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Present【1】

 夜明け前。
 ティリスは起こさないようにレオンの腕から抜け出すと(結構難しかった)、そっと部屋を出て、扉を閉めた。

     *


「……?」
 朝。
 ティリスを抱きしめようとして、レオンはあれと思った。ない。ティリスがいない。
「……ティリス……?」
 いるはずの場所が、冷たかった。それに気付くと、レオンは険しい目をして起き上がった。いなくなって、かなり経つのだ。ちょっと出て行ったとか、そんなじゃない。
 置いていった――
 にわかに目が覚めて、レオンは起き上がるなり、着替えに立った。
 寒いしいないし寒いし。
 見つけたらただじゃおかないと、真紅のマントを羽織り、漆黒のブーツを――履くのに手間取った。いつもティリス任せなので、慣れていない上に手がかじかんで、靴紐がうまく結べなかった。
 何もかもティリスが悪いんだと、靴紐が結べないのまでティリスのせいにして、皇子の朝は不機嫌に始まった。


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最終更新日 : 2010-10-09 00:16:48

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