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第一印象の差でこの違い

完全なる平民以下の人間


嫌われるでもなく好かれるでもなく、


とりあえず気にも留められてないタイプ


そんな空気的存在だった鈴木。



女子に告白し、玉砕したあと

メッチャ聞こえる声で

「あいつやっぱ告ってきたー」
「ウケる~」

を連呼され


友人にナンパしてみと言われ
やってみたところ

「何こいつ?」

という顔をされ、


いろいろな場面で
打ちひしがれてきた鈴木。



そんな鈴木は、一番最初に

・外見を変える


ことを皮切りに、



・ナンパにリベンジたり

・出会い系サイトを使ったり

・接客業バイトをやってみたり

・モテ男を徹底的にマークしたり



いろいろな経験を経て


まったく別人のような毎日を
手に入れることが出来た。


そんな経験をすると、
面白いことがどんどん起こる。


バイト場ではいつの間にか

恋バナ相談といえば鈴木

そんなポジションが定着してしまい、


カッコつけて

「あーはいはい、あるよねー
そういうパターンは引くよね~
それ切ないよねー」

と、ドヤ顔で人の話を聞くキャラに変貌した。


ただ、当然学校内では
普通に空気系キャラが根強く残っている。


学校内でのクラスメイトへの第一印象と

バイト内でのスタッフへの第一印象が


まったく違うからだ。


これを理解した鈴木は、

バイト場にいる時のような自分で
これから高校卒業後も過ごして行きたいと
思った。


そんな中、
中学校の頃の後輩から

バイトを紹介して欲しいという
連絡を受ける鈴木。



普通にいいよーと返信しようとした矢先、



「げ!、やべ!!」

「あいつ俺の一重の頃知ってんじゃん!!!!!」



鈴木は焦った。


少しだけ長い目で見ることを覚えた鈴木

中学生の時の後輩から
バイトを紹介して欲しいと言われた鈴木。

鈴木は焦った。


「あいつ俺の一重の頃を知ってるじゃん!」


高校ではとっくに目を変えたことを
バレている。

バレているというか
気にもとめられていないのだが。

だから高校でどうなろうと別にいい。


ただ、
バイト先でバレたら、

せっかく、今まで積み上げてきたものが・・

すべて崩れてしまう!!


鈴木は思った。


だが、中高の頃の鈴木は人の頼み事を
一切断れないヘタレだった。


加えて、

その後輩は

運動神経ゼロでレギュラーを後輩に
奪われるレベルの鈴木にも

普通に接してくれる可愛いやつだった。


こいつの頼みは断れない。
もう、しゃあない。

バレたらバレたでいいや~

と開き直った鈴木は

「OK、店長に話しとくよ」とメールを返した。



そしてしばらく経って
ふと、鈴木は思った。



ていうか、積み上げてきたってか
別に大したもんじゃないよな

別に今のバイトの世界が全てでもないし

高校卒業したら明らかに
今までと違うキャラで行けるわけだし



今までが平民以下の人生だったからこそ

今までと全く違うポジションを
手に入れられているバイト先に価値を
置きすぎてしまっていた

鈴木はそう思ったのだ。



高校卒業したらそのバイトも
やめるだろうし、

とりあえず今は卒業後を考えて動こう。


鈴木の思いは固まった。




そして3日後

久しぶりに中学校の後輩と会った鈴木は

驚愕することになる。



後輩の予期せぬ一言

後輩が鈴木に発した一言。


それは鈴木にとって
予期せぬ言葉だった。


久しぶりに会い
バイトについての話をしている時、

ふと後輩は言った。





「鈴木先輩、全然変わってないっすね」





「!!!!????」



全然変わってない!!??



「え?そ、そう。」




鈴木は逆に焦った!!




全然変わってないっすね。

まじですか?バレてない。



いや・・ってか


全然変わってないってどういうことだ!?



ちょっと待てよ・・

一応、髪型とか服装とか
そういうものもいろいろ変えたんだけどな・・





ヘタレキャラっぽい感じが
全然変わってないってことか?






というより、
目はまったくバレてないのな・・



いい意味にも悪い意味にも聞こえる。

そこで鈴木は我慢できず、言ってみた。



「まじかー、一応髪型とか
いろいろ変えたんだけどねー」



と。



そしたら後輩。


「ああ、高校に入ったらみんな
変わりますよねー

タメの奴でも髪染めたりしてますしー


でも、似合ってなかったり
そいつっぽく無くなったりしてる奴も
多いじゃないですかー

でも先輩は何か昔の感じだなーと
思っただけっす」



「あー、なるほど」



おそらく一応先輩ということを
たててこう言ってくれているのだろう。


ひとつ言えることは、

結局、目はバレていないということだ。



「整形したんすか?」

とか言われるのかなと覚悟していただけに、
完全、肩すかしを食らった気分だ。



後から思ったことだが

鈴木自身、後輩の顔をまじまじと
見たこともなかったし、

昔と比べて「後輩の顔」が
変わっているかどうか?

それは鈴木にも全くわからなかった。



つまり、


人は1年、2年、3年と経っていくと
徐々に、その年月が長くなるほどに、

その人の顔、というよりは

イメージや雰囲気の印象しか
覚えていないものなのだ。


2,3年も経てば顔の造形など
ほとんど覚えていることはない。


より覚えていることと言えば
「その人の声」や「会話」くらいのものだ。


例えば10年前にTVで聞いた曲も、

その人の歌声やメロディーは覚えているが、
顔はほとんど覚えていないことのほうが多い。


だから、変化をほとんど悟られなかった。



そして、この後も、


小学生の頃の、

一重まぶただった頃の鈴木を
知っている人物と久しぶりに会うことになる。


そこで、

またさらなる興味深い事実が
鈴木を襲うことになる。



別人マジック

久しぶりに会った中学の後輩に

「全然変わってないっすね」

と言われた鈴木。


これに加えて、

鈴木はさらなる興味深い事実に
出会う。



小学生時代の友人と久しぶりに
4人で集まる機会があった。


その時も、

「整形した?」

とか言われるのかなと
ビビっていた鈴木だったが、


集合場所にまず現れた一人目の友人を見て、

変な違和感を感じた。



あれ?
こんな感じだったっけ・・?

んん・・?



おそらく、お互いがそう思ったはずだ。



そう、


相手の顔が何か別人みたいに
なっているのだ



そして、


次に現れた友人を見て


また思った!!



「あれ?なんか変わってね?」



おそらく、3人してお互いを見ながら
そう思ったはずだ。



ほんとに集合場所、ここか?

「いやーひさしぶりーうへへー」

とか言っちゃったけど、
こいつら他人じゃねーのか?

俺、やっちまったのか?



それぞれがそう思ったはずだ。




そして最後に現れた友人を見て・・



「あれーー?なんか変わってね?」



と、多分みんな思った!!!




「すげー変わったな!!」

「なんか大人みたいになったな!!」

「背、伸びすぎだろ!!」



それぞれが、皆に対して、
こんなセリフばっかり出てくる!!




そう、小学生の友人に
5,6年ぶりに会ったら



どんな人でも
もはや別人にしか見えないのだ。




鈴木は安堵した。



これ、小学生時代の友達とか、
ほぼバレねーじゃん。

だってみんな変わりすぎだもん。


そして思った。


小学生なんて、いわゆる子供の顔で、

高校生とかそれ以上になったら
大人の顔になってくわけだから、

変わらないほうがおかしいんだよな。


と。



結局鈴木は、自分から話した人意外に

目を変えたことをバレることは無かった。





ドヤ顔になった鈴木

中学生の頃の部活の後輩が
鈴木の紹介で同じバイトに入ってきた。


高校生の男子がバイト中に話す内容など

クラスの可愛い子がどうとか

だれかがなんたら高校いって
すげー美人と付き合ってるとか

だいたいそんな感じである。


要は女の話ばっかりだ。




後輩は鈴木に対し、



でも先輩は彼女いなさそっすねーグへへぇ

みたいなニュアンスを
ちょいちょい織り交ぜてきた。



だが、鈴木が同じバイトの子と
付き合っていることを知った際


後輩は驚愕した



「マジっすか!?」
「ま・・まじっすか!!!???」


鈴木の中学生の頃を知っていれば
ビビるのもうなずける。


そして後輩のまじっすか顔を
目の当たりにした鈴木は






ドヤ顔になった






そして後輩からちょくちょく
相談を受けるようになった鈴木。



いろいろな話をしたが、


いつも鈴木が抑えているポイントは2つ
しかなかった。


それは、


第一印象と会話


これだけである。


これだけ普通以上なら、

人間関係も恋愛もそうそう、
ヘタを打つことはない。


鈴木は高校卒業後、

モテ男やモテ女ばかりがひしめく
接客業でバイトすることになったのだが

この2つのポイントを抑えることで
平民以上の毎日を送ることが出来た。



とはいえ、
人生はいろんな予期せぬ出来事もあるもの。

鈴木は高校卒業後、
荒波にもまれていくことになる。



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