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1 フェスティバルの行方不明の男達

 


「どこから話す?」
ゼイブンはそう言って、整いきった顔を傾けた。

 



肩迄在るグレーがかった淡い栗毛の、独特な髪色。
瞳はブルーグレー。
真剣(マジ)な顔だと、大層な美男に見える。

だがついゼイブンより一つ年上、横のローフィスに視線振る。

 


金に近い明るい色の栗毛。
そして青い瞳。
引き締まると鋭い顔付きに見える。
けれど彼はいつも親しみやすい笑みを浮かべ、爽やかで人好きのする好感持てる青年だ。

ローフィスは視線向けられ、素っ気無く肩竦める。
「…奴(ゼイブン)が、話したがってる」

ゼイブンはローフィスを睨む。
「別に、話したい訳じゃない」
「聞かれたから?
…あの体験、マジで話す気か?お前」

言われてゼイブンは俯く。
だがそう言われ、私はますます興味を引かれて、促す。

ゼイブンが、仕方なさそうに重い口を開く。

「…俺は、その宿屋に着いた時は疲れ切ってたから、着替えもせず寝台に横たわった途端、寝入った。

目が覚めたのは夜で、腹が鳴るから階下の酒場兼食堂に降りて、食べ物にありつこうと考えた。

…カウンターで酒を注文し、食べ物を頼んでる間、噂話が耳に入る。
神聖神殿隊付き連隊という職業柄、人の会話を盗み聞きするのは、癖に成ってた」

そう言って…物語は幕を開けた。


 汚い酒場で小汚い男二人が、横に湾曲したカウンターの向こうで、身を寄せ合い小声で喋ってた。

「…また一人、男が行方知れずだって?」
「ああ…女将さんが尋ねて回ってた。
別嬪に付いてって、その後行方知れずだなんて言えるか?」
「あれだろ?あの女」
「俺は見てない。
すげぇ、いい女だって?」
「すげぇなんてもんじゃ…」

「男が行方知れずになる程、その女別嬪なのか?」
突然背後に立ち口挟むその色男を、喋ってた男二人は凝視する。
ゼイブンはその端正な顔立ちで一瞬、安酒場の髭面の汚い男二人を黙らせたが、二人は直ぐ、小声で囁く。

「この所、しょっ中だ」
「俺が知ってるだけで、もう五人」
小柄な汚い男は、首を横に振る。
「八人目だ」

ゼイブンはその男に切り込む。
「…全員が全員とも、えらい別嬪のいい女に付いてって?」
男は頷く。
「夏祭りが始まって、まだたった二日の内に、八人だ」

ゼイブンはふと、背後に振り向く。
閑散と…していた。

入った時は疲れ切ってて気づかなかった。
が、思い起こすと、給仕ですら通れない程混み合っていた去年とは…丸で様子が違う。

夏祭りはこの村の名物で、皆色とりどり思い思いの格好で、夏のアバンチュールを楽しむ。
ゼイブンが仕事帰りの休暇に、この村に立ち寄ったのもその為。

村の者だけで無く周囲からも大勢押し寄せ、時には領主の子息令嬢らも混じり、皆仮装し、踊り、飲み、食い…そして…。
一時(ひととき)、普段の自分を忘れ、別人と成って思い思いの相手と過ごす。

一週間の祭りの間だけの…期間限定の、付き合い。
だからどんな美女をどれだけでも口説けるし、何人と関係したって、責められる事も無い。

…最も彼の自城在る中央テールズキース領の、妻(セフィリア)に知られなければ。の話だが。
(浮気をしても良い。と妻セフィリアは言ってた。
が、潔癖症の彼の妻は不特定多数の女と関係したと知れば、ゼイブンが帰宅後(のち)寝室から閉め出し、体中をよーーーく消毒した後でなければ、決して寝室には入れてくれない)

「…その噂、広まってんのか?」
ゼイブンが聞くと、汚い小柄な男は、周囲を見回す。
「…行方知れずの男の死体を見たと言う奴が…酷かったって」
ゼイブンはイラだった。
「どう酷かった?」

もう一人、腹の周りがでっぷりした男が呻く。
「俺も見たが、酷かった」
ゼイブンはほぼ完全に、腹が立った。
が、ゼイブンが怒ると逆に冷笑に成る。
「…見たんだろ?どんなだ?」

その引きつった笑みを見たが、男は口を濁す。
「…だから…その…凄く、酷かったんだ」

ゼイブンは怒りに感情が、冷え切るのを感じたが、まだ口調に親しみを残し囁く。
「酷いにも色々あるだろう?
血の気が全く無くて干からびてたとか。
切り刻まれて肉の塊になってたとか」

が、腹回りの太い男は、乗って来ず背を、向ける。
余程口にしたくないらしい。

ゼイブンは吐息吐くと、カウンターで注文した料理を受け取り、宿に成ってる二階への木の階段を上がり、ズラリと並ぶ扉の一つ開け、中に入る。

寝台に腰掛けると料理の包み横に置き、胸のシャツを開けて中から神聖神殿隊が配布してる護符付きの金のペンダントを引き出し、呪文を唱える。

一瞬、ペンダントが赤く光った。
そして、待つ。
間もなく返答のようにペンダントが緑に光り、ゼイブンは呪文を唱え続けた。
場所についてのお知らせだ。

ペンダントは緑に二度続けて光り、ゼイブンは手からペンダントを下ろし、シャツの中にしまう。

このペンダントは、神聖神殿隊付き連隊の身分証のようなもの。
ともかく、連絡は届き頼りになる同僚ローフィスが、直ここに駆けつけてくれる。
死体の様子がもう少し分かれば、男らを行方不明にしてる、別嬪に取り憑いた『影』が、どんな奴か解るんだが。

『影』と言っても実体で無く“障気”。
黒いもやのような物だが、何人も人間を狩り力を持つと、ほぼ実体並みの強大な力を使うから、厄介だ。

奴らは人を乗っ取り、操り…そして人を苦しめる悪行や殺人をさせ、恐怖のエネルギーを、そして殺された魂を…自分の物にして、力を得る。

元は別世界の『光の国の民』だけあって、人外の力を使う。
人間の彼らでは…護符と呪文が頼りで、大して戦えない。

ゼイブンは『影』の“障気”が大物で無い事を祈り、寝台に寝転がって酒場で手に入れた食べ物を摘まみながら、天井を見た。

それでもフェスティバルの楽箏が、窓の外から奏でられて人々の賑わいを感じる。
むずむずしたが、ここは我慢だ。
行方不明者が八人じゃ、小手先で“障気”を払い、その後美女と楽しむ。
…には無理がある。

有能なローフィスが来てくれたら『影』を彼に任せ、きっと安心して思う様遊べる。
が、気づいたら楽の音を聞きながらいつの間にか寝入ってた。


朝だ。
周囲は明るかったから、それは解ってた。
解らないのは…目前にローフィスの睨み顔が寝ている自分を覗き込み、体を起こすとずっと、続け様に愚痴垂れた事だ。

「ペンダントの光を頼りに、俺がここに辿り着くのにどれ程苦労したのか解らないか?!
いい加減、鳩か鷹くらい常に持ってろ!
『デスモンテの夏祭り』
そのたった1文で、こんなに苦労して探さなくても居場所が解ったのに!」

ゼイブンはぼりぼり背中描きながら、寝ぼけ眼で呟く。
「(…よくこの部屋が解ったな)
生き物連れてると世話しなきゃならん」

ローフィスが、きっ!と振り向く。
「なら、閃文字(モールス信号のようなもの)くらい、マトモにちゃんと覚えろ!!!
お前、俺より何年先に神聖神殿隊付き連隊に入隊してる?!
確かに年は俺が上だが、連隊ではお前は俺の、先輩じゃないか!!!」

迫力の青の瞳。
背にかかる程長い、金髪に近い栗毛。
背も同じくらい。
自分同様、大層軽い美男。
がローフィスはどう見ても、垂らしには見えないな。

客観的に、やって来た有能な同僚を見つめ、ゼイブンは肩竦める。
が、ローフィスは歯剥き怒鳴った。
「聞いてるのか!!!
お前が楽でも、呼び出される俺が大変だと、言ってるんだ!!!」

…どうやら一晩中駆けて、この居場所に辿り着いた様子だ。

ゼイブンは寝台横の包みの、冷めた芋料理の欠片を一つ摘まみ
「食うか?」
と芋を口に入れて包みを差し出す。

が、ローフィスの怒りは、いや増した。
「駆けつけた礼が、冷え切った残り物か!!!」

ゼイブンは仕方無く包みを下げると、芋の欠片を摘まみ上げて口に入れた。
が、ローフィスの怒りはどうやら収まってない。
(火に油注いだ事をゼイブンは解ってない)

「…さてはペンダントで呼び出せる相手しか、呼ばないのか!
どうして入隊してまだたった半年の俺なんかじゃなく、他の奴を呼ばない!!!」

ゼイブンは芋頬張って肩竦める。
「…半年…ったって、覚えは早いし仕事も出来る。
次期神聖神殿隊付き連隊長候補にもう、名前上がってるじゃないか。
…他呼び出したりしたらほぼ皆無能だから、俺が尻ぬぐいで余計な手間がかかる。
第一俺は仕事帰りの、休暇中なんだぞ?!」

が、ローフィスの眉が更に、吊り上がった。
「休暇だろうが、『影』見つけたら即職務復帰だ!!!
休暇中だなんて言い訳は、俺は絶対聞かないぞ!!!」



 ローフィスの形相は、連れだって周囲に聞き込みに回り始めてもそのままだった。

村の中央広場に続く横幅の広い道に、人々は着飾って行き来している。
が、去年に比べると確かに、その人の数は減っている。

その辺の浮かれ男を掴まえて尋ねるが、やっぱり…死体の様子は分からない。
行方不明者の数も、30人だとか3・4人だとかバラバラ。

「…どうして死体を見た奴が居ないんだ?」
ローフィスは呟いて、自分を呼び出したゼイブンが通り過ぎる仮装した美女達を、ヨダレ垂らさんばかりに見つめているのに気づき、襟首掴んで引っ張った。

「俺一人に仕事させて自分は遊ぶ気か!
せめて敵の『影』がどんなか、知らせる責務が俺呼び出したお前には、あるんだぞ!!!」

ゼイブンは引きずられ、美女から遠ざかって項垂れる。
「…ともかく、酷かったとしか、そいつは言わなかった」
「…どんな『影』か、全然見当付かないのか?」
「付いてたらとっくにお前に、話してる」

ローフィスは投げやりにゼイブンの襟首放すと、思い切り溜息付いた。

 



「ああ…!
俺の知り合いが、すげぇ美人に付いてって、明け方死体で見つかった。
数人が布被せてやがって…顔だけ見たが、真っ青で明らかに死んでた」

そう話す男を見つけ出したローフィスは、やっぱり有能だ。
とゼイブンは話してる男で無く、横のきりっとした表情(かお)の印象的な青い瞳のローフィスを、しげしげと見ていた。

ローフィスは更に事情を尋ねる。
「…で、どんな死に様だった?」
「布かけられてたし…その男らが『酷いから見せられない』
って隠しちまって…。
死体もそいつらが埋める。
とかで…布に巻いて持って行っちまった」

「どいつらだ?」
男は人波の向こうを顔上げてはっ!と見、指さす。
ローフィスが、振り向く。

フェスティバルには相応しくない、いかつい顔したごろつき風の男が、五・六人。
ローフィスは情報くれた男に背向け、ゼイブンの襟首を掴み、引っ張った。

「おい…!
もういいだろう?!」
ゼイブンは横の美女に色目使われ、引っ張られながらも顔はそちらに向け続け、喚(わめ)く。

「『影』の正体くらい、お前が探索しとけ!
じゃないと俺はここでお前放って、帰るぞ!」

襟首引き寄せられて間近にローフィスに睨まれ、ゼイブンはようやく黙る。
が、やっぱり振り向き、自分に色目送った美女が、まだこっちを見てるかの確認を取った。




2 黒髪の美女




 いかつい男達が人目避けるように人気の無い場所へ進む、後を二人して付ける。
男達は森の中の、汚い打ち捨てられた廃屋へと入って行く。

ゼイブンとローフィスは顔見合わせ、小さな窓から中を伺い途端、ゼイブンは顔背けた。

小汚い窓を挟んだ向こうに立つローフィスは、今だ中を覗き、じっ…と観察していて、ゼイブンはローフィスの神経ってタフだ。
と心から感心した。

小屋の中の男達は死体を、食べていた。
散乱した足やら内臓やらがはみ出した胴体を囲んで座り、手に持って生のまま、むしゃむしゃ食べてる。

ローフィスがやっと、窓の中から視線外し腕組むのをゼイブンはほっとして、見た。
「…あの死体が、付いてった美女ってのが…主(ぬし)か?
それともあいつらが…?」

ローフィスの言葉に、ゼイブンは俯き呻く。
「払えそうか?」
聞くとローフィスは再び窓の中を覗く。
ゼイブンは平然と覗く、ローフィスから顔を背けた。
「(あんなもの平気で見る、ローフィスのが怖いぜ…)」

が、ローフィスが小声で呪文唱え始める。
すると、中の男達がはっ!と顔上げ…。

ばん!と扉が開くと、いかにも。の風体のごろつきらが、口から鮮血滴らせ、更に各々、手に死体の肉持ったまま飛び出して来る。

「…ど…どうしてあんなもの呼び出すんだ!
怖いじゃ無いか!!!」
ゼイブンの引きつった叫びを聞いても、ローフィスは男らの様子を伺い呟く。
「…どっちだ?
手下かそれとも…操り主か…?!」
「操り主ならめちゃくちゃマズいだろう?!
やっつけられる、算段あるのか?!」

ゼイブンの声は、引きつって裏返ってた。
が、ローフィスは冷静そのもの。

「お前、簡単なのならブツけられるだろう?」
「どうして俺だ?!」
「…短い呪文の威力じゃ、お前が隊一だ」
「褒めたって、何にも出ないぞ?!」
「いいから、ブツけろ!!!」

ゼイブンは怖さのあまり、近寄って来る男達に知ってる呪文をブツけた。

かっ!!!

光の閃光が走った、その後に男達は全員倒れていて…一人が起き上がると、手に持ってた死体の腿に気づき
「ぎゃっ!!!」
と叫んで手を振って投げ捨てた。

「…憑かれてたんだな」
ローフィスの、あくまで冷静な声に、ゼイブンは脱力した。
男達は一人、また一人気づくと、自分の手に持ってた死体の一部のブキミさに恐れおののいて、その場から一目散に逃げ始める。

がしっ!とローフィスは一人の手を握り止め、尋ねる。
「どうしてそうなった!」
「すんげぇ美女を、皆でマワそうと思って取り囲んだら、黒い靄が女から出て…!
そっから覚えてねぇ!!!」
「たった一人の女を六人でマワそうとか、思ってたのか!!!」

ローフィスに怒鳴られ、男はひっ!と叫んで、掴むローフィスの腕振り払い、逃げ出す。

ゼイブンはローフィスに寄ると、呻く。
「操り主は死体の肉食わせて、奴らをずっと手下にし続けてたんだろう?
…の割には、簡単に正気に戻ったな」

ローフィスはゼイブンの肩をぽん。と叩いて言った。
「短い呪文の威力はお前は隊一。
更に恐怖にかられ、威力は倍増しだからだろ?」
「…だから一発で、正気に戻ったって?」

ローフィスは無言で頷き、窓の中を目で差し呻いた。
「確かに、酷い死体だ」

ゼイブンは込み上げて来る吐き気に口元抑え、ローフィスの言葉に頷く。
が、ローフィスは怒鳴った。
「とっとと、行くぞ!
このままここに居たら、俺達であのバラけた死体、埋める羽目になる」

ローフィスの言葉にゼイブンは、背を向けるローフィスの方へ、すっ飛んで後に続いた。


 一旦宿に戻り、下の酒場で食事を取る。
ローフィスは冷静に皿の肉にフォークを刺して、口へと運ぶ。
ゼイブンは目前の食事風景を、見て固まった。

「…良く、肉が食えるな」
「人肉じゃないからな」
ローフィスのその言い切りに、ゼイブンは下を向く。

が間もなく給仕の女が、豊満な胸がはみ出そうな程、胸元の開いた衣服で皿をテーブルに置くと、ゼイブンの視線は女の胸に釘付いた。

ローフィスはそれ見てぼやく。
「…食欲は落ちても性欲は消えないようだな」
「性欲消えたら、俺は終わってる」

ゼイブンの返答にローフィスは肉を喉に詰まらせかけたが、必死で飲み込みながら言う。
「どうせ『影』憑き女が出るのは夜だ。
俺は食後、一眠りする」

ゼイブンは頷くと返す。
「じゃあ俺は、あの女口説いて来る」

ローフィスが視線振ると、その開いた胸元に誘われるように、皿をテーブルに置かれた男達はうっとりと、その女給仕を見つめてた。

「…競争率が、高そうだな…」
「俺が勝ち取るさ!」

ローフィスはそう言った、さっき迄青ざめてた同僚の、軽い色男が微笑うのを見た。
「(女で直ぐ、元気に成るんだな…。
正確に言うと、あの胸か?元気の元は)」

が、視線を女給仕に戻すと、店中の男達が彼女とその、胸元をじっ…と見つめてる。

が、同様うっとりと見つめてるゼイブンを残し、ローフィスはさっさと食事を終えて椅子を立つ。
「部屋に戻ってるから、別の場所を使え。
俺を起こすと夜、美女の姿した『影』が出ても、助けてやらないからそう思え!」

直ぐ様ゼイブンが歯を剥く。
「俺が取った部屋だぞ?!」
が、ローフィスは笑った。
「どうせ口説けない方に金貨一枚」

ゼイブンはフテ切って椅子に背を倒す。
「口説けたって部屋が使えない!」
が、ローフィスは背を向けかけて肩竦めた。
「そうなったらどこだろうが場所作るじゃないか。お前」
「まあそりゃ…切羽詰まってたらどこか見つけるさ」

が、ローフィスはもうさっさと立ち去って、宿に成ってる二階の階段に足かけてた。
その背にゼイブンが怒鳴る。
「金貨一枚は頂くからな!」

ローフィスは振り向くと、爽やかに笑った。
「じゃ、お前に金貨一枚取られない方に、もう一枚!」

ゼイブンはむかっ腹立って、テーブルをナプキンで叩いた。



 寝台に寝転がってたローフィスは、気配感じ横を向く。
ゼイブンが背を向け、座ってた。

「…俺から金貨二枚、取れそうか?」
聞いてやるが、返事が無い。

ローフィスは背を起こすが、ゼイブンは背を向けたまま、振り向く様子も無い。
「…つまりフラれたか」
ゼイブンが振り向き、がなるかと思った。
が、肩落とし深い、溜息を付く。

「コトを始めようとしたら旦那が帰って来た」
「…どこで始めようと思ったんだ?」
「女の部屋。
酒場の横にある」
「…結局、口説けはしたのか?」

その時、やっとゼイブンは振り向いた。
「俺がフラれるか?」
「その自信はどの辺から来てる?」
「俺は美男だし喋りも楽しいし気も利いてる」

「…なる程。
で?旦那と鉢合わせて、引き下がったのか?」
「…熊のような毛むくじゃらの大男だった」
「戦ったのか?」

「…お前だったら、戦うか?」
「いや。一目散に逃げるな」
「…俺だってそうした。
あのデカい胸が目前だったのに!
こんな事なら、振られた方がマシだ!
喰える。と思った直後に…逃げ出す羽目になったんだぞ?!」

「旦那殴り倒せてたら、女喰えてたかもな」
ゼイブンはじっ…と、そう言ったローフィスを恨みがましい瞳で見た。

「…お前に出来ないのに、俺に出来るか?」
「だってお前、切羽詰まると化け物みたいに強いじゃ無いか」
「もっとマシな物に例えろよ…。
けど俺が剣抜くと、手加減出来ずに相手殺しちまう…。
旦那目前で殺されて…その直後女房が、俺の相手してくれると思うか?」

ローフィスは、思い切り肩竦めた。
「まず、無理だな」

ゼイブンはそう言ったローフィスを見、また肩落として深い、溜息を付いて呟く。
「俺がお前だったら、麻酔針飛ばして旦那眠らせ、その横で女房と出来たのにな」

ローフィスが、その言葉に吐息吐く。
「俺がお前で無くて、良かったぜ…。
幾ら眠ってようが、旦那の横でその女房と、俺なら出来ない」
「俺は出来る」

ローフィスは即答したゼイブンの顔を呆れて見たが、うんざりして寝台を出、仕度を始めた。
ゼイブンものろのろと、『影』を狩る仕度を始める。


 夜の村は賑わってた。
街道のあちこちに出店が出て、中央を仮装した男女がぞろぞろと、その先の広場へと向かってる。

あちこちの簡易テントでは商人が、順番待ちの男女から金を受け取り、テントの中からはコトの真っ最中のうめき声が聞こえてる。

「…楽しそうだな…」
ゼイブンの、羨ましそうな顔にローフィスは厳しく告げた。
「これからは職務中だって、忘れるなよ!
『影』の美女が来たらお前が声、かけてやれ。
俺はお前と違って美男じゃないし、喋りも楽しくないし気も利いて無いからな!」

ゼイブンはじっ…とローフィスを見た。
「お前、美男だし喋りは楽しいし、気も利いてるじゃないか」
「…お前に褒められると寒気がする」
「嬉しくないのか?」
「だって『影』俺に押しつける気だろう?」

そう言った時、ゼイブンがさっ!と顔背けたから、図星なんだな。
とローフィスは思った。

が、間もなくざわつく声が聞こえる。
見るとその向こうに、黒いレースで飾り立てられた海老茶のドレスを着こなす、素晴らしい美女が視界に入る。

 



暗いランプの灯りの中でも、一際白い肌。
小顔で小さな、真っ赤な唇。艶やかな黒髪。
流し目の似合う緑色の瞳。
素晴らしい美女だった。

更に開いた胸元からは形の良い盛り上がった乳房が、ほぼ見えている。

「…あれが…そうか?」
ローフィスが既に、男達に取り囲まれちやほやされてる美女を目で指し示し、ゼイブンに告げる。
ゼイブンは即答する。
「俺が声、かけて来る」

ゼイブンが目を美女に釘つけて、フラフラと進み始めるのを見、ローフィスがその背に囁く。
「解ってるな?!
人気の無い場所に連れ込むんだぞ?」
「そんなの、女とやる時の常識だ」

ローフィスはゼイブンが取り巻く男達を押し退け、美女の前に進み出る姿見て、思った。
「…………(でも『影』憑きだってコトは、忘れてないか?)」

ローフィスはゼイブンが言葉巧みに美女を口説き落とし、首尾良くその細い肩を抱いて、人混みから連れ出す様に、二人の後付けながら思う。

「(美女から憑いてる『影』払い、その後頂くつもりなんだな?
…だが果たしてそんなに簡単に、払える『影』なのか?)」

どういう基準で、殺すか、それとも手下にして死体を食わせてるのか。それが解らなかったし第一、そんな『影』は聞いた事が無い。

だが男をたぶらかしてその生気を吸い取る、神聖神殿隊付き連隊騎士の憧れの『影』、『妖艶の王女ミラディス』だとしたら…。

間違いなく豊満な肉体の素晴らしい美女で、ローフィスもゼイブンですら、一度会ってみたい。
と熱望する『影』だった。

が、『妖艶の王女ミラディス』は手下に死体を食わせ、操ろう等とはしない。
ローフィスは期待と不安がごっちゃになり、ゼイブンと美女の後を、付いて行った。



3 そしていよいよ、念願の美女




 人気の無い木立に囲まれた茂みの手前で、二人は立ち止まる。
ランプの灯は遠く、二人は暗い森の中、ほぼシルエットに見える。
が、ゼイブンは目前の美女に顔を傾け、寄せて行くのを見、ローフィスはぎょっ!とした。

「(その黒髪の女が『妖艶の王女ミラディス』に、もし憑かれてたら…口づけたりしたら生気を吸い取られ『影』の配下に成り下がるって、解ってんのか?あいつ!)」

が、顔寄せたゼイブンの口元が動いていて、呪文唱えてる様子で、木の陰から伺ってたローフィスは、ほっと胸撫で下ろす。
「(さては、魚の骨取って身を食べるように…『影』を払ってから美女を食う気だな…)」

が、呪文唱え出した途端、美女は突然炎を吹き出す。
ローフィスは咄嗟、茂みの後ろから駆け出し、手に持つペンダント握りしめ、呼び出す相手を思い巡らした。

『逃げろゼイブン!!!』
怒鳴りたかった。
が召喚呪文唱えてて無理だった。

気づくと、あっ…と言う間に美女の足元から炎が広がり行く。

ゼイブンがすっ飛んで逃げ出した時、ローフィスの呪文に応え神聖騎士ドロレスが、空間に突如その発光した目映い姿現し、笑う。

 


「炎の女王サランディラ」
炎に包まれた美女はそう自分の名を呼ぶ、空に浮かぶ神聖騎士の姿を見つけ、うそぶく。
「あら…!
随分厄介な相手を寄越してくれるじゃない?」

ゼイブンは地を這う炎から逃げてたが、美女の姿に目を戻し、ぎょっ!とした。
確かに胸はせり出し盛り上がってた。

がその肌は真っ黒で黒い鱗に覆われ、髪は真っ赤に変わり炎の中うねり、更にその目は蜥蜴のような黄色…。

ローフィスは怒鳴り付けようか。とも思った。
が、地を這う炎の範囲から、ゼイブンはちゃんと距離を取って美女の変わり様を見ている。
「(流石に、生存本能は健在か)」
ほっ…として、召喚された神聖騎士の戦い様を見届けようと、横の木に手を付く。

正直、本来神聖神殿隊のペンダントで、格上の神聖騎士を呼び出すなんて無茶で無謀で、一気に“気”を消耗してフラついた。
が、くらくらする頭を振り、空(くう)に白の隊服はためかす、『光の王』の末裔で素晴らしい能力者の、神聖騎士を見つめる。

炎に包まれた美女…炎の女王サランディラの攻撃対象は一気に、ゼイブンから神聖騎士ドロレスに移る。

 

宙に浮く彼の足元に炎の溶岩が広がり行き、その場だけ別次元の場所のよう。
が、浮いたドロレスは、自分の足元だけその灼熱の溶岩を許すものの、範囲を広げる事を妨ぐ。

サランディラとドロレスの二人の居る辺りだけが、ドロドロと溶ける溶岩と炎が吹き出し、別世界がそこには在って、ローフィスはドロレスが焼かれはしないか。
と凝視する。

『影』の中でも炎の女王サランディラは、大物中の大物。
確かに呼び出しはしんどかったが、本来彼らが呼び出せる神聖神殿隊騎士らの、戦える相手なんかじゃない。

ローフィス仕える神聖神殿隊騎士らは、『光の国』より光臨する『光の王』の、従者の末裔。
が、神聖騎士らは『光の王』の末裔。
生粋の王家の血を継ぐ者で、能力も人格も、神聖騎士らは神聖神殿隊騎士を上回る。

ゼイブンは空(くう)飛び襲う炎がすっかり消え、恐る恐る視線を上げた。
目前上空に白い隊服はためかせ立つ、神聖騎士。
がその敵、炎の女王サランディラの、不気味な微笑は消えない。

ゼイブンは頼りになる神聖騎士を呼び出した有能な同僚に心の中で感謝の言葉を呟き、木陰から神聖騎士を見上げてるローフィスに、視線を投げた。

ローフィスはじりじりと範囲を広げようとする溶岩を、ぐっ!と阻みさせない神聖騎士を、真剣そのものの表情で見守っている。

 

無理も無い。
炎の女王に迂闊に出会ったりすると、もし人間なら一瞬であの灼熱の炎で焼かれ、激痛の内に炭と成り、魂は女王の下僕となって囚われる。

足元に口開ける灼熱の溶岩にも微笑を崩さぬ、頼もしい神聖騎士の姿に、ローフィスもゼイブンもそれぞれの場所から、手に汗握り決死で見つめた。

 

炎の女王サランディラが正体を知られぬよう炎を使わず人を操ったのは…他ならぬこの、神聖騎士に嗅ぎつけられない為。

神聖神殿隊騎士ならあしらえたろうが、神聖騎士は『影』に取って、『光の王』に継いで最も厄介な強敵。

迂闊に出会えば、即座にその素晴らしい光の力で、『影』の本体在る別次元へと送り返される。

 

人の苦痛や苦悩を力とする『影』らは、少しでもアースルーリンドに留まり、力を蓄えないと別次元の『影』の世界で仲間に食われてしまうからだ。


「私達神聖騎士が怖くて人に巣くい隠れ、こそこそ悪さをしていたのか?
…無駄だったな」
ドロレスに言われ、炎の女王サランディラは妖艶に嗤う。
「…神聖騎士と言ってもひよっこね?
まだ大して経験も無い。
そうでしょ?
そんな奴に私が、払えるのかしら?」

ドロレスは白金で覆われた光の中で笑う。
「年齢を経てるのがご自慢のようだ。
だが…老齢で力在る若者の私に、勝てるのか?」

女王は侮辱されたように力任せに範囲を広げようと力み、ドロレスはさせまい。
と拳を握り御してる。

丸で力比べをしてるように…彼らの足元の溶岩の範囲は…広がりかけては範囲を縮める。
を繰り返していた。

ドロレスは灼熱の炎の中に居て、その『光の王』の血を継ぐ端正な顔は厳しく引き締まり、汗を…かいてるように見えた。

あの中に人間が入ったら、一瞬で焼けて溶ける。
そんな中に居ながら…ドロレスは女王が更にその場を広げるのを、防いでる。

ゼイブンはその範囲が、縮んでは広がり来る様を見、自分の立ってる場がかなり…近い事に気づき、もっと下がろう。と、後ろにずり下がろうとした、途端…。

後ろのけっこうデカい石に腿がぶつかって転びかけ、慌てて前へ足をつこうとしてつんのめり、バランスを崩し更に前…つまり…範囲の収縮する灼熱のその場へ、頭から突っ込んで行った。

「!!!」
咄嗟、ドロレスが両手右脇に引き、押し出しその手から一気に力を放出する。
出た物を見て、ローフィスはぎょっ!!!とした。

巨大な…氷山が、女王の頭上から降り落ちる!!!
炎の女王サランディラは瞬間、降り注ぐ氷山を避けその場を引き、別空間に逃げようとした。

が、遅かった。

 

ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

凄まじい悲鳴が空間に響き渡り、巨大な氷の塊に接触した彼女は、じゅうじゅうと白煙上げながら、白い氷が粉砕された飛沫の中、黒いシルエットとして浮かび上がりそして…身を前屈みに俯くと、一瞬でその場から、消え去った。

ゼイブンは女王が引くと同時に炎の消え行く地に、転がり落ちた。

…どうやら焼かれる事は免れた様子で、ドロレスは浮かぶ空からゼイブンを見、ほっ…と吐息吐く。

ローフィスは木に手を付いて前へ進み出、呟く。
「…荒技だな?」

言うと神聖騎士ドロレスは少し、苦く笑った。
「彼が焼かれる前に。
と焦ったのでね。
悪いがこれで、失礼する。
力を一気に使いすぎて…多分、後数分で失神する」

ローフィスは、頷く。
「来てくれて、ありがとう」

が、ドロレスが空間に微笑を残し消えて行き、ローフィスがゼイブンに視線戻すともうとっくに身を起こし、女王の消えた後に横たわる、憑かれた美女に駆け寄り起こしていた。

「(あいつが転んだせいで神聖騎士は一気に力使って気絶寸前だってのに…懲りずにまだ、美女か?!)」

 

ローフィスは呆れ、『影』も消えてもう、ゼイブンを見捨てて帰ろう。
と思った。
自分だって神聖騎士なんて格上の騎士呼び出したせいで、フラフラだった。

が、背を向けた途端、醜いうめき声が聞こえる。

「ぅぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
咄嗟、振り向く。
「(まだ別の『影』も、憑いてたのか?!)」

が…………呻いてたのは、ゼイブン。

良く見ると、仰向けた美女…の筈だった女は、年増ででっぷり太って、あばただらけの凄いご面相に、変わっていた。

「(…炎の女王サランディラの、呪いか?)」
ローフィスが、呆然と歩を止めたまま見つめていると、女は助け起こしたゼイブンに色目使い、言った。

「あら…こんな美人、見た事無いでしょう?」
が、ゼイブンの見開かれた瞳に気づき、自分の胴回りを見、がっかりしたように吐息吐く。

「…美女に変身させてくれる。って言ってた女は、どこに行っちゃったのかしら…。
私、元に戻っちゃった?
でもほら…私をご所望なんでしょ?
色男さん」

ゼイブンは横たわる彼女に腰を掴まれ、引き寄せられ、必死でその腕外そうと抗ってた。

ローフィスは、もうそれ以上見る、勇気が無かったから背を向けた。
またあの醜い呻きが聞こえる。
と思ったが案の定。

「ぅぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

そしてその後、引きつった叫びが聞こえる。
「助けろ!ローフィス!!!
頼む助けてくれ!!!」

ローフィスは足を止め、振り向かぬまま怒鳴った。
「もう『影』は払ったんだ!!!
相手はか弱い女だろう?!」

「か弱くなんか無いぞ!!!怪力だ!!!
頼むローフィス一生恩に着る!!!」

ローフィスは俯き、吐息吐き、そっ…と振り向くと…巨体でその腕の中にゼイブンを抱きしめ、こちらを見て、にっ…と笑い、女は言った。

「あら。美男さん。
二人でしてくれても、いいのよ?」

ローフィスは月明かりの中、姿が半分影にはなっているものの、黒いレースで飾り立てられたドレスの胴回りがはち切れて裂け、ぶよ。と膨れた白い肉の覗く、赤ら顔であばただらけの怪物のような女の顔に怖気が走り…気づいたら脱兎の如く駆け出していた。

背後から巨大ヘビに絡め取られ食われようとしてるような、ゼイブンの怒鳴り声が聞こえた。

「見捨てるのかローフィス!!!
臓腑散乱してる中、死体食い千切ってる奴ら見たって平気だったじゃないか!!!
なのにこの程度の女が怖いのか…?!
冗談だろう?
頼む戻って来てくれ…!!!」

声が遠ざかり、小さくなってるのに気づいた時、ローフィスは恐怖のあまり歩を止める事が、出来なかった。と自分を慰めた。

一生に、そうそう在る筈じゃない恐怖だった。
だから…仕方の無い事だった。

と言ってもゼイブンは絶対納得しやしないだろう。
でも、わざとじゃない。
人は真の恐怖にかられると、制御不能になるんだ。

そう言っても多分言い訳にも成らず、ゼイブンに喚かれ倒されるだろうが。

ローフィスの足は、フェスティバルの賑わい…人の雑踏に紛れた時、ようやく止まった。

振り向く、根性は無かった。
ゼイブンの、冥福を祈るしか無い。
と言っても相手は『影』で無く人間だから、命に関わる問題は起きない筈だ。
最悪の、体験をするだけで。

願わくばゼイブンが、立ち直って女嫌いにならない事を、祈るばかりだ。



そこ迄聞いて、私は目前の、ゼイブンに尋ねた。
「確かに怖い体験だ。
で、結局…?」

ゼイブンは不機嫌に、唸った。
「…二度、唇を汚されは、した。
が隙見て逃げ出したに決まってるだろう?!」

そう言って、横のローフィスをきっ!と睨むが、同時にローフィスはさっ!とゼイブンから顔を背けた。

目を合わせぬローフィスに、ゼイブンは不機嫌極まりなく唸りまくった。
「ローフィスはその時、何て言ったと思う?!
『極限の中じゃ、人間って本来の能力超えた力発揮するんだな』
だとよ!!!
確かに俺も決死で逃げた!!!
だが、ふざけすぎてると思わないか?!
死体食ってる奴ら平気で凝視できる男が!!!
確かに怪物に近かったが歴とした人間の女が怖くて逃げ出すなんて!!!」

ローフィスはゼイブンより顔背けたまま、大きな溜息付いたし、私は必死で彼らの恐怖体験に爆笑するのを堪えた。

目前のゼイブンは迫力で、ここで笑ったりしたら間違いなくゼイブンの怒りの鉄拳が飛んで…もしかしたら血を見るかも。
そう思ったので。



         END

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


補足。
このお話は『ある日の出来事』の半年後の出来事です。
従って、ゼイブンが21、ローフィスが22才。
ローフィス、近衛除隊後、神聖神殿隊付き連隊入隊して半年頃の事件ですね。

ゼイブンが19の時息子ファントレイユが出来て、出来ちゃった結婚してて、幼いファントレイユは幾度も熱出して命の危機もあったものの、この頃は落ち着いて、体の弱い息子べったりの妻といちゃいちゃしたいゼイブンは隙あらば迫るものの、妻は息子が心配じゃ無いの?!と怒りまくり
「遊びたいなら外で遊んでらっしゃい」
と言われた二ヶ月後の出来事です…。

道理で美女にがっつく訳だ。ゼイブン。



また、『幼い頃』
の第五章『冒険の旅』 9『闇の第二』王子
で、ドロレスは再び炎の女王サランディラと対決します。
彼女がここで『氷山をブツけられた』と愚痴たれたのは
この時のせいです。

ゼイブンが転んだおかけで、炎の女王サランディラは
この後白黒斑の変な姿に成って、『影』の世界で笑われたのでした…。

本人は意図せず周囲に災いを撒き散らすゼイブン…。
ギュンターはかなり懲りてるみたいですが…同じ隊でいつも一緒に仕事してる、ローフィスとアイリスって偉い…。
ゼイブンの災いの、避け方知り尽くしてるんでしょうね。多分。


この本の内容は以上です。


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