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こんなことがあった~結果、こうなった~この辺が特徴 など

 

 とにかく書き綴っていたらなんだかんだで一大長編小説になってしまった、というのが正直なところ。難航した時期もあるにはあったが、総じて順調かつ予定通りに完結に至ったのは、拙筆随筆などで書き癖がついていたことの賜物であり、かつ読者の皆さんの蔭ながらの応援・声援に支えられ、というのが大きかったと思う。(改めて、御礼申し上げます。) ここに締めくくりとしての「あとがき」を記しつつ、ネタばらしにならない程度でよもやま話を加えてタラタラと。ひとつご笑覧の程を。

 

《こんなことがあった》

 

 フィクションではあっても、リアリティを出す上で然るべき仕込みが必要になってくる。すると、日常生活に新たな視点が加わる、というか、ちゃんと調べようと思って、いろいろなものに目が向くようになる。これは今更ながらちょっとした発見だった。女性が多く出てくる都合上、その出で立ちを説明する場面も増える訳だが、店先で「あっ、この衣装・・・」と閃いても、その名称がわからないことがチラホラ。ファッション誌を立ち読みするのは何なので、通販のカタログにお世話になることになる。細君宛に届くものはもとより、コンビニ等の店頭で無料配布されているのもせっせと入手してきてはページを繰る。チュニックだプルオーバーだ、というのが文中に入り込んでいるのは、この新習慣(?)の成果である。

 

 もっとも、登場人物の服装をあれこれ書かざるを得なくなるのは、絵を使わない媒体だから、であり、他にもやたら説明が長くなるのはひとえに文章オンリーの為せる業。描写力が問われ、それなりに鍛えられた一年余りであった。(自分で言うのも何だが、絵が浮かぶような字面になっている可能性は大。つまりマンガ化 or ドラマ化しようと思えばできる、かも?!)

 

 基本的に、(1)MS-WORD上で下書き(=散文調)→(2)同じフォーマットでそのまま本文作成(=入稿)→(3)概ね「○月の巻」単位でプリントアウトしてチェック&修正→(4)話の区切りとタイトルを考える→(5)Web掲載(PDF化)の前に再度修正(これを毎週)→(6)一括PDF(横書き版)作成時に再度見直し(赤字補整)、といった具合で進めてきたので、推敲はそれなりに重ねているつもり。全80話につき、この一連のプロセスを完了したことになっているが、はてさてどうだろう?

 

 上記の流れのうち、何が楽しいと言えば、ズバリ「タイトル決め」である。ただし、初期の頃はどんなタイトルでもかぶることはなかったが、話数が増えてくると似たようなタイトルにならないよう腐心することになり、楽しいとばかりも言えなくなってくる。"アップ"と"ダウン"については数回出てくるが、苦慮の末、「スローダウンな師走」「クリーンアップ初め」「Warmin' Up」「カウントダウンが始まる」「新たなカウントダウン」と何とか最小限(?)に。ジェットコースター系ストーリーではないので、アップ&ダウンがあるとしたらこの程度、という捉え方をしていただければ幸いである。

 

 顔・形についてはあまり考えていなかったが、いつの頃からか夢に登場人物が出てくるようになって、勝手にイメージを起こしてくれたりもした。それでも、登場人物が文中で独創的に動き始める、ということはなく、某作家や某漫画家が語るようなエピソード(例…作者の予想不能な動きや展開etc.)は体感するに至らなかった。それだけ初期設定が綿密だった、ということだろうか。ただ、下書きから清書に至る過程で、人物の心理状況とかが露わになってくると、作者にもそれが移ってくるような感覚を覚え、キーボードを叩きながら、オロオロ。小説を書いてみないことにはわからない一種の不思議体験である。

 

 登場人物の下の名前が呼ばわれるのが聞こえるとつい反応してしまったり、イメージに近い人を見かけたりするとつい視線がついて行ってしまったり、街中で人物観察するのが楽しくなってしまったり、度が過ぎると奇天烈領域になってしまうが、小説を書くとこういう副作用が現れるものなのか、と一人納得した日々でもあった。

 

 小説だからではあるが、書き方の工夫が多少なりともできるようになったこともちょっとした進歩と言えるだろうか。ストーリーの途中から入って、回想シーンから始めるというのはさすがにできなかったが、ある日を起点に過去を語ったり、人物の会話の中で過去を引用したり、というのは覚えた。その過去の出来事を忠実に時系列の中に入れれば、それだけで一話になってしまうところ、ふりかえることにすればページを割かなくて済むし、謎(伏線)を残せるという点でも有効である。(おそらく小説の手ほどき本のようなものには、こうした手法とかが満載なんだろうと思うが、自分なりに考えながら実践するからいい、というのはあるだろう。小説には読むだけでなく、書く楽しみもある道理である。)

 

 長編になってしまった理由には、設定や布石があれこれ散りばめてあるから、というのもある。散らかし放しにしないよう、どこに転じさせるか、どこで落着させるか、を繰り返すことになる訳だが、終盤はその集大成。新たな設定は避け、ただひたすら集約方向をめざすことになる。と、終わらせるために書くような気分になり、段々何を書いてるんだか・・・状態に。ゴールに相当するシーンは見えているのだが、こうなると書き上げられるかどうかが疑わしくなる。はたまた終わった後のことを考えると一抹の寂しさも出てきて、遅筆に拍車がかかることに。

 

 セリフ回しの重複はその人物の口癖ということにすれば問題はない。だが、平叙文ではそうは行かないだろう。似たような言い回しや表現は、少なくとも同じ月の中ではあまり出したくないものである。これを避けようとすると行き詰るのは自明。終章はただでさえノロノロだったので、実に時間がかかった。

 

 用字や熟語についても同様。筆者の知る限りで当て字や難字を駆使したりもして、いろいろな言葉を意図的に織り込むようにしていたが、それも前半まで。途中から重複するようになってきたため、無理やり類義語辞典や国語辞典のお世話になることに。付随してルビを振る箇所も増えていった気がする。

 

 辞書を引けば済む話はいい。どうしようもないのは表記のゆらぎ問題である。平仮名にし過ぎるとかえって読みにくくなりそうな場合は、あえて漢字を入れたり、逆に漢字が続くとわかりにくくなる場合は開いたり、統一感があるようなないようなまま終えざるを得なかった。一例を挙げると、

  • ~来る(来た)<=> ~くる(きた)
  • ~行く(行った)<=> ~いく(いった)
  • 筈 <=> はず
  • 故 <=> ゆえ
  • 不可ない <=> いけない

 など、とにかく揺らいでいる。

 

 ちなみに、「言う」と「云う」も、混在しているが、通常の言動時は「言う」、何らかの含みを伴う場合は「云う」にしたつもりでいる。(その場のフィーリング任せなので、読み返すと、とんでもないことになっている可能性はある。)

 

 当「漂着モノログ」ならではの固有の表現も随所に出てくるが、これらについては「用語補足」ページを設けることでひとまず落ち着いた。作者としても使用上のブレを防ぐことができるので、こうした設定メモは重要だと思う。(言うなれば取扱説明書みたいなものである。)

 

 一大発見をもう一つ、それは「縦書きと横書きでは印象が変わる」ということである。基本、縦書きで打っているので、タテの長さ・テンポで読んで違和感がないようになっているのだが、これを一括PDFに変える、つまり横書きに入れ込み直すと、読み方(見え方)が変わり、歯切れが悪くなったり、文章が浮いたりするのだ。改行したり、段落を開けたり、で凌げることも多いが、結果的に赤入れ箇所が増えることになる。読み返すだけなら充実感があっていいのだが、一括PDFの作成は一大労働だったのである。

 

 その補整&確定作業も終えた。今、こうしてあとがきを書いているのが信じられない、と言ったら大げさか。(そのあとがきも何やら長文になりそうな予感)

 

《結果、こうなった》

 

 フルネームで登場する人物は最終的に22名(老若男女)になった。○月の巻ごとにメンバーが入れ替わるので、出番表は必須。これを早々に用意しておいたのは我ながら妙案だったと思う。「誰それは今回お休みで、誰々は何月以来で」というのをしっかりチェックしながら書いていったので、間違いはないものと思われる。(出番表を公開する予定は今のところなし。あしからず。)

 

 22人もいると人物相関図も複雑怪奇なことになるが、この最終形を掲載してしまうと面白味がなくなることに気付いたので見送り。十月の巻までの18人分止まり、ということにしてある。ご了承の程を。

 

 期間設定は予定通り一年余り(2007年3月下旬から2008年4月上旬まで)。ドキュメンタリータッチ&歳時記小説にするというのもプラン通り。想定外だったのは、社会派現代小説のつもりで書いていたら、コメディあり、青春要素あり、ロマンスいや純愛モノ?といった展開になってしまったこと。

 

 想定外のもう一つは、字数である。「第1章 春」~「第2章 夏」が170,043字、「第3章 秋」が209,238字、「第4章 冬」が160,693字、そして「第5章 ふたたび 、春」が105,261字。いずれも「スペースあり」で文字カウントをかけた結果だが、合計は何と約65万字。(会話文の末尾については、 」か 。」か で悩むところだが、確定時には"。"をとっているので、その分、字数は減っている。"。」"のままだと65万字超必至である。)

 ともあれ、長~いのがお好みの方にはたまらない一作の筈。プロセスを追いながら、じっくりお読みいただければ幸甚である。

 

《この辺が特徴》

 

  • 小説の舞台は、荒川下流の某所。荒川の特性を概ねふまえる形で書いてあるのが特徴。某所ゆえ、事実と異なる記述も多少はあるが、現実味を出すため、実際にある場所や施設を多分に参考にしている。
  • 街、鉄道、アーティスト(登場人物を除く)、イベントは実在のもの。
  • 漂着ゴミについても現場(川・干潟)での実態をもとに描写。漂流・漂着は海ばかりではないことを伝えるのが本旨だが、川ゴミのもととなる陸ゴミについては言及していない。
  • 2007~2008年の同月同日の天候や潮位をある程度考慮。印象を強めるため、誇張した表現になっている場合あり。
  • 登場人物および居住地等は架空。周辺地図もあくまで仮想設定。
  • 人物の氏名は、荒川流域等の学校名(当て字)の他、旧地名、現存地名を織り交ぜて設定。(読みは実際と異なる場合あり。)
  • 主役は20~30代の男女。基本的に親が出てくるシーンはなし。これはスヌーピーの世界(PEANUTS)に倣ったもの。(PEANUTSでは、親や先生は出てきても絵として描かれることはない。) 家族で出てくるのは一組のみ。
  • 「環境小説」というのはすでに数多あったが、「NPO小説」はありそうでなかったので、タイトルに組み入れた。(環境教育然り、環境と題することでテーマを狭めてしまうのもどうかと思い・・・)

 

《言いたかったこと・・・》

 

 登場人物にあれこれ語ってもらっているし、まとめは最終話「漂着モノがたり」の中に押し込んであるので、改めてどうこうという程ではない。一つ、申し訳のようになるが、かくも長く、やたら説明調になっていることについて書かせてもらうなら、

  • こうした市民由来のNPOの活動は地味だが着実なもので、即ち「地道」そのものであること
  • そうなると、自ずとプロセスをしっかり綴ることになり、文体も説明調になっていくこと

 小説の隠れテーマは正に「プロセス」であり、ゆっくりであっても着々と取り組んでいくことで、強固な何かができあがっていく、そして基礎さえしっかりできれば実を結ぶのは実は早い、そんなことを訴えたかった、というのはある。日頃の積み重ねありき、結果や成果は後からしっかりついてくる、そんなようなことである。

 

 主役の二人が大喧嘩したり、離れてしまったり、ということもなく、総じてアップダウンも控えめ。面白味はないかも知れないが、市民活動というのはこういうもの(筆者理想も含め)であり、実際にこんな感じで働いている人達もいる以上、こういう小説もアリなのである。

 

 プロセスには「過程」の他に「作用」の意味もある。そしてプロセスの複数形processesには、登場人物らが相互に触発され、充実感が拡がっていくイメージが重なった。全体の佳境とも言える「第3章 秋」の題はこのprocessesで文句なし。自分なりに小説の段取り、正にプロセスを確認できた上でも大きかった。

 

 文中随所で出てくるが、「スロー&緩やか」もテーマの一。そして、いい意味での「抑制」が、プロセスを逆に推し進めていく、というのもポイントだろうか。これは書いていて気付いたことで、言うなれば結果が後から、の一例とも言える。

 

 NGO/NPOに造詣の深い方からは一蹴されそうな論点も多々あるだろうが、先述した通り、多様なのもまたNPOの本分。失敗してまた次へ、というのが現実だが、この際、理想追求型でもよかろうということで、全体的には甘め(緩め)に書くことにした。C'est la vie.(あるがまま)の精神からすれば、これで十分とも思う。(NPOにまつわる議論を盛り込んだ話は、「先生を囲む夕べ」「名月あっての名案」「新しい私」「蒼氓」「Warmin' up」「新たなカウントダウン」といったあたり。)

 

 3Rやゴミに関する話題が中心だが、環境教育論やボランティア論もたまに出てくる。両者に共通するのは、
「趣味や特技の延長として、あるいは生涯学習や自己啓発の要素として、というのは決して否定はしないが、より利他的に取り組まれるべきものではないか」

 という問いかけとそれに対する答えを並べるような書き方になっていることだろう。

 

 他を利する、というのを基調としつつも、文中での数々の議論は至って自発的・自律的。

  • フィールドやアプローチは違っても、「何かせねば、何とかせねば」というのが根底にある
  • 微力でも経済や社会の綻びを直すなり、フォローするなりしたい、という意識を持っている

 そんな人物たちだからこそ、と置き換えることもできそうだ。とにかくコメディタッチではあっても、道楽的な見方にはならないよう、考えながら書いてきたつもりである。いかがだろうか?

 

《おまけ》

 

  • 女性主人公 千住櫻さんと妹 蒼葉さんの名前は足立区にある小・中学校
  • 女性研究員 小松南実さんは葛飾区の小学校
  • 女性行員 奥宮舞恵さんは荒川区の小学校

 校名を拝借し、漢字を書き換えて名前にしてみました。地図で探してみてください。

 

(2009.1.15)「東京モノローグ」第273話より抜粋


あらすじ

 河原の桜を見に行った千歳は、いつしか川辺にたどり着く。水際には干潟、そして多量のゴミ... その場で捨てられたものとは思えない。そう、それらは漂流・漂着ゴミだった。そこで偶然拾った一枚のキャッシュカードから、物語は動き始める。

 

 四月一日、キャッシュカードの主、櫻が登場。千歳と櫻の二人は初対面ながら意気投合し、クリーンアップを開始。千歳はその時の記録をブログを新設して掲載する。その名は「漂着モノログ」。

 

 五月六日、クリーンアップは二人から四人に。櫻はお約束の「いいもの」を持ってやって来る。調べ上げられたゴミの数々... それらは静かに、そして雄弁に何かを語りかけてくる。

 

 六月三日、2回目の調査型クリーンアップ。五月の回の三人のもとに、女性研究員が現われ、より充実した実地見聞が展開される。六月は環境月間。折々のイベントは出会いの場となっていく。

 

 七月一日、クリーンアップ参加者の年令層は広がり、干潟は「場」としての力を増していく。集う人々が互いに触発されていく流れは、夏休みの自由研究へとつながり、そこからまた新たな出会いやドラマが生まれていく。千歳と櫻の想いが形になっていくのもこの月から。

 

 八月五日、リーダー不在ながら、新メンバーの加勢もあり、何とかクリーンアップは終了。だが、櫻の不参加は波紋を呼び、それぞれの想いが動き出すことになる。川、干潟、ゴミへの想い、そして互いを想う気持ち。夏は長く、暑い...

 

 九月二日、干潟に集う人はさらに増え、経験知も増していく。巡視船ツアーや下見をはじめ、メーリングリストでの議論も活発になり、来る一般参加型クリーンアップに向け、準備は進む。さまざまなプロセス(過程、作用)が動く、そんな秋の始まり。

 

 十月七日、待望の一般参加型クリーンアップイベントが開催される。現場力が試されながらも、無事終了し、メンバーの結束は強まっていく。千歳と櫻の二人も新展開へ。確かなプロセスを経て、深まるは充実の秋、恋愛の秋...

 

 そして、十一月、十二月、一月... ゴミが流れれば、季節も流れる。だが、時は漫然と過ぎて行く訳ではない。春に向け、さまざまな要素が実を結んでいくのである。

 

 彼らにとってゴミとは何だったのか...漂い続けたその答えは「ふたたびの春」において漂着を見る。


登場人物

*登場順

 

隅田 千歳 (すみだ・ちとせ)

電機メーカーに勤めていたが、理由あって離職。webデザインの仕事を軸に独立。専ら市民系ニュース会社からの業務を請け負う。インタビュー記事など連載ネタも抱えるも、その内容はあくまで実直。ジャーナリスト志向はあるが、冒険はしない。(最近は足で稼ぐ部分はアシスタント任せ) 自分でドメインを持ち、メールの設定なども手馴れてはいるが、自作のwebサイトは仕事の記録程度。ブロガーデビューは「漂着モノログ」が最初。スローライフが信条なだけに鈍いところもあるが、PCに向かうとスピーディーになる。プロセス主義者(段取り屋)でもある。

 

ワンポイント:女性経験はなくはないようだが、交際は苦手。櫻との接し方も手探り状態。だが、少しずつ確実に変化が...

 

千住 櫻 (せんじゅ・さくら)

公務員だが、公設の環境情報センターに出向中。地域ネタが得意分野。直情型で一途なのがとりえだが、三十前後にして慎重に(?)。機転が利くのも長所だが、日常会話でもそれが頻発するため、相手は時についていけなくなることも。場を盛り立てるのが上手。理由あって、眼鏡を着用。

 

ワンポイント:浮き沈みはあるが、基本的にはお茶目。千歳に対しても、徐々に茶目っ気モードに。そして...

 

矢ノ倉 文花 (やのくら・ふみか)

研究機関の主任研究員だったが、思うところあって転職を決意。公募で環境情報センターに。センター運営団体のNPO法人化に向け、チーフとして切り盛りする。理系だが、事務・実務には強い。トークは不得手だったが、櫻と会話しているうちに上達していく。頼りになる情報源人物。地場野菜を育てるのが趣味。虫は平気だが、魚はダメ。

 

ワンポイント:さりげなくお節介、という評も。

 

千住 蒼葉 (せんじゅ・あおば)

櫻の妹。姉の浮き沈みなどに翻弄されるも、常に姉想い。フランス留学後、社会科学系の大学に。通販カタログのモデルの他、画業も。才色兼備。姉妹二人暮らし。

 

ワンポイント:基本的にはクールだが、時に日本人離れした大胆な行動に出ることも。

 

本多 業平 (ほんだ・ごうへい)

千歳とは同期入社の間柄。独立時期も同じ。会社を離れてからは音信不通だったが、「漂着モノログ」がきっかけで千歳との再会を果たす。お調子者だが、憎めない人物。ベンチャーの共同代表を務める。IT系よりも実機が専門分野。

 

ワンポイント:好奇心旺盛ゆえ、女性にも目がない?

 

桑川 弥生 (くわかわ・やよい)

専門学校でプログラミングを習得後、大学に中途編入。社会的にプログラミングを実践できる場を探しつつ、学業に励む。蒼葉より年下だが、大学では同学年。才気煥発なのはいいが、勢い余って毒舌になるのがチャームポイント(?)。どこへ行ってもツッコミ担当。

 

ワンポイント:姓・名をそのままイニシャルにすると、K.Y.になる。アンテナは高いが、空気の読みは...?

 

掃部 清澄 (かもん・きよすみ)

本名は、掃部 清。清澄はペンネーム。荒川下流をフィールドとする市民学者。著述家でもある。河川行政の監視役を買って出て、日々巡回する。五つの「カン」と在来の自然再生がテーマ。トーク(掃部節)には定評がある。

 

ワンポイント:「ひ」がうまく発音できないことから、周囲を惑わすも、お構いなし。

 

小松 南実 (こまつ・みなみ)

研究機関勤務。文花の後輩。専門は海洋環境関係。微細ゴミの発生源を探るべく、干潟に現われる。現場第一主義につき、駆け回るのに電動アシスト自転車が欠かせない。アスリートタイプ。強肩の持ち主。花言葉は「燃える想い」。

 

ワンポイント:一見淑やかだが、激情的な面も。孤高、かつ、どことなく翳があるのも魅力のうち?

 

須崎 辰巳 (すざき・たつみ)

地域振興関係部署の課長。櫻の元上司に当たる。櫻を気遣い、センターへの出向を勧めたのもこの人。清澄を師と仰ぐ。

 

ワンポイント:長身で紳士然としているが未婚。縁談もなくはなかったようだが...

 

宝木 八広 (たからぎ・やつひろ)

市民系ニュース会社で千歳と知り合う。アシスタント的に動いているが、実はちょっとした文筆家。フットワークの良さが持ち味。環境情報センターにも出没する。職業を聞かれれば、あえてフリーターと答える。しかして、その理由とは? 舞恵とは恋仲だが、小突かれること多し。

 

ワンポイント:あわてんぼうな一面も。風貌は中国人風だとか。

 

石島 小梅 (いしじま・こうめ)

自宅は環境情報センター側、週末に通う塾は橋を渡った先。塾の行き帰り、干潟に集う人々を橋から見かけたのがクリーンアップ参加のきっかけとなる。小学校高学年の頃から学校嫌いになり、中学に入ってからは姉の顔色をうかがう日々。だが、勇気を出して干潟に足を運んだことが転機となり、本来の快活さを取り戻していく。生き物への慈しみは強く、それらを観察し、イラスト化するのが得意。達筆でもある。ようやく背が伸び始めた中学二年生。

 

ワンポイント:お姉さんお兄さん達からは期待のニューフェースとして厚遇を受ける。

 

石島 初音 (いしじま・はつね)

小梅の実姉。高校三年生、つまり受験生。主に週末にプチ商店街のカフェめし店でバイト勤務。自覚はないもののお天気屋。そのせいか、天候の読みはピカ一。雨天時は機嫌が悪く、店の客にも時にとばっちりが行く。

 

ワンポイント:本当は妹思いなのだが、感情表現がうまく行かず、伝わらない。だが、年上の女性達と交流する中で、術を得ていく。

 

桑川 六月 (くわかわ・むつき)

小学六年生。弥生は年の離れた姉。実姉はさておき、大人の女性への憧憬は尽きず、蒼葉お姉さんが大のお気に入り。記憶力が良く、特に駅・路線関係は強い。種別があるものを調べるのがお得意。

 

ワンポイント:物怖じしない物言いは、姉譲り。大人がハッとするようなことを軽々と言ってのけるのも変わり者ゆえか?

 

石島 湊 (いしじま・みなと)

平日は河川事務所で課長職。週末は少年野球チームを率いる監督さん。野球第一、家族は二の次。試合のある日は、干潟近傍のグランドに現われるが、干潟には関心があるようなないような...

 

ワンポイント:掃部先生には頭が上がらない。長女にも手を焼いている。

 

奥宮 舞恵 (おくみや・まえ)

某銀行行員。八広の一応彼女。彼氏といる時はデレデレ、普段は無愛想でツンツン。週末はチャラチャラと装飾するのがお好き。叩いて音を出す系アーティストでもある。自称雨女。愛称はルフロン。

 

ワンポイント:とらえどころがないのが特徴。

 

石島 京 (いしじま・みやこ)

湊の妻。初音、小梅の母。一見セレブチックだが、アスリートっぽい一面も。かつては複合商業施設の衣料品部門で働いていた。

 

ワンポイント:夫への心配りもさることながら、何よりも心配なのは娘たち。

 

榎戸 冬木 (えど・ふゆき)

中堅広告代理店勤務。他社のCSRをサポートする部署から、社会的起業に携わる部署へ異動。現場を知る必要上、干潟に顔を出すようになったが、それはアフィリエイト関係で業平と接点ができたことがきっかけ。主な仕事は流域におけるソーシャルビジネスモデルの模索と情報誌の発行。仕事柄か、Edyと自称するため、気障に見受けられることも。

 

ワンポイント:業界人らしく、プロモーションは得意。だが、時に曲者と見られてしまう。これも業界人の為せる業?

 

堀之内 永代 (ほりのうち・ひさよ)

六月の現担任。小梅の元担任。文花の学友でもある。辰巳とも旧知のようだが、その間柄は謎。送迎バスに乗って、商業施設でお買い物、が趣味。装い同様、性格もサッパリしているが、喜怒哀楽は激しい。

 

ワンポイント:魚は平気だが、爬虫類がダメ。

 

*「十一月の巻」以降、実名登場分

 

金森 旭 (かなもり・あきら)

かつて清とは仕事仲間。リストラに遭い、一時は野宿生活に甘んじるも、廃材・廃品を元手にモノも自身も再生させることに成功。家内製静脈産業の一工場主となった。業平のよき指導者でもある。

 

玉野井 緑 (たまのい・みどり)

ミステリー専門ゆえ、どこか謎が多い女性作家。社会派小説も手がけることから、清と相通ずる部分もあるが、何かと絡みがち。探りを入れるのが得意で、探偵さながらの小道具の持ち主でもある。センターの世話人歴は長く、櫻と辰巳とは旧知。辰巳の縁談が関心事の一つ。

 

入船 寿 (いりふね・ひさし)

舞恵と同じ支店に勤めていたが、4月に定年退職。「入口の入船、奥には奥宮」の組合せの日に千歳が来店していたことから、ご縁が深まる。江戸っ子だが、"ひ"の発音はバッチリ。

 

本多 太平 (ほんだ・たいへい)

業平の双子の兄だが、弟とは対照的に引っ込み思案で暗め。ヲタク要素もチラホラだが、女性を見る目は確か。ITスキルは折り紙つき。


仮想干潟案内図



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