閉じる


<<最初から読む

16 / 17ページ

試し読みできます

鮒寿司

鮒寿司

 

 生まれて初めて鮒寿司を口にする。

大変複雑な味わいだった。

 

 今日は仕事の関係で、滋賀県に出かけた。

朝一番は肌寒く、大きいジャンパーを着てい

なければ寒かったのに、昼間はTシャツ一枚

でもうっすらと汗をかくような陽気だった。

 

 メインのイベントは室内であるのだが、そ

ちらはあっという間に見終わってしまう。

毎年あるのだけれど、大抵本命の方をあっさ

りと済ませてしまっている気がする。

 一通り見終わって、外の仕事関係の展示会

や地域の物産展を見て回る。

 その中に、鮒寿司の販売と試食があったの

だ。

 

 鮒寿司。

ずっと昔から、日本有数の臭い食べものとし

て、食べ物の本を読む度に目にしてきたもの

が、今目の前に。そしてそれを試食できると

いうのだから、何とも言えずそわそわしてし

まった。

 まずそのコーナーの傍に行ってみて、不思

議に思ったのが、匂いがあまり漂っていな

かったこと。

うわさ通りのものであるのならば、屋外で開

けているとはいえ、その場所だけ人が避けて

通るくらいの事があってもおかしくないので

はないだろうか。

しかしそんなことはなく、隣のブースにも人

は寄って来ていた。

 

 とりあえず見るだけでもと、ブースの人の

前に立つ。

少し話を聞いてみると、匂いを抑えるよう

にして作ってあるとの事だった。

 これならば私でも食べることが出来るかも、

と気軽な気持ちで試食させていただいた。

 

 他の食べ物で一番近いのは、鯖の酢づくり、

〆鯖かなぁ?口に入れて噛み締めた瞬間の味

は、こんな感じ。

 その後噛んでいると、特有の匂いが出て来

て、苦手な人はここで出してしまうかもしれ

ない。私も少し困った顔になった。

 酸味も強く、酸っぱいものが苦手だと食べ

るのは難しいと思う。

乳酸菌発酵による酸味だと思うので、お腹に

は優しいだろう。

 もらったチラシには、独自の製法で臭みを

少なくしているとのこと。口に入れる前に戸

惑うことがないというのは、今まで聞いてき

た噂からすると、凄く匂いが少ないのだろう。

 

 食べ終わった後に口の中に匂いが残った、

その場にお酒があったら、口の中の匂いをお

酒で流し、また鮒寿司を食べるというくり返

しになる、そんな味わい。

 買おうかどうか迷ったのだけれど、半身単

位でしか売ってなかったので、やめておいた。

多分、私一人で家族から文句を言われながら、

寂しく食べることになりそうだから。

 

 帰りの道の駅でも鮒寿司を見つけたが、イ

ベントブースで売られていたものと比べると、

倍くらいの値段が付いていた。

 いいお店だったんだなぁ…。

買わなかったことを残念に思います。

 

ーーーーー

 


16
最終更新日 : 2014-11-03 14:07:06

試し読みできます

奥付



ぼちぼち生きてます第十二集


http://p.booklog.jp/book/90482


著者 : 出雲一寸
著者プロフィール:http://p.booklog.jp/users/izumoissun2013/profile


感想はこちらのコメントへ
http://p.booklog.jp/book/90482

ブクログ本棚へ入れる
http://booklog.jp/item/3/90482



電子書籍プラットフォーム : ブクログのパブー(http://p.booklog.jp/
運営会社:株式会社ブクログ



17
最終更新日 : 2014-11-03 14:07:06

この本の内容は以上です。

この本は有料です。閲覧するには購入する必要があります。
購入するにはしてください。
有料本の購入に関しては、こちらのマニュアルをご確認ください。
販売価格50円(税込)

読者登録

出雲一寸さんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について