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学生時代(小学生編)28

 そしてワルオも起き上がり俺の首を絞め続けている亜美さんを見て

「おいおい、もうその辺で勘弁してやってくれよ。このままコイツを絞め殺したら俺たちは演劇をすることができなくなってしまうぞ。一応コイツがロミオ役なんだから。それにノドカちゃんのようなカワイイ女の子を見ながら告白する演技をやるのは正直俺たち一般の男子にもキツイからな!緊張して声が出なくなるし。だからコイツにノドカちゃんのようなカワイイ女の子を見つめながら愛の告白をする演技をやらせるということは、強(し)いて言えばサルに漢字を覚えさせるみたいなものなんだ!分かってくれよ!」

と説得をした。

「分かったわよ。しょうがないわね」

亜美さんはノリオの説得に負け技を解いてくれた。

「ゲホッ、ゲホッ。あー死ぬかと思った・・・」

またなんとか死なずに済んだのでホッとしている俺。

 亜美さんの首絞め技から解放された俺はまだ笑い続けているノドカさんを見て

「実はノドカさんにウケてもらうように仕組んだ体を張ったギャグだったのです!」

と冗談(じょうだん)で言った瞬間、亜美さんが大声で

「そんなわけあるかー!死ね!」

と言いながら右ストレートパンチで思いっきり俺の顔面を殴った。

「ぐっはあああああーっ!」

亜美さんの右ストレートパンチでモロに顔面を殴られた俺はすごく痛がり、殴られたところを手で押さえ泣きそうになりながら

「な、殴ったね・・・・。母さんにも殴られたことがないのに・・・」

と言うと亜美さんは冷たい顔で

「フン!私を怒らせる冗談を言ったアンタが悪いのよ!恥(はじ)を知りなさい」

と鼻であしらった〔鼻であしらうという意味は相手を軽蔑(けいべつ)し冷たく言うという意味です〕。

 ワルオは呆(あき)れながら

「アホか、お前は!」

と言った。

 一方、冷たく俺を見下している亜美さんを見たノドカさんは笑うのを止(や)め

「亜美ちゃん、健志郎君をこれ以上イジメないで・・・。お願い・・」

と亜美さんにお願いをした。

「わ、分かったわよ。でも別に須賀君をイジメてるわけじゃないんだけど・・・。ま、ノドカちゃんに免じて許してあげるわ・・・」

ノドカさんのお願いを聞き入れた亜美さんは俺を許してくれた。

 するとノドカさんは

「でも健志郎君。さっきはなんで私を笑わせるために仕組んだ体を張ったギャグだと言っていたの?」

と質問してくる。

「そうね。なんでそんなくだらない冗談を言ってたのかしら?」

 

 


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学生時代(小学生編)29

亜美さんも聴(き)いてくる。

 仕方なく正直に

「実は亜美さんの言うとおりウソを言ってたんだよ・・・。本当のことを言うと、俺には青井みたいな演技をすることはまったくできないんだよ・・・。それにノドカさんがあまりにもマブシすぎるからつい緊張してパニック状態になってしまった。だから壁をドンと叩く演技をする時は思いっきりグーで壁を殴りつけてしまったり、愛の告白をする演技をする時なんかは緊張し過ぎてニワトリの鳴き声をやってしまっていた。このままでは俺はまた周りからバカにされると思っていたら、ふと笑っているノドカさんが目に入り、つい魔が差してノドカさんを笑わせるために仕組んだ体を張ったギャグだったというウソをついてしまったんだ・・・・・。これが俺の本音だよ・・・すみません・・・」

と本音を言い謝った。

「そうだったの・・・。でも演技中、壁をグーで殴りつけたり、ニワトリの泣き声をやるのは人として最低よね?」

亜美さんはニッコリ笑顔でキツイことを言ってきます。

 だが俺は

「ええ。まったくその通りでございます!反省しております・・・」

と返しました。

 そしたら亜美さんは

「反省ならサルでもできるわよ。ま、しかし、これ以上過ぎてしまったことにつっ込まないようにするわ!時間のムダになるから。それより話を変えるけど、もしノドカちゃんをまともに見ないで済む状態でなら貴方(あなた)ノドカちゃんが相手でも愛の告白をする演技ができるの?」

と訊(き)いてきたので俺は

「そうだね。その状態でならノドカさんが相手でも愛の告白をする演技がなんとかできるかもしれない」

と答えた。

「それならノドカちゃんをまともに見ないで済む方法はあるの?」

亜美さんはまた訊いてきた。

「正直ないよ・・・」

俺がそう答えると突然ワルオが小言(こごと)で

「いい方法が俺にはあるぜ!」

と言ってきたので

「どんな方法だ?教えてくれよ!」

ワルオに訊くと

「しかしタダでは教えられねーな!」

と意地悪(いじわる)を言ってくる。

「お前、何が望みなんだ?」

俺がワルオの望みを聞こうとしていたら亜美さんが

「もう今日の練習は終わりにしましょう!この状態では練習になんかならないから。解散!」

 

 

 


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学生時代(小学生編)30

と言ったのでズッこけていたみんなは各自起き上がり、帰る用意をしていき用意を終えた者から帰っていった。

 俺も帰ろうとすると亜美さんが

「須賀君は帰る前に痛めた右手を保険医の美樹先生にきちんと診(み)てもらってから帰るように。それと家に帰ったらノドカちゃんをまともに見ずにロミオ役を演じられる方法を必ず考えてきなさい!私は岩鉄先生に報告してからノドカちゃんと一緒に帰るから。じゃあね」

とキツク言ってノドカさんと一緒に帰っていく。

 ノドカさんは俺を見て笑顔で手を振りながら亜美さんと一緒に帰っていく。

「はい!分かりましたよ!!」

 俺はスンナリ返事をしてから保健室に向かっていく。

 保健室に着いて中に入ると、そこには岩鉄先生の姿はなく美樹先生だけがいた。

「あれ?岩鉄先生がここに来ていたはずなのですが?岩鉄先生はどこに行ったのですか?

美樹先生に岩鉄先生の居所(いどころ)について訊くと美樹先生は

「岩鉄先生なら頭痛薬を飲んでからすぐ職員室に行ったわよ。岩鉄先生から大体の話は聞いてるわよ。キャンプ合宿の時でも思ってはいたけどアンタ本当に大バカよね。ま、いいわ。それより右手をケガしているのでしょう?右手を出してみなさい」

と呆(あき)れて言いながらも負傷した右手を診てくれようとしていたので右手を美樹先生に差し出した。

 美樹先生はケガをしている右手に消毒液を塗り包帯で右手をテーピングしてくれた。

 右手の治療が終わり保健室を出て行こうとすると美樹先生が

「あまり期待はしてないけど、せいぜい岩鉄先生に恥をかかさないように」

とイヤミを言ってきやがるので何も言わずに保健室を出た。

 保健室を出て家に帰ろうとした時ワルオに出会ってしまった。

「よう!さっきの話だが本当はノドカちゃんをまともに見ないで済む方法を知りたいだろ?」

ワルオはしつこく言ってくる。

 でもノドカさんをまともに見ないで済む方法はまだ何も思いついていないので結局ワルオの軍門に下(くだ)った。

「うん。知りたい。でも条件があるんだろ?」

「その通り!条件はお前が持っているゲームソフトを3個ほど俺にくれることだ。イヤなら俺は別に構わないけどな。お前が亜美ちゃんに殺されるだけだし」

ワルオはイヤミたらしく意地汚い要求をしてくる。

「わ、分かったよ・・・・」

小言でOK(オッケー)するとワルオは

「あー?聞こえんなー?」

と悪人の顔(つら)をしながらイヤミたらしく言ってきやがる。

 まるで鬼の哭(な)く町カサンドラの町内会長(?)でおられるウイグル獄長(北斗の拳より)さんか南斗聖拳(なんとせいけん)というアヤシイ拳法の使い手シン(同じく北斗の拳より)さんみたいです。

 

 

 

 


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学生時代(小学生編)31

仕方なく

分かったよ~!あげるよ~!あげますよ~!」

と大声でOK(オッケー)するワルオはニヤリと笑う。

 こうしてワルオを連れて家に帰っていく。

 家に戻ると母さんがリビング部屋を掃除していたのだが

「ただいまー」

と言ってワルオと一緒にリビング部屋に入っていった。

「おかえりー。あら、その子アンタのお友達?それにどうしたの?その右手は」

母さんはワルオとケガをしている右手について訊いてくる。

「あっ、僕、阿区(あく) ワルオと申します。学校ではいつも健志郎君にはお世話になっております。実は今日演劇の練習中、健志郎君が転んで右手をケガしてしまったので心配になり彼を家まで送りました」

 ワルオは丁寧に母さんに自己紹介をしただけではなく、俺の右手のケガについても上手(うま)くゴマかしてくれた。

「あら。名前に似合わずえらく礼儀正しく優しい子ね。まあ狭いところですけどゆっくりくつろいでいってね」

母さんがワルオに家にあがってもらうように言うとワルオは

「はい。おじゃまします」

と礼儀正しく言って一緒に俺の部屋に行った。

 部屋に入るとワルオは

「おっ?部屋は意外と綺麗(きれい)にしているんだな。さてマンガはどうかな?」

と本棚から好き勝手にマンガを何冊か取って読みやがる。

「なんかイマイチ面白くねーな。お前マンガの趣味悪いな。ま、いいや。それよりほら、早くゲームソフトを俺にくれよ!」

 ワルオがゲームソフトを催促してくるので

分かった、分かった。ほらよ!持ってけ、ドロボー!」

と3個のゲームソフトをワルオに手渡した。

「まいど。どれもあんまり面白そうなゲームじゃなさそうだが、ま、いいわ。それじゃ、俺もう帰るわ」

ワルオは部屋を出て母さんに

「それではおじゃましました」

と挨拶をして帰っていった。

 ワルオが帰っていくと母さんが

「アンタにもいいお友達がいたのね」

と言ってくるので

「別にアイツはそんなんじゃないよ」

と返した。

『でも本当にワルオのヤツ俺にノドカさんをまともに見ないで済む方法を教えてくれるのだろうか?』

俺は不安になりながら悩みまくる。

 そうしていくうちに時間は過ぎていき、また一日が経つ・・・・。

 

 

 

 


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学生時代(小学生編)32

 次の日。授業時間も相変わらず早く過ぎていくように感じ、気が付けばあっという間に放課後になっていた。

 放課後になると岩鉄先生は逃げるように職員室に行った。

 そんな薄情(はくじょう)な岩鉄先生は今はどうでもよく、早くノドカさんをまともに見ないで演技ができる方法を知りたかったので ワルオに

「ワルオ!早く教えてくれよ!!」

とせがんだ。

 ワルオは

「ちょっと待て!今用意しているだろ」

と言いながらカバンの中から何かを探している。、

「おっ、あった!」

カバンの中からメガネケースを取り出したワルオ。

「おいワルオ!そのメガネケースがいったい何だと言うんだ?」

ワルオにメガネケースについて訊くとワルオはメガネケースからメガネを取り出し

「いいから黙ってこのメガネをかけてみろ!」

と言ってメガネを渡してくれた。

「分かったよ。しょうがねーな」

とりあえずワルオの言うとおりメガネをかけてみることにした。

 メガネをかけてみると不思議なことにメガネのサイズはほぼピッタシだった。

 でも視界がボンヤリとしていて、人の姿や物の形があまりハッキリと見えない。

「どうだ?このメガネをかけていればノドカちゃんをまともに見ずにロミオの演技をすることができるだろうが?」

ワルオは得意気(とくいいげ)に言っている。

「ホントだ!サンキュー!」

俺はワルオに礼を言い演技の練習を始めていく。

 メガネをかけて練習を始めていくとノドカさんが相手でも自然に愛の告白をする演技が出来るしノドカさんに抱きつく演技もすることができた。

 しかしセリフがなかなか完全に覚えられない・・・。

 その時ノドカさんが

「台本のセリフは何度も声を出しながら読んでいけば自然に覚えられるよ!」

とアドバイスをしてくれた。

「ありがとうノドカさん!やってみるよ!」

ノドカさんに礼を言って台本を何度も声を出しながら読んでいこうとしたのだが、ワルオが渡してくれたメガネをかけている状態では台本の文字が見えづらいので、そのメガネを外してから台本を何度も声を出しながら読んでいき、演技の練習をしていった。  

 演技中セリフを忘れてしまうと亜美さんに

「アンタこんなセリフも覚えられないの?こんなセリフはサルでも覚えられるわよ!」

とキツくつっ込まれる。

 その時

『それなら俺の代わりに日光サル軍団のサルかバブルス(ドラゴンボールより)君あたりでも呼んで俺の代わりにロミオ役をソイツラにやらせてみろよ!』

と亜美さんに言ってやりたくなっていたらノドカさんが

 



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