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今度の土曜、会おうよ

アイプチを付け、
外見を変えた鈴木は

出会い系サイトを使ってみようと思った。


なにがどうなればOKなのか?

そんなこともよくわかっておらず、

とりあえずプロフィールを作り、
同じ県内の女の子にメッセージを送る

そんな感じを2,3やってみた。



すると、3人くらいメッセージを
送った時点で、

変なメールが来た。


詳しくは覚えていないが、

要は

「シャチョサーン、シャチョサーン
お金頂戴よ~」


みたいな感じだった。


スルーした。


そして、5人くらいにメッセージを
送った時に

いい感じに明るそうな
女子から返信が来た。


「○○市?2個となりだ!結構近い!」


さっそくメールを返す鈴木。


結局メールは5,6日続き、
鈴木は思った。


やっぱ、お互い顔知らないのって
俺にとってはいいことだ。

顔がわからない状態なら
全然そこら辺のやつと同じ
土俵にたてるじゃねーか。


そう。


メールは第一印象が文章。

顔は関係ないのだ。


もしこの人物に、

鈴木の初期の顔で、

「実際に会った後、メール交換」

という流れなら

間違いなく、メールなど
続かなかっただろう。



学校でも、バイトの休憩中も、
とにかくメールを交換しまくり


ついに、



今度の土曜、会おうよ



みたいなメールが来た。



鈴木は焦った。



「まじですか!!!!」



「何を話せばいいの!?」

「何を着ていけばいいの!?」

「えっと、えっと・・とりあえず

その日は3,4時間だったら時間作れるよ。送信・・」



「ふぅ・・」



鈴木にとって最大の試練が
襲いかかる。



行き当たりばったりで当日を迎えた鈴木

出会い系サイトで
メールをしていた女子から

「今度の土曜、会おうよ」

というメールを貰った鈴木。


鈴木はナンパした時以上に
ドキドキを抑えきれずにいた。

なぜなら、

どこかのお店とかに入って、
二人きりで1,2時間話すことになる。


「とりあえず女の子に声をかければOK」

というものとは
まったく別次元のハードルに思えた。


「何を話せばいいんだああああ!!??」


鈴木は脳内でいろんな妄想をし、
勝手に打ちひしがれていた。



「あっ、えっと、あ、あ、あのー」


「キモ、帰る」


うわあああああああ



「あのさ、えっと、あの、その・・」


「あんた何人?」


うわあああああああ



「えっと、えーと。え、え、」


「バルス」


うわあああああああ




想像はやめた方がいい。鈴木は思った。

身が持たなくなるからだ。



行動を起こさないよりは
何倍もマシなのだが

鈴木はいつも行き当たりばったりだった。


今回もとりあえず
思いつきで始めた出会い系サイト。


当然、事前の対策も無いし
情報収集も一切行っていない。



結局、

何の対策も立てることができないまま
当日を迎えた鈴木。



待ち合わせの駅に向かっている
電車の中で






鈴木は下痢と戦っていた。





うわあああああああ



いい子そうで笑顔がかわいい女子 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!

女の子と会う当日
電車の中で下痢と戦っていた鈴木。

「あと2駅、あと2駅、フゥゥゥー」

緊張するイベントの際
電車での下痢率は軽く80%を
超える鈴木。

鈴木は緊張と腹痛で
変質者のような動きを繰り返していた。


そして駅につき、
トイレに駆け込み、

なんとか落ち着いた鈴木。


待ち合わせの時間まで5分を切った。


心臓がハンパない速度で動いている。


ドキンドキンドキンドキン


そして、メールが鳴る。





「改札前のパン屋の前にいるよ」





「もういる!!!!!」




パン屋の方を見る鈴木!!!



女子が一人立っている!!!!



「いる!あそこに女の子いる!!
顔はよくわかんないけど、
とりあえず、いる!!!」



鈴木はテンパった!!!!




だが、もう後には引けない!!!!!!




ゆっくりと近づいていく鈴木!!!!!!




それに気づく女子!!!!!!




笑顔に変わる女子!!!!!!!!!!




(おおおお!!笑った!!!!!!)




鈴木は笑顔によって
緊張が一気に和らいだのを感じた!!!!!!!




お互いの距離はもう2メートルも
無かった。




話しかける鈴木。




「えと、○○ちゃん?」





「うん、よろしく」












いい子そうで笑顔がかわいい女子

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!



デート場所はなぜかイトーヨーカドー

いい子そうで笑顔がかわいい女子がキタ。


おそらくクラスのグループでは
漫画・同人誌好きなグループ?
のような感じだろう。

鈴木は結構そういうタイプの
女子が好きだった。


ちなみにお姉さん系も好きだし
スポーツ女子も好きだった。


要はただの女好きだった。



そして会話が始まる。



「なんか変な感じだねー」

「そうだねー」


出会い系で出会った男女が
一回はやりとりするであろう会話だ。



この子は中高と女子校らしく、
男と接点が無かったという。


「なるほど!!」

「だからこんなメール下手な俺でも
サクサク進んだのか」

会話しながら鈴木は思った。



今思えば、女子大の文化祭に行った時

「ホットドッグいかがですかー?」

はただの見せかけで、
これただの逆ナンじゃねぇか
という光景を何度も見た。



出会い系で会ったら

まあ、最初はだいたいカフェや
ファミレスに入るのが普通だろう。

だがなぜか鈴木達は
駅前のイトーヨーカドーの
エレベーター横のソファーで2時間話した。


家に帰る頃には
正直、会話の内容はほとんど
覚えていなかった。


だが、

男の接点が無い女子



非モテ男が顔変えてデビュー


の間では、もうだいたいこんな感じになる。


「えっと、つ、付き合う・・?」

「うん、いいよ」


その瞬間だけがひたすら
鈴木の頭の中で繰り返されていた。



そして、鈴木は思う。


「よし、バイトいっぱいやって
プレゼント買おう!!」


それまで、

顔が微妙すぎ+暗すぎのため
あらゆるバイトに落ちてきた鈴木。

その時は誰でも受かる
人材派遣のバイトの登録はしていた。


土日使ってバイトして、プレゼント買おう!!!





だが、このプレゼントで
鈴木はドン引きされることになる。






ドン引きされる鈴木

平民以下のポジションを受け入れ、

クラスで空気の様に過ごしていた鈴木。


だが、出会い系サイトで
出会った女子と付き合うことになってから


「ぐはははは。お前らが空気の様に
扱っている俺は、まさかの彼女持ち!
貴様らの大半より上!!」

と、脳内で優越感に浸っていた。


こうなると面白いもので、
勝手に自信がつき、

振る舞いも変わってくる。

人の変化に敏感なのはやはり女子。

鈴木に対するクラスの女子の対応も
なぜか少しづつ変わっていった。


だが、平民以下が平民になった程度。

そして、

恋愛テクはからっきしダメダメな鈴木。


この後、愚行を行うことになる。


彼女にプレゼントを買おうと
決めた鈴木は、

土日を使って人材派遣のバイトをした。


そして、


人材派遣の事務所がある新宿に行き、
3万円ほどバイト代を受け取ったあと、

鈴木はルミネに向かった。



そこで買ったものとは・・・





まさかの






ペアリングである





デート2回のみ。

まだまだお互い探り探り。



そんな状態で、まさかの
ペアリングを購入したのだ。



3回目のデートでそれを渡す鈴木。






ドン引きされた。






そしてそれ以降、
徐々によそよそしくなった彼女、


そして彼女との関係は


いつの間にか自然消滅していた。



だが鈴木はこの経験で
多くを学んだ。


そして思った。


「ペアリングは完全やっちゃったけど
外見変えたのは普通に正解だったわ」

「とりあえずいろいろ経験すれば
この先もっと良くなるはず」


鈴木はさらなる
ステージを目指そうと思った。





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