でアプリを開発し、朝新聞が配達されるのを俺の家の近くで待って、配達された新聞に自作の広告を入れたこと。

そして、娘の手のひらに包まれているだけで幸せだと思ったので、携帯の中でずっといたかっただけだということ。 

などを教えてくれました。

 

しかし、娘の心の傷は癒えていませんし、俺の提案で娘も妻も携帯をガラケーに買い換えました。


試し読みはここまでです。続きは購入後にお読みいただけます。

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販売価格100円(税込)

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