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学生時代(小学生編)15

という気持ちが表れまくっている目で、しかも、ものすごく怖い顔つきで俺を睨(にら)み続けていましたからね。

「よかった。でも、無理しないでね・・・」

ノドカさんはホッとし、笑顔で俺を心配してくれている。

 その時、吾利男さんが、

「ノドカ、悪いけど少し病室から出てもらえないだろうか?彼と二人っきりで話がしたいのだが・・・・」

とノドカさんにお願いしてきました。するとノドカさんは

「うん、いいよ。でも、珍(めずら)しいわね。お兄ちゃんが、しかも年下の男の子と二人っきりで話をしたいだなんて・・。それじゃ、外に出てるね」

と言って病室を出て行きました。

 こうして、俺とゴリラ顔の吾利男さんの二人だけになってしまった。

 この状況は、やはり人生終了の大ピンチ!?

「さてと、それより、君と妹の関係は、どうなんだ?」

吾利男さんが唐突(とうとつ)に質問してきた。やっぱり、こういう質問はしますよね。

「いえ、別に何も・・。彼女は単なるクラスメイトですよ」

このように上手(うま)くスンナリ答える俺。

 「そうか。もう俺と妹を見て薄々(うすうす)気が付いていたかもしれんが、実は俺とノドカは血はつながっていないんだ。何故(なぜ)ならノドカの両親は、ノドカがまだ6歳の時に、幼稚園にいるノドカを迎えに行く途中、交通事故に遭(あ)って亡くなられたからな。その時の事故は大型トラックとの衝突事故だったらしい。その頃ノドカは、両親が迎えに来るのをすごく楽しみにしながら、ずっと待っていたらしい。その後、ノドカの両親が交通事故で亡くなられたのを幼稚園の保母さんから知らされた時、ノドカは大泣きをしていたそうだ。結局、ノドカの父親の同僚(どうりょう)であり親友でもある俺のオヤジが、ノドカの両親の親代わりとして、ノドカを迎えに来て、ノドカを養女(ようじょ)として引き取ったんだ」

ゴリラは、いや、もとい、吾利男さんは、しんみり話してくれた。

「なるほど、そうでしたか・・・・」

俺は吾利男さんのお話しを聞いて納得(なっとく)した。

 どうりで、ゴリラと美少女という凸凹(でこぼこ)な兄と妹の関係になっていた訳(わけ)ですね。まあ、悲しいお話しでしたが、社会的にはよくあることなのかな?

「でも、その後、ノドカさん、いえ、妹さんの様子は、どうだったのですか?」

俺は、その後の彼女の様子を知りたかったので、吾利男さんに質問した。

「ああ、その後のノドカは、両親を亡くしたショックのせいなのか、しばらくの間、無表情になっていたよ。あっ、そうそう、俺の生徒手帳の中に現在の家族の写真が入っているから君に見せてあげよう」

 吾利男さんは生徒手帳の中から一枚の写真を取り出し、俺に見せつけてくれました。

その写真を見た時

「ウッ、ウグッ!」

俺は石のように硬直(こうちょく)した。

 何故、その写真を見て石のように俺が硬直したのか?

 それは、その写真には、ノドカさん以外吾利男さんだけではなく、お父様もお母様もゴリラの顔(ツラ)をして写っており、ノドカさんもそんなゴリラ家族の中でニッコリ笑顔でピースをして写っていたからです。  

 

 


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学生時代(小学生編)16

 硬直が解け、再度その写真を見ながら

『そりゃあ、初対面(しょたいめん)で、こんなゴリラ家族に引き取られるようになったら、誰でもショックを受けて無表情にもなるわ!少なくても、俺がノドカさんの立場だったら、こんなゴリラ家族に引き取られるくらいなら逃げ出して孤児(こじ)になるか、仮に逃げ出せなかったとしても、グレて不良になっていますよ。それより、なんで、ノドカさんは、こんなゴリラ家族の中でニッコリ笑顔でピースができるのだろうか?フッきれたのかな?』

 と思い、口をヒクヒク引きつりながら

「な、なかなか良く撮れている写真ですね・・・。でも、無表情になっていたノドカさんを、どのようにして、今のような明るい笑顔にさせたのですか?」

と吾利男さんに、また質問をした。

「わ、笑うなよ!それはな、ある日、家族と一緒に動物園に行った時、ノドカがオリの中にいるゴリラを、まるでカワイイぬいぐるみでも見ているかのような目でニヤけながら見ていたから、これは、ひょっとすると、ノドカはゴリラが好きなのかもしれないと思い、その場で思い切ってゴリラのモノマネをやってみたんだ。そしたら、ノドカがすっかり笑顔で喜んでくれたよ。何故か父さんも俺に続いてゴリラのモノマネをやり始めたけど、ノドカは更に笑顔になって喜んでくれていたよ。只、俺と父さんのゴリラのモノマネが、他の見物人たちにもあまりにもウケがよすぎたせいか、後で動物園の飼育員の人たちに俺と父さんは呼び出されて『二度と余計なパフォーマンスはするな!!』と厳重(げんじゅう)に注意されたけどな」

吾利男さんは少し顔を赤くしながら話してくれた。

『なるほど。それでノドカさんは、こんなゴリラ家族の中にいても平気なのか・・』

俺は心の中で納得(なっとく)した。

 しかし、ノドカさんが動物園にいる動物の中で、まさかゴリラが好きだったのは正直驚きましたよ!美少女たちの中には結構(けっこう)変わり者が多くいるとは、学校のウワサ話で聞いてはおりましたが、ノドカさんも十分(じゅうぶん)変わり者です!

「それにしても、吾利男お兄様。ゴリラのくせに人間として、いいところがありますね!!」

俺は、つい本音(ほんね)が出ちゃいました。

 その時、吾利男さんの両目の色が殺人鬼(さつじんき)みたいに赤くなり

「誰がゴリラじゃああ、ゴルァ(コラ)!!それと、お前からお兄様と呼ばれる覚えはないわー!!お前と妹とのお付き合いなんか、まだ認めていないからなー!!!」

と大怪獣ゴジラさん以上に大声で吠(ほ)えまくり、俺の首を首絞(くびし)め技で、ものすごい力(パワー)で絞めつけてきてくれました。もう完全に技が決まりまくっております!!

「ぎゃあああああああああー!!!!!」

 俺は涙をボロボロこぼしながら意識もなくなりかけていき、再び死兆星が見えかけてきちゃいました。もう死ぬ寸前(すんぜん)です。

 口は災いの元(もと)とは、まさに、このような場面のことを指(さ)しますね。

 ちなみに、アニメのスラムダンクでも、放課後でのバスケ部のクラブ活動中、主人公の桜木(さくらぎ) 花道(はなみち)君がダンク(ボード板のゴールリングにバスケットボールを思いっきり叩きつける技)を決めようとした時

「そうはさせるかー!!クソガキがー!!!!」

と吠え勢いよく大ジャンプをして、桜木君のダンクを必死になって防ごうとしてたゴリラ赤木キャプテンの頭の上に誤まってバスケットボールを思いっきり叩きつけ、ゴリラ赤木キャプテンを失神させ倒しましたが、ゴリラ赤木キャプテンは、すぐ野生のごとく復活して立ち上がり

 


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学生時代(小学生編)17

「貴様(きさま)-っ!今度という今度は、もう許さんぞーっ!!世の為(ため)、人の為、死んでしまえーっ!!」

と大声で吠えながら、桜木君を首絞め技で、かなり 強烈(きょうれつ)に首を絞めつけておりましたが、その時の被害者(?)である桜木君も死兆星が見えかけていたのかもしれません。

 では話を戻しまして、吾利男さん(ゴリラ)の首絞め技により絞め殺される寸前、突然、病室のドアが開き、ノドカさんが

「須賀君。亜美ちゃんが、またお見舞いにきてくれたよ!」

と言って亜美さんと一緒に病室に入ってきました。

『おお、天の助け!ノドカさん、亜美さん、助けてー!!』

このような思いで俺は池の鯉(こい)のように口をパクパクさせ、モールス信号に近いSOS信号を送りながら、必死にノドカさんと亜美さんに助けを求めました。

 だが、ノドカさんと亜美さんには俺のSOS信号が全然届いておらず、俺が助けを求めていることなど全(まった)く気付いていないノドカさんと亜美さん

「二人とも、もうスッカリ仲良しになったのね」

と見事に息を合わせて言ってくれちゃっています!

『マジかよー?どのように見たら、俺がゴリラ(吾利男さん)によって絞め殺されかけている光景が仲良くしているように見えるんだよー?』

とシクシク泣きながら思っている俺。

 そして、もうダメかと観念(かんねん)した時、ノドカさんが

「それより、お兄ちゃん。そろそろ夏期講習に行かないといけない時間じゃない?時間は大丈夫なの?」

と心配そうに言った。

「ああ、そうだな。そろそろ行かないとな。いいか、これに懲(こ)りたら二度と俺を、お兄様と呼ぶんじゃねーぞ!特に俺に向かってゴリラと言った日には、命がないものと思え!!」

このような殺し文句を残し、吾利男さんは首絞め技を解き、病室を出て行きました。

 吾利男さんに続いてノドカさんも

「あっ、須賀君。さっき、外で少し亜美ちゃんと話していて、今日亜美ちゃんと他の友達と一緒にお買い物に行く約束してたのを忘れていたの。と言うわけで、私たちもこれから友達と一緒にお買い物に行く約束があるから行くね。それじゃ、お大事にね」

と言って差し入れを置いていき、会話することもなく、また危篤(きとく)状態に近い状態の俺を放っておいて、亜美さんと一緒に病室を出て行きました。

『この人たちから見れば、のび太君以下で人間失格でもある俺が、生きようが死のうが、どうでもいいのでしょうね・・・・』

惨(みじ)めな気持ちになり、シクシク泣き続けながらも残っている力をふりしぼってナースコールのボタンを押す俺。

 すると、また看護婦がすぐ来てくれて、急いで処置を施(ほどこ)してくれた。 

 一時死にかけていた俺だが

『俺は、まだ希望を捨て、諦(あきら)めて人生終了になるわけにはアカン!だって俺には、俺に出会ってしまった奴(ヤツ)らに俺を一人の人間として認めさせ、人気者になってやるという野望があるからだー!!!こんな所で死んでたまるかー!!!負けてたまるかー!!!!諦めません!勝つまでは!!ウオオオオーッ!!!燃えろ!俺の生命(いのち)よーっ!!!奇跡を起こせーっ!!!』

と再び(デジャヴ?)生命力を高め、死の淵(ふち)から甦(よみがえ)っていった。おまけに看護婦たちの再処置が、すごく良かったので、また今回も、なんとか死なずに済んだ。

 

 

 

 

 

 

 


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学生時代(小学生編)18

 あれから、俺の家族全員が見舞いに来てくれてはいたが、特にあまり会話することはなく差し入れだけを置いていき、俺のクラスメートで悪友でもある阿区(あく) ワルオ(仮名)たちも見舞いに来てくれたが、見舞いに来たことをイイコトに、盗賊みたいに、ノドカさんたちや俺の家族から貰(もら)った差し入れを全部持ち逃げしていきやがった。

 そして時が流れ、俺は無事にめでたく(?)退院する事ができたが、退院した時には夏休みは既に終わっており、運動会も終わっていた。

 退院してから久しぶりに学校に通学すると、岩鉄先生から、約1ヵ月後に6年生全員、各クラスで演劇をすることになっていることを知らされる。

 ちなみに俺がいるクラスは、多数決(たすうけつ)の投票で[ロミオとジュリエット]の演劇をやることになった。

 ジュリエット役は、多数決の投票のなか、ノドカさんと亜美さんの一騎打ちの投票争いになったが、ノドカさんが亜美さんとはわずか1票の差でジュリエット役に決定したのだが、クラスの男子たちは多数決の投票でロミオ役を決めるのをすごく嫌がっていた。

 なぜなら、クラスの男子たちは、ノドカさんの相手役をものすごくやりたがっており、しかも自らロミオ役に立候補しているのでなかなかロミオ役が決まらない。

 一方(いっぽう)クラスの女子たちは、クラスの男子たちの中で、ハンサムで頭がよく、背が高くて細身(ほそみ)で、運動神経も良く、まさしく超イケメンの男子である青井 瞬(しゅん)(仮名)君をロミオ役に薦(すす)めている。

 ちなみに俺は、キャンプ合宿でのカレーや病院でのお見舞いの件で、ノドカさんをすごく意識するようになっていたので、ロミオ役に候補するのが嫌だった。

 それ故(ゆえ)

『俺は、のび太君以下で、人間失格だし、更にイケメンの反対に位置するブサメン、あるいはキモメンだから、ノドカさんの相手役には9999兆9999億9999万9999光年早いぜ!俺には木の役などで、ブサイクな顔を人前にさらけだすのがお似合いだよ!』

とヤケクソな気持ちになっていた。

 こうしてロミオ役は決まらないまま、日にちが過ぎていく・・・・。

 数日経ったある日の放課後、岩鉄先生が

「もう演劇の日まで、あまり日にちがないのでロミオ役はクジで決めることにするぞ!」

と言ったら、クラスの生徒たちは

「ええーっ!?」

とザワついた。

その時、クラスの女子の一人である中野 麻衣(まい)(仮名)さんが手をあげて

「私を入れてクラスの女子全員は、青井君をロミオ役に薦(すす)めます!!」

申し出た。

 するとクラスの女子たちも

「意義(いぎ)なーし!!!」

と賛同(さんどう)した。

 だが、俺の悪友ワルオが

 「おいおいおい!!そりゃないだろう?なんでロミオ役が青井じゃないといけないんだ?俺や他の男子たちにだってロミオ役になる権利はあるんだぜー!!なぁ、男子諸君!」

クラスの女子たちに負けずに抗議(こうぎ)するとクラスの男子たちも

「そうだ、そうだ!!」

と賛同して抗議する。

 男子たちと女子たちが抗議し合っている中、岩鉄先生が

 

 

 

 

 

 

 


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学生時代(小学生編)19

「そうだな。ワルオの言うとおりだ。他の男子たちにもロミオ役になる権利はある。それに、本当にあまり日にちがない。そこで、ロミオ役をクジで決めることにしたんだ。それでは今からクジを用意するが、この際誰がロミオ役になっても文句は言わないように。よし男子全員、出席番号順に並んでクジを引いていけ!」

と言ってクジを用意する。

  クジが用意されると、俺を入れた男子全員は出席番号順に並び、岩鉄先生が用意してくれたクジを各自引いていく。

 そして男子全員がクジを引き終えると、岩鉄先生は

「よし!男子全員クジを引き終えたな!クジの内側にはロミオと書いてある!内側にロミオと書いてあるクジを引いた奴がロミオ役だー!」

と大声でおっしゃった。

 クジを引き終えた男子たちは、ドキドキしながらクジを開いて内側を見ていく・・・。

「あーっ!!ちくしょう!!ハズレだーっ!!」

「俺もハズレたー!!」

「くそーっ!!!ハズレだーっ!!」

ハズレのクジを引いた男子たちは、ものすごく大声を出しながら悔(くや)しがっている。

 そんな男子たちの中、俺もドキドキしながら

『ああ、緊張(きんちょう)するな。頼むからハズレといてほしいよ。そのほうが気楽でいいからね。どうかハズレておりますように!お願いします!!』

とハズレてくれているのを必死に願いながらクジを開いて内側を見ると、ロミオと書いてある文字があった・・・・。

『ゲロゲローッ!?』

その文字を見た瞬間、驚きのあまり岩のように硬直(こうちょく)してしまった俺。

 岩のように硬直している俺の姿を見たワルオが

「あーあ、ロミオ役やりたかったなー!せっかく、ノドカちゃんとラブラブができるチャンスだったのによー!それより健志郎、お前のクジはどうだったんだー?見せてみろ」

とブツブツ言いながら俺からクジを取り、そのクジの内側を見た。

 その時ワルオが

「な、なにぃーっ!?お前がロミオ役のクジを引いたのかよー!?」

と大声で驚きながら言ってくれるので、クラスのみんなに聞こえてしまい、クラスのみんなは

「えええええええええーっ?」

と驚き騒ぎ始めた。すると岩鉄先生は 

「静かにしろ!俺は言ったはずだ!クジの内側にロミオと書いてあるクジを引いた奴がロミオ役だと!それに演劇の日まで本当に日にちがないから、もう変更は出来ないぞ!」

と大声で吠(ほ)えまくった。

 クラスのみんなは、クジにより俺がロミオ役になったことに納得(なっとく)ができる訳がなく、ブーブー、岩鉄先生に激しくブーイング。

 岩鉄先生は短気な性格の持ち主なので、当然クラスのみんなのブーイングに耐え切れず

 

 

 



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