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初期設定で「下の下」

第一印象が悪ければ

その後何をしてもあまり評価は変わらない。


たとえ普段はかなり紳士的な
人間だったとしても


初対面で酔っ払いまくっており

「ぐへぇぇーお姉ちゃん、グヘヘぇぇ」

とかひたすら言ってれば、

その後いくら紳士的な態度で
いいことをしようが、

その人物の評価は滅多に覆されない。


これを鈴木は高校生の頃から
感じていた。


顔がね、もう

「ぐへぇぇ」

とか言いそうな感じだったから。


もう何をしようとグヘヘ顔の
印象は抜けないんです。



そのため、
アイプチを付けて外見を変えても、

すでに以前の鈴木を知っている人間の
反応は変わらないことに気づいていた。



だが

これは逆にチャンスでもあると思った。



すでに以前の鈴木を知っている人物は、

鈴木がたとえ、整形しまくって
キムタク的な顔になろうとも、

何も思わないのだ。


つまり、

初期設定で「下の下」と思われていれば
滅多なことでは、評価は上がらない。


そのため逆を言えば、


アイプチ付けて登校しようが、

「また鈴木がテンパって
なんかやってる。ー┐(´∀`)┌ヤレヤレ」

で、済むのだ。


むしろ、ほとんどの人物が
気にもとめていない。


これはチャンスだった。




つまり、鈴木は

高校生の間は、
定着した平民以下という
ポジションに甘んじ、

二重を定着させることのみに費やそうと
考えた。


そして、


卒業後、素の状態で二重を作り
新しいキャラで過ごそうと考えたのだ。



だが、


鈴木は欲張りである。



定着させてる途中の、高校生の間でも、

外見を変えたことの反応を見たくて
ウズウズしていたのだ。




ナンパor出会い系サイト・・
鈴木の頭を2つのキーワードがよぎった。




「あれ?友だちの紹介とかもあるんじゃない?」




と思うかもしれない。










そこは








お察しください








鈴木は一番手っ取り早そうな
出会い系サイトに目をつけた。



今度の土曜、会おうよ

アイプチを付け、
外見を変えた鈴木は

出会い系サイトを使ってみようと思った。


なにがどうなればOKなのか?

そんなこともよくわかっておらず、

とりあえずプロフィールを作り、
同じ県内の女の子にメッセージを送る

そんな感じを2,3やってみた。



すると、3人くらいメッセージを
送った時点で、

変なメールが来た。


詳しくは覚えていないが、

要は

「シャチョサーン、シャチョサーン
お金頂戴よ~」


みたいな感じだった。


スルーした。


そして、5人くらいにメッセージを
送った時に

いい感じに明るそうな
女子から返信が来た。


「○○市?2個となりだ!結構近い!」


さっそくメールを返す鈴木。


結局メールは5,6日続き、
鈴木は思った。


やっぱ、お互い顔知らないのって
俺にとってはいいことだ。

顔がわからない状態なら
全然そこら辺のやつと同じ
土俵にたてるじゃねーか。


そう。


メールは第一印象が文章。

顔は関係ないのだ。


もしこの人物に、

鈴木の初期の顔で、

「実際に会った後、メール交換」

という流れなら

間違いなく、メールなど
続かなかっただろう。



学校でも、バイトの休憩中も、
とにかくメールを交換しまくり


ついに、



今度の土曜、会おうよ



みたいなメールが来た。



鈴木は焦った。



「まじですか!!!!」



「何を話せばいいの!?」

「何を着ていけばいいの!?」

「えっと、えっと・・とりあえず

その日は3,4時間だったら時間作れるよ。送信・・」



「ふぅ・・」



鈴木にとって最大の試練が
襲いかかる。



行き当たりばったりで当日を迎えた鈴木

出会い系サイトで
メールをしていた女子から

「今度の土曜、会おうよ」

というメールを貰った鈴木。


鈴木はナンパした時以上に
ドキドキを抑えきれずにいた。

なぜなら、

どこかのお店とかに入って、
二人きりで1,2時間話すことになる。


「とりあえず女の子に声をかければOK」

というものとは
まったく別次元のハードルに思えた。


「何を話せばいいんだああああ!!??」


鈴木は脳内でいろんな妄想をし、
勝手に打ちひしがれていた。



「あっ、えっと、あ、あ、あのー」


「キモ、帰る」


うわあああああああ



「あのさ、えっと、あの、その・・」


「あんた何人?」


うわあああああああ



「えっと、えーと。え、え、」


「バルス」


うわあああああああ




想像はやめた方がいい。鈴木は思った。

身が持たなくなるからだ。



行動を起こさないよりは
何倍もマシなのだが

鈴木はいつも行き当たりばったりだった。


今回もとりあえず
思いつきで始めた出会い系サイト。


当然、事前の対策も無いし
情報収集も一切行っていない。



結局、

何の対策も立てることができないまま
当日を迎えた鈴木。



待ち合わせの駅に向かっている
電車の中で






鈴木は下痢と戦っていた。





うわあああああああ



いい子そうで笑顔がかわいい女子 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!

女の子と会う当日
電車の中で下痢と戦っていた鈴木。

「あと2駅、あと2駅、フゥゥゥー」

緊張するイベントの際
電車での下痢率は軽く80%を
超える鈴木。

鈴木は緊張と腹痛で
変質者のような動きを繰り返していた。


そして駅につき、
トイレに駆け込み、

なんとか落ち着いた鈴木。


待ち合わせの時間まで5分を切った。


心臓がハンパない速度で動いている。


ドキンドキンドキンドキン


そして、メールが鳴る。





「改札前のパン屋の前にいるよ」





「もういる!!!!!」




パン屋の方を見る鈴木!!!



女子が一人立っている!!!!



「いる!あそこに女の子いる!!
顔はよくわかんないけど、
とりあえず、いる!!!」



鈴木はテンパった!!!!




だが、もう後には引けない!!!!!!




ゆっくりと近づいていく鈴木!!!!!!




それに気づく女子!!!!!!




笑顔に変わる女子!!!!!!!!!!




(おおおお!!笑った!!!!!!)




鈴木は笑顔によって
緊張が一気に和らいだのを感じた!!!!!!!




お互いの距離はもう2メートルも
無かった。




話しかける鈴木。




「えと、○○ちゃん?」





「うん、よろしく」












いい子そうで笑顔がかわいい女子

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!



デート場所はなぜかイトーヨーカドー

いい子そうで笑顔がかわいい女子がキタ。


おそらくクラスのグループでは
漫画・同人誌好きなグループ?
のような感じだろう。

鈴木は結構そういうタイプの
女子が好きだった。


ちなみにお姉さん系も好きだし
スポーツ女子も好きだった。


要はただの女好きだった。



そして会話が始まる。



「なんか変な感じだねー」

「そうだねー」


出会い系で出会った男女が
一回はやりとりするであろう会話だ。



この子は中高と女子校らしく、
男と接点が無かったという。


「なるほど!!」

「だからこんなメール下手な俺でも
サクサク進んだのか」

会話しながら鈴木は思った。



今思えば、女子大の文化祭に行った時

「ホットドッグいかがですかー?」

はただの見せかけで、
これただの逆ナンじゃねぇか
という光景を何度も見た。



出会い系で会ったら

まあ、最初はだいたいカフェや
ファミレスに入るのが普通だろう。

だがなぜか鈴木達は
駅前のイトーヨーカドーの
エレベーター横のソファーで2時間話した。


家に帰る頃には
正直、会話の内容はほとんど
覚えていなかった。


だが、

男の接点が無い女子



非モテ男が顔変えてデビュー


の間では、もうだいたいこんな感じになる。


「えっと、つ、付き合う・・?」

「うん、いいよ」


その瞬間だけがひたすら
鈴木の頭の中で繰り返されていた。



そして、鈴木は思う。


「よし、バイトいっぱいやって
プレゼント買おう!!」


それまで、

顔が微妙すぎ+暗すぎのため
あらゆるバイトに落ちてきた鈴木。

その時は誰でも受かる
人材派遣のバイトの登録はしていた。


土日使ってバイトして、プレゼント買おう!!!





だが、このプレゼントで
鈴木はドン引きされることになる。







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