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「ねーねー、やっぱ告ってきたー!?」

夕方4時

化学準備室で女の子を待つ。

来た女の子の前でテンパる鈴木。


「えっと・・えー、あの・・

好きです!」




女の子「ごめんなさい」

足早に部屋を出ていくその子。


そして
何か、聞こえる。


あれ?

っていうか、
すげー大きな声が聞こえるぞ・・




「ねーねー、やっぱ告ってきたー!?」

「うん、予想通りだねー」

「ぎゃはははマジ■$○☆・・・




ていうか




メッチャ聞こえてるんですけど・・!!!




どんだけどうでもいい存在!?


打ちひしがれた鈴木は思った。


「ぬぅぅ・・もうこんな思いは
二度としたくない!!」


その時の鈴木には知る由もなかったが

こういう時、男には
2つの選択肢が迫られる。


1つ目は、

もう二度とこういう失敗はしたくないと
女の子にアタックするのをやめる

2つ目は

もう二度とこういう失敗はしたくないと
恋愛スキル、トークスキルを磨き、
ひたすら経験を詰む


そのどちらかである。


鈴木の出した答えは2だった。


さらに鈴木は欲張りだった。


外見も変えてしまおうと企んだのだ。



 


「あ、鈴木君、ニヤニヤ・・」

放課後呼び出した女の子に


「やっぱ告ってきたー」
「ぎゃはははマジ受けるー」

という会話をおもいっきり
聞かされた鈴木は

打ちひしがれながら
次の日も学校へ登校する。


そして鈴木は目の当たりにした。


「あ、鈴木君、ニヤニヤ・・」

「おー!鈴木、ニヤニヤ・・」


「ざわざわ・・ざわざわ・・」




え?


ええ??







連絡網でもあんの!?





鈴木はテンパった。


なぜか鈴木の愚行っぷりを
知っている人物が教室の
大半を占めていたからだ。


どうにかしなきゃ!!


この時鈴木は少し方向性を間違える。



芸能人に・・なるしかない!!

ちっくしょー、今に見てろよー
TVに出てキャーキャー言われてやる!!


そして週末には新宿御苑まで行って
芸能プロダクションに自分を
売り込みに行くという

謎の行動力を発揮した。


結果はもちろん、








言わなくてもわかるよね






さらに打ちひしがれた鈴木は
ここでようやく方向性に気づく。

自分の、身の丈にあった
解決方法を選ばなきゃダメだ。。


そして、


次の日からいろいろな
試行錯誤を繰り返したのだった



担当者:「「学校へ行こう」とかに出れますよ」

行動力だけはあった鈴木。

女の子に告白するのも、

身の程を知らず芸能プロダクションに
自分を売り込みに行くのも、


失敗する恐怖より
よくわからない情熱のほうが勝っていたのだ。


芸能プロダクションの担当者に
いろいろ説明を受けたが、


要約すると





「学校へ行こう」とかに出れますよ

冴えないオタク系男子の企画とかね。ニヤニヤ






要はそんな感じだった。



実際はこちらの気持ちを配慮して
話してくれた。


だが・・



顔が微妙だから・・って感じを

直接言わず、なんとか鈴木にわからせようと
何度も切り口を変え、表現を変え、

オブラートに包まれて話されたのが
鈴木の心を折った。



(学校へ行こう、は当時高校生の間で
すごい流行っていたV6の番組

大量の冴えない高校生が出ていた)



だめだ。


いきなり階段すっ飛ばして
ゴールは無理。


とりあえず、


平民以下の俺は平民になるための
努力をしなければならない・・


そのためには何がある??



奇しくもそのヒントは
心を折られた担当者の言葉の中にあった


「学校へ行こう」である。。



2,3ヶ月後、学校へ行こうで
「アイプチ」の存在を知った。


冴えない男子学生をイメチェンする企画である。


髪型を変え、
ファッションを変え

一重の人はアイプチを使って二重に変え・・



「アイプチ??
こんなアイテムあるんだ!?」



鈴木の中に衝撃が走った。


やってる人が2人いた

こんな便利なアイテムが
あるんだ。

整形などは一切考えていなかった
鈴木は、これなら簡単に出来そうと

アイプチについて調べてみることにした。


そしたら、
衝撃の事実が発覚。


え、○○さんも○○君もやってんの?


やってる人が
クラスメイトに2人いた。


マジか!


超ラッキー!
いろいろ聞いてみよう♪


女の子に告って振られ、
クラス中にその愚行を知られていた
鈴木の印象はとりあえず最悪だったが

アイプチやっている人からすれば
仲間が増えるのはウェルカムだったらしく

付け方とか教えてもいいよと言われた。



でもあんま仲良くしてると
思われたくないらしく




人がいる所ではあまり話しかけないでね。




と言われた。




鈴木は2、3ヶ月ぶりに
打ちひしがれたが、

なんとかこらえた。
ちょっと泣きたくなったけど。



そうしてアイプチの使い方を
教えてもらった鈴木は、


さっそく近所のドラッグストアに
足を運ぶのだった。


「怪しい物買いに来た~」

下校時、

アイプチを買うため
ドラッグストアへと向かう鈴木。

やったーこれで
二重が手に入るぞ!

鈴木は高揚していた。


だが、ドラッグストアに入り、
鈴木は一瞬フリーズした。




店員が、女子高生・・・!!?



げ、ヘタしたら同じ学校の生徒かもしれない。



まずい。
絶対買えない。


買ったら


パターン1 「へぇ~・・・ニヤニヤ」

パターン2 「キモ」



このどちらかのパターンになる




軽く女子高生にトラウマを
抱えていた鈴木の脳内では

どう転んでも、その2パターンに
分類されるのみだった。


鈴木は打ちひしがれた。



当時はamazonなんて無い。

いや、あったかもしれないけど
ガラケーを高2で初めて手にした鈴木は
amazonなんて知らなかった。


どうしよう。
他のドラッグストアに行ってみよう。


そして次の店でも
自動ドアが開くと同時にキョドった。



また女子高生じゃねーか!!



ドラッグストアのバイト流行ってんの!?



キョドっちゃったし、なんかもう、


「いらっしゃいませ~」


のトーンが、


「怪しい物買いに来た~」


って言われてるようにしか思えなくなって来た。



ダメだ、出直そう。


鈴木は自宅へ帰るのだった。



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