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第6話

のろけ話


 僕は毎年お盆に、東京から帰省してきた友人と会う。

 その時決まって彼が話すのは、今付き合っているという彼女の話。

 

「昔の菅野美穂に似てる、すごくいい娘なんだ」

「毎日メールしてる。話題が尽きないんだよ」

「この間水族館に行ったら、彼女ペンギンの水槽の前から離れなくて」

 

「プレゼントをすると、すごく喜んでくれるんだ」

「手を繋いで街を歩くと、皆俺達を見るんだよね」

「夜なんか、本当に可愛いんだぜ」


 この話を聞かされる度、僕はうんざりするというよりも、寒気がする。

 

 なぜならその彼女というのは、彼が大学生の頃に自殺した筈だからだ。

(第6話 完)


第七話

財布の中の紙切れ

 


 その日の朝、会社から突然の解雇通知を受け、どうしようもない気分で駅前を徘徊していた。

 

 誰もいない公園のベンチで塞いでいると、向こうから知恵遅れらしき男がやってきた。40代にしか見えない癖に、所々が茶色く汚れた子供向けの帽子や服を着て、訳の分からない言葉を呟きながらヘラヘラ笑っている。



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