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もくじ

1.もくじ

2.第55回ノーベル物理学賞 ラム・クッシュ「水素スペクトルの微細構造」の解明

3.第55回ノーベル化学賞 ヴィンセント・ヴィニョー「硫黄を含む生体物質の構造決定」

4.第55回ノーベル生理学・医学賞 ヒューゴ・テレオル「酸化酵素の研究」

5.地球の水の起源はいつから?太陽よりも古く、地球誕生時にはすでに存在

6.中国の漁船205隻小笠原諸島でサンゴ密猟・強奪!宝石サンゴとは何か?

7.海岸に住みたい!イワシが取り放題!北海道で港を埋め尽くす


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地球の水の起源はいつから?太陽よりも古く、地球誕生時にはすでに存在

 水の惑星の「水」はいつから存在するか?

 私たちの地球にはおよそ14億Km3の水があると言われている。 しかしそのうちの約97%が海水であり、淡水は約3%しかない。そしてこの淡水の約70%は南・北極地域の氷として存在しており、地下水を含め、川の水や湖・沼など、私たちが生活に利用できる淡水は地球上の水のわずか0.8%でしかない。

 さらにこの大部分は地下水であるため、河川や湖沼などの人が利用しやすい状態で存在する水に限ると、その量は約0.01%(0.001億キロ立方メートル)でしかないのだ。

 「水の惑星」とも呼ばれる地球だが、このように実際に使うことができる水の量は以外と少ない。比較的多湿で、水の豊かな日本に住んでいる私たちは、それほど意識することはないが、世界各地では水資源に関する様々な問題が起こっている。

 ところで、この水はいつごろから地球に存在するのだろうか?

 

 

 最近発表された古代隕石の分析研究によると、「水」は地球の誕生当時から存在していたという。水が到来した正確な時期を突き止めるため、研究チームは太陽系の歴史の中で異なる時期に形成された複数の隕石の分析に取りかかった。原始的な隕石には大量の水を含み、以前から地球の水の起源として有力な証拠になった。

 さらに別の研究では、太陽系の水の3割から5割は、太陽が生まれる前の恒星間空間で作られたようだ。太陽系は直径がおよそ数光年もある巨大な分子雲が重力により収縮してできたとされる。

 太陽系が誕生したのは約46億年前。このころ宇宙空間に漂うガスの中にはすでに水が存在していたらしい。その一部が、地球の水の起源になったのだ。

 

 太陽よりも古かった、地球の水の起源

 米大学での研究から、太陽系の水の大部分は、その起源が太陽の誕生より前とみられることがわかった。他の惑星系における水の存在を占ううえで重要な成果だ。

 地球の生命にとって不可欠の存在である水は、地球だけでなく月や火星、そして水星の永久影、彗星など、太陽系の至るところに見つかっている。太陽系の水は、生まれたての太陽を取り囲んでいた塵とガスの円盤(原始太陽系円盤)の中に存在していた氷が起源とされる。この円盤の中で、私たちの地球などの惑星も形成された。

 だが、この水分子は太陽が誕生する前の分子雲に存在していたものが取り込まれたのか、それとも原始太陽系円盤内での化学反応で生成されたものかはわかっていなかった。もし恒星間空間で作られた水がそのまま取り込まれるのなら、多くの原始惑星系円盤には大量の水が存在することになるし、円盤中で作られるのなら、円盤ごとに水の量が異なってくる。そしてそれは、その惑星系での生命の可能性に関わってくるのだ。

 米・ミシガン大学のIlse Cleevesさんらは、円盤中のみで水が作られるとしてシミュレーションを行い、太陽系の水に見られる特徴(水素に対する重水素の比率)を満たさないことを明らかにした。恒星間空間の低温環境で生成される重水素が豊富な水を取り込んでいなければ、観測と一致しないのだ。太陽系の水の3割から5割は、太陽が生まれる前の恒星間空間で作られたようだという。

 この結果はさらに、ほぼすべての生まれたての惑星系に有機物豊富な水の氷が大量に含まれている可能性が高いことを示しており、たいへん興味深い成果となった。(2014年9月30日 カーネギー科学研究所)

 

 地球の水の起源、誕生当時から存在?

 アポロ宇宙飛行士から「ブルーマーブル」と称えられた、青く美しい地球。10月30日に発表された古代隕石の最新研究によると、その壮麗な姿の源である「水」は地球の誕生当時から存在していたという。

 地球の海は、いつどこから来たのだろうか? アメリカ、マサチューセッツ州ウッズホールにあるウッズホール海洋研究所(WHOI)のアダム・サラフィアン(Adam Sarafian)氏率いる研究チームは、従来の説よりもかなり早い時期に地球に到来していた可能性を発見した。

 それは約46億年前、内太陽系のすべての天体がまだ形成中の時代だ。地球の水の起源を何億年も巻き戻すことになる。

 従来の仮説は次のような内容だ。形成当時の地球は乾燥しており、その後、高エネルギーの衝突によって表面は溶けた状態になった。水がもたらされたのは、水分を多量に含む彗星や小惑星の衝突が頻繁に起こったかなり後の時代…。

 共同研究者でWHOIの地質学者ホルスト・マーシャル(Horst Marschall)氏は、「地球の形成時に存在した水分子は、蒸発または宇宙に吹き飛ばされたという仮説がある。現在、海として表面を覆う水は、何億年も後にやって来たと考えられていた」と語る。

 

 古代の隕石に着目

 しかし確証は得られていない。水が到来した正確な時期を突き止めるため、研究チームは太陽系の歴史の中で異なる時期に形成された複数の隕石の分析に取りかかった。 最古の隕石は炭素質コンドライトで、どの惑星よりも古く、太陽系創世当時の物質に関する手掛かりが含まれている。

  チームは、大型の小惑星ベスタに由来するとされる隕石にも注目。ベスタは太陽系の誕生から約1400万年後に地球と同じ地域で形成されたという。

  共同研究者でWHOIのスネ・ニールセン(Sune Nielsen)氏は、「共に原始的な隕石で、太陽系と同じ組成を多く留めている。中に大量の水を含み、以前から地球の水の起源として有力候補だった」と話す。

 測定データによると、ベスタ由来の隕石の化学組成は、炭素質コンドライトや地球上で見つかる岩石と同じだった。つまり、炭素質コンドライトが水の共通の起源である可能性が高い。

 「地球上の水は、これらの岩石と同時に降着した可能性が高い。つまり、形成当時から表面に水を湛えた惑星だったことになる」。

 

 水の起源は?

 研究チームは、現在の地球の70%を覆う水の一部が後から到来したという可能性を否定しているわけではない。従来の説よりも早い時期から、既に生命の誕生に十分な水が存在していたという点を強調している。

 「初期の内太陽系に水が存在していたとすると、地球型惑星(水星、金星、火星)にも可能性がある。現在は厳しい環境だが、初期には水分が多く、生命が進化していたのかもしれない」とニールセン氏は説明する。

 2番目に大きな小惑星ベスタは、火星と木星の間の小惑星帯で太陽を巡っており、古びた表面には多数のクレーターが存在する。

 明るさは7.8等級で、双眼鏡で眼を凝らすとぼんやりとした星に似た形が見える。日没後の南西の空低く、明るいオレンジ色の恒星アンタレスの約6度上に姿を表すが、非常に暗いので光が氾濫した都会の空なら、双眼鏡や小型望遠鏡での観測をおすすめしたい。 運が良ければ星空を移動する様子を観察できるだろう。

 今回の研究結果は、10月31日発行の「Science」誌に載されている。(National Geographic news)

 

参考 National Geographic news: 地球の水の起源誕生当時から存在? アストロアーツ: 太陽よりも古かった、地球の水の起源 

 

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