閉じる


<<最初から読む

30 / 72ページ

更に川島さんの遺体から服を脱がし、性的暴行に及んでいた所、付近をパトロールしていた警官に見つかり、取り押さえられた。

容疑者は現在心神喪失状態にあり、白浜署では容疑者の回復を待った上で、精神科医との連携の上で事情聴取を行う方針。

また、五日前から行方が分からなくなっている同校の生徒、桜木由佳さん(15)にも何らかの関わりがあると思われており、二つの事件の関連性についても捜査を進めていくとのこと。

(第1話 完)


第2話

猫のしっぽ


 先生の都合で部活が休みになり、私は良い気分で自転車を走らせていた。

 途中、いつも通る道が工事で塞がっていたので、別の道を通ることにした。この道は途中で大きな公園にぶつかる。中央に大きな池があり、野良猫がたくさんいるのだ。あの公園にいくのは、何ヶ月ぶりだろうか、猫も見てみたいな。

 そんなことを考え、私は自転車のまま公園の入り口へと入った。

 いつも猫がたむろしていたベンチの辺りには、3、4匹ほどの猫が集まっていた。縞猫に斑猫、黒猫に白猫。

 

「・・・・・・あれ?」


 だが、全ての猫にしっぽがない。尻からちょっと先の辺りで、切り落とされたような風になっていて、血が止まらず赤く腫れ上がった切断面がすごく痛々しい。

 

 誰がこんなことを!と心中憤っていると、後ろから声を掛けられた。

 

 振り返ると、薄茶色の服を着た丸っこいおばさんがいた。

「お嬢ちゃん、何してるの?」

 

「いえ、猫が好きなんで、ちょっと見てたんです」

「そうなの。私も猫が好きでねえ、いつも餌をやってるの」


 片手に下げたビニール袋越しに、干したササミのようなものが見える。

 おばさんがベンチに腰掛けると、草むらから尻尾を立てた大人の三毛猫が現れ、ちょこんとその膝の上に飛び乗った。

 

「なついてるんですね」

「そうかしら?」

「しっぽが立ってますもん、猫がしっぽを立ててる時はなついてるってことでしょ? 確か」

「ご名答、猫ちゃん流の愛情表現ね」

 おばさんは小さく拍手した後、三毛猫の頭を撫でた。

「・・・でも、猫ちゃんを苛めようとする悪い人は、こうしてなついてきた猫ちゃんのしっぽを思いっきり掴んで捕まえちゃうのよ。そうすると、猫ちゃんは逃げられなくなっちゃうの。この子も最近ここに来たんだけど、悪いことされないか心配で心配で・・・」



読者登録

エンジンさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について