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学生時代(小学生編)30

と言ったのでズッこけていたみんなは各自起き上がり、帰る用意をしていき用意を終えた者から帰っていった。

 俺も帰ろうとすると亜美さんが

「須賀君は帰る前に痛めた右手を保険医の美樹先生にきちんと診(み)てもらってから帰るように。それと家に帰ったらノドカちゃんをまともに見ずにロミオ役を演じられる方法を必ず考えてきなさい!私は岩鉄先生に報告してからノドカちゃんと一緒に帰るから。じゃあね」

とキツク言ってノドカさんと一緒に帰っていく。

 ノドカさんは俺を見て笑顔で手を振りながら亜美さんと一緒に帰っていく。

「はい!分かりましたよ!!」

 俺はスンナリ返事をしてから保健室に向かっていく。

 保健室に着いて中に入ると、そこには岩鉄先生の姿はなく美樹先生だけがいた。

「あれ?岩鉄先生がここに来ていたはずなのですが?岩鉄先生はどこに行ったのですか?

美樹先生に岩鉄先生の居所(いどころ)について訊くと美樹先生は

「岩鉄先生なら頭痛薬を飲んでからすぐ職員室に行ったわよ。岩鉄先生から大体の話は聞いてるわよ。キャンプ合宿の時でも思ってはいたけどアンタ本当に大バカよね。ま、いいわ。それより右手をケガしているのでしょう?右手を出してみなさい」

と呆(あき)れて言いながらも負傷した右手を診てくれようとしていたので右手を美樹先生に差し出した。

 美樹先生はケガをしている右手に消毒液を塗り包帯で右手をテーピングしてくれた。

 右手の治療が終わり保健室を出て行こうとすると美樹先生が

「あまり期待はしてないけど、せいぜい岩鉄先生に恥をかかさないように」

とイヤミを言ってきやがるので何も言わずに保健室を出た。

 保健室を出て家に帰ろうとした時ワルオに出会ってしまった。

「よう!さっきの話だが本当はノドカちゃんをまともに見ないで済む方法を知りたいだろ?」

ワルオはしつこく言ってくる。

 でもノドカさんをまともに見ないで済む方法はまだ何も思いついていないので結局ワルオの軍門に下(くだ)った。

「うん。知りたい。でも条件があるんだろ?」

「その通り!条件はお前が持っているゲームソフトを3個ほど俺にくれることだ。イヤなら俺は別に構わないけどな。お前が亜美ちゃんに殺されるだけだし」

ワルオはイヤミたらしく意地汚い要求をしてくる。

「わ、分かったよ・・・・」

小言でOK(オッケー)するとワルオは

「あー?聞こえんなー?」

と悪人の顔(つら)をしながらイヤミたらしく言ってきやがる。

 まるで鬼の哭(な)く町カサンドラの町内会長(?)でおられるウイグル獄長(北斗の拳より)さんか南斗聖拳(なんとせいけん)というアヤシイ拳法の使い手シン(同じく北斗の拳より)さんみたいです。

 

 

 

 


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学生時代(小学生編)31

仕方なく

分かったよ~!あげるよ~!あげますよ~!」

と大声でOK(オッケー)するワルオはニヤリと笑う。

 こうしてワルオを連れて家に帰っていく。

 家に戻ると母さんがリビング部屋を掃除していたのだが

「ただいまー」

と言ってワルオと一緒にリビング部屋に入っていった。

「おかえりー。あら、その子アンタのお友達?それにどうしたの?その右手は」

母さんはワルオとケガをしている右手について訊いてくる。

「あっ、僕、阿区(あく) ワルオと申します。学校ではいつも健志郎君にはお世話になっております。実は今日演劇の練習中、健志郎君が転んで右手をケガしてしまったので心配になり彼を家まで送りました」

 ワルオは丁寧に母さんに自己紹介をしただけではなく、俺の右手のケガについても上手(うま)くゴマかしてくれた。

「あら。名前に似合わずえらく礼儀正しく優しい子ね。まあ狭いところですけどゆっくりくつろいでいってね」

母さんがワルオに家にあがってもらうように言うとワルオは

「はい。おじゃまします」

と礼儀正しく言って一緒に俺の部屋に行った。

 部屋に入るとワルオは

「おっ?部屋は意外と綺麗(きれい)にしているんだな。さてマンガはどうかな?」

と本棚から好き勝手にマンガを何冊か取って読みやがる。

「なんかイマイチ面白くねーな。お前マンガの趣味悪いな。ま、いいや。それよりほら、早くゲームソフトを俺にくれよ!」

 ワルオがゲームソフトを催促してくるので

分かった、分かった。ほらよ!持ってけ、ドロボー!」

と3個のゲームソフトをワルオに手渡した。

「まいど。どれもあんまり面白そうなゲームじゃなさそうだが、ま、いいわ。それじゃ、俺もう帰るわ」

ワルオは部屋を出て母さんに

「それではおじゃましました」

と挨拶をして帰っていった。

 ワルオが帰っていくと母さんが

「アンタにもいいお友達がいたのね」

と言ってくるので

「別にアイツはそんなんじゃないよ」

と返した。

『でも本当にワルオのヤツ俺にノドカさんをまともに見ないで済む方法を教えてくれるのだろうか?』

俺は不安になりながら悩みまくる。

 そうしていくうちに時間は過ぎていき、また一日が経つ・・・・。

 

 

 

 


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学生時代(小学生編)32

 次の日。授業時間も相変わらず早く過ぎていくように感じ、気が付けばあっという間に放課後になっていた。

 放課後になると岩鉄先生は逃げるように職員室に行った。

 そんな薄情(はくじょう)な岩鉄先生は今はどうでもよく、早くノドカさんをまともに見ないで演技ができる方法を知りたかったので ワルオに

「ワルオ!早く教えてくれよ!!」

とせがんだ。

 ワルオは

「ちょっと待て!今用意しているだろ」

と言いながらカバンの中から何かを探している。、

「おっ、あった!」

カバンの中からメガネケースを取り出したワルオ。

「おいワルオ!そのメガネケースがいったい何だと言うんだ?」

ワルオにメガネケースについて訊くとワルオはメガネケースからメガネを取り出し

「いいから黙ってこのメガネをかけてみろ!」

と言ってメガネを渡してくれた。

「分かったよ。しょうがねーな」

とりあえずワルオの言うとおりメガネをかけてみることにした。

 メガネをかけてみると不思議なことにメガネのサイズはほぼピッタシだった。

 でも視界がボンヤリとしていて、人の姿や物の形があまりハッキリと見えない。

「どうだ?このメガネをかけていればノドカちゃんをまともに見ずにロミオの演技をすることができるだろうが?」

ワルオは得意気(とくいいげ)に言っている。

「ホントだ!サンキュー!」

俺はワルオに礼を言い演技の練習を始めていく。

 メガネをかけて練習を始めていくとノドカさんが相手でも自然に愛の告白をする演技が出来るしノドカさんに抱きつく演技もすることができた。

 しかしセリフがなかなか完全に覚えられない・・・。

 その時ノドカさんが

「台本のセリフは何度も声を出しながら読んでいけば自然に覚えられるよ!」

とアドバイスをしてくれた。

「ありがとうノドカさん!やってみるよ!」

ノドカさんに礼を言って台本を何度も声を出しながら読んでいこうとしたのだが、ワルオが渡してくれたメガネをかけている状態では台本の文字が見えづらいので、そのメガネを外してから台本を何度も声を出しながら読んでいき、演技の練習をしていった。  

 演技中セリフを忘れてしまうと亜美さんに

「アンタこんなセリフも覚えられないの?こんなセリフはサルでも覚えられるわよ!」

とキツくつっ込まれる。

 その時

『それなら俺の代わりに日光サル軍団のサルかバブルス(ドラゴンボールより)君あたりでも呼んで俺の代わりにロミオ役をソイツラにやらせてみろよ!』

と亜美さんに言ってやりたくなっていたらノドカさんが

 


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学生時代(小学生編)33

「ドンマイ!頑張ろう!」

と俺を励ましてくれた。

 キツくイヤミを言って俺の心をブチのめしてくれる女神(亜美さん)がいれば優しく励ましてくれて俺の心を救ってくれる女神(ノドカさん)もいる。

 このように厳しい演劇の練習の日々は続いていたが、それでも家にいる時も毎日演技の練習をしたり、台本のセリフを声を出しながら何十回も繰り返し読んでいった。

 そして、いよいよ演劇の公演当日を迎える。

 演劇の公演当日になると体育館は観客でいっぱいの状態になっていた。

「うーわー!1もう体育館の中は人がいっぱい入っとるじゃん!!!」

あまりの観客の多さに驚いているワルオ。

 そんなワルオをよそに演劇の公演プログラム表を見てみると俺たちのクラスの演劇の公演は一番最後に行うことになっていた。

 緊張している中、演劇の公演が始まってしまい各クラスの演劇の公演は順調に終わっていく・・・。

 そして、いよいよ俺たちのクラスの演劇の公演になった。

 公演になると亜美さんがリーダーシップをとり

「ここまできたら精一杯頑張りましょう!ファイト!!」

とかけ声を出すとみんなは

「オーッ」

と叫んで気合が入っているのだが、俺は緊張しまくり続けている・・・。

 緊張しまくり続けていたらノドカさんが

「健志郎君。頑張ろうね!!」

とニッコリ笑って俺を励ましてくれているのだが、ワルオは緊張しているせいなのか

健志郎。演劇はバクハツだー!!」

と訳が分からんことをヌカしている。

 そうこうしているうちに舞台の幕が開き、俺たちのクラスの演劇「ロミオとジュリエット」の公演が始まった。

 俺はワルオに渡されたメガネをかけてロミオを演じていく。

 最初はなんとかロミオを演じることができていたのだが途中でアクシデントが起こった。

 何故(なぜ)ならメガネを途中でどこかに落としてしまっていたからだ。

 当然、慌(あわ)てながらそのメガネを探していたのだが、こういう時に限って出番が来てしまう!

 もう逃げることは無理なのでメガネなしで舞台に上がるしかありません。

 舞台はジュリエットの家の二階のバルコニー。

 そこでノドカさんが

「ああロミオ・・・。アナタはどうしてロミオなの?」

と美しい声でジュリエットを演じている。

 俺は緊張し震えながら

「あ、あ、あの・・・て、て、て、天使のような・・・こ、こ、声は・・・」

と言いながらジュリエット役であるノドカさんがいるバルコニーに向かっていった。

 

 

 

 

 


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学生時代(小学生編)34

『正直、天使じゃなくて女神様ですよ・・・』

と内心(ないしん)思いながらノドカさんを見るとノドカさんが

「ロミオ!何故(なぜ)ここにいらしたの?屋敷の石垣(いしがき)は高くて簡単には登れないのに・・・」

と完全にジュリエットになり切っている。

 ジュリエットになり切っているノドカさんをモロに見てしまった俺はパニック状態になり、せっかく覚えたセリフを忘れてしまった。

 だがこの時、鼻がムズムズし始めたのですぐノドカさんから顔をそらし

「ファ、ブア、ブゥアクショイイイイイイー!!!」

と体育館内に響き渡る勢いで大クシャミをした。

 するとすぐ観客全員は

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」

体育館内にどよめき渡る勢いで大声で笑いまくっていった!

 大声で笑いまくっている観客の中、岩鉄先生はポカーンとして心ここにあらずのような状態になっており、校長、教頭、美樹先生や他の先生たちは呆れ果てたような表情で見ているし、亜美さんやワルオ、そしてクラスのみんなは

「あ~あ・・・・・」

とがく然としていたがノドカさんは

「健志郎君、大丈夫?」

と俺を心配してくれていた。

「う、うん。うわっ!」

「きゃあ!」

突然バルコニーの床が揺れ崩れ落ちた。

 このままではノドカさんが大ケガをしてしまうと判断した俺はノドカさんをかばいながら落ちていきノドカさんの下敷きになって落ちた。

 この瞬間

「ぐええええええええええええーっ!!!」

と断末魔(だんまつま)に近い声を出し意識を失った〔この物語では断末魔という意味は人生最後のおたけびと言う意味で捉(とら)えておいてくださいね〕

健志郎君、大丈夫!?しっかりして!!」

ノドカさんが俺の体を揺さぶりながら心配し、亜美さんやワルオ、クラスのみんなもその場に駆(か)けつけ、観客たちもザワつき始めたので校長が

「おい!もう幕を降ろしてくれ!!」

と大声で言ったので幕が降りていった。

 その後、美樹先生が病院に電話をかけてくれ、まもなく救急車が到着し、救急車の中にいた看護員が俺をタンカに乗せ救急車の中に搬送し、俺を搬送し終えた救急車はピーポーパーポーとサイレンの音を出しながら、以前大変お世話になった病院へ連れて行ってくれた。

 こうして俺たちのクラスの演劇はあっけない幕切れで終了。

 一方、意識を失った俺は暗い闇の中

「くそー!こうなったら何度でも甦(よみがえ)ってやるわー!俺には誰にでも認められる人気者になるという野望が達成するまでは死んでたまるかー!!くじけてたまるかー!!負けてたまるかー!!絶対あきらめねーぞ!勝つまでは!!ウオオオオオオオーッ!!頑張れ、俺!奇跡を起こせーっ!!」

となんとしても生き抜いてやるという執念で生命力を高めていく:・・・。

 

 

 

 



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