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雲の国の絵かき

 

 ある日、お姫さまは絵かきに言いました。

「くもの国に行ったことがある?」


 

「どんなところかわかれば、

 行くのがこわくないのだけれど」







 絵かきは雲の国など、

 もちろん見たことがありませんでした。

 けれどもお姫さまのために、

 いっしょうけんめいに雲の国の絵を描きました。



 

 絵ができあがると

 絵かきはそれをお姫さまに見せました。





 

 お姫さまはそれを見てほほえむと、

 ゆっくりと息をひきとりました。






 

 しばらくして戦争も終わりました。

 絵かきはまた旅に出て、

 もうその国にもどることはありませんでした。






 絵かきはそれからずっと

 絵を描きながら旅を続けています。


 

 お姫さまのいる雲の国へ、

 彼の見た景色を届けるために。




〈おしまい〉

 

 

 

 

 


エピローグ:ある日の絵かき



 ある街の路上で、

 絵を描く絵かきに話しかける人がいました。

「岩だらけで灰色の、何もない景色の絵ですね。

 けれどなぜだか、あたたかい」

 


 

 絵かきは答えました。

「ぼくが見てきたなかで、

 いちばん美しい景色です」

 


 そしてすこし笑ってこうつけ加えました。

「そう思わせてくれる人が、いた国だから」


 それはとても気持ちの良いお天気の、

 ある日の午後のことでした。




<エピローグ~ある日の絵かき~>

 

 

 


奥付


 

雲の国の絵かき


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著者 : 樹樹
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この本の内容は以上です。


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