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若いうちに苦労は買ってでもするべきか否か。

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若いうちに苦労は買ってでもするべきか否か。

 若いうちに苦労は買ってでもするべきか否か。『若い頃の苦労は買ってでもしろ』、いまネットではその言葉を作ったのは売る側の人間だ、だなんて言われてます。

 基本的に無駄なリスクはビジネスにおいて避けるべきです。
 また安く仕入れて高く売る、労力をかけず最上のサービスを高く提供する。が商いの基本であることから、いらない苦労はかけないほうが得策といえるでしょう。回収できない投資はさけるべきで、それがもし十分なリターンがあるのなら苦労をかけるべきなのです。


 では、「若いうちに苦労は買っておく」のは大切なのか。
 上記の考えに沿うのなら、苦労が本当に投資対象となるべきかというところが焦点となります。 
 この格言の本来の意味は、経験を若いうちに詰んで将来に役立てろ。ということです

 しかし、社会人、とくに会社という組織においては理不尽なこともを多く、すべてが将来役に立つ経験というわけでもありません。結果、報われたのなら努力で済みますが、いらない経験なら、無駄な努力、徒労となりますね。では苦労などないほうがいいのでしょうか。それは違います。

 これを個人単位、会社単位で考えて見ましょう。


 組織が大きくなるとどうしても、付加価値の無い作業が出てきます。ムラ、ムダな作業ですね。これは完全に無くす事は非常に難しく、日々業務改善が必要となりますが、どうしても雑用というものが出てきます。また、会社に関するイベント、行事、例えば飲み会の幹事など、会社の成長、生産性に関係の無い仕事というものもあります。

 このような明確な成果が無い仕事というものは、一つの苦労といって差し支えないでしょう。なんたって、これをスムーズにこなしたところで業績には関係ないのですから、むしろ時間が取られる分、本来の仕事の時間を削減しなくてはならなく、やっかいな存在なのです。

 しかし、誰もやらない、やりたくない仕事というのは、自分の顔を売る最大のチャンスであります。誰もやらない仕事であるから、自分の進行、つまり若手でありながらリーダーとして進められる。管理職トレーニングを体験できるのです。

 また、ビジネスの世界では顔や名前が売れることはひとつのステータスとなる。逆に誰からも相手にされない、知られない存在というのがまずい訳です。存在感をアピールを手軽に行えるのは十分なリターンとなります。

 またこの手の仕事というのは、本来の仕事の付き合い、コミュニティの垣根を簡単に越えることが出来ます。新しい縄張りや人脈を獲得できることにも繋がるわけです。

 こうして組織をより広い視点で見ることができる。またうまくいけば、周りの信頼を獲得できる。細々とした業務など、知らない人が多いものです。備品発注方法や、書類管理、お偉いさんのスケジュールなどを把握しておく・・・このような種々の雑用を抑えておくことで、縁の下の力持ちポジションにつくことだって出来るのです。

 これが個人単位での苦労を進んで買っていくメリットだと考えてます。
 では組織単位で考えましょう。民間などでは、役職は、

 会長、社長、専務、常務、執行役、監査役>本部長または事業部長>部長>次長、グループリーダー。課長>係長>主任。

他にも、
 局長>次長、本部長、技監、理事>部長、担当部長、参事>統括課長>課長、担当課長、副参事>課長補佐>係長、主査、担当係長、次席>主任>主事


 となっています。合併吸収、手当て、過去の実績など無ければ、上の役職の人間の方が給料が高いわけです。(※経営陣は給料ではなく報酬ですが)

 給料が高いということは、どのようなことでしょうか。組織においての役割、立ち位置がより重要なポジションであり、会社の利益のために一定権限と一定責任をもっているわけです。行動を起こし、利益を得て、失敗したら責任を負う。人によってこの程度が異なりそれによって給料に差が出てくるわけです。

 つまり、高い給料をもらう人たちが、上記のような生産性の低い雑用なんてやっていると、会社としては損している訳です。若手が仕事を効率よく進めるために、率先して部課長が雑用を引き受けなきゃならない時もあるでしょう。

 しかし、部課長は、彼らしか出来ない仕事を率先してやるべきで、雑用は、時間単位の給料が安い若手がやるべきなんです。
 例えば、若手の雑用1時間に支払われるお金が、1000~1500円なら、中堅社員、中間管理職以上な1500~3000円となってしまいます。

 若手の1時間と、リーダーの1時間は価値が違うということを会社単位でみれば当たり前のことなんですけどね。なかなか気がつかないし、気がついても会社の利益が個人利益に直結しないとなれば見えないフリもするでしょう。 あるいは、若手のご機嫌とりに中堅社員、リーダーが雑用ばかりしている場合もあります。会社的には大いなるムダ、お荷物、給料泥棒と言わざる得ないでしょう。

 やはり、若いうちに苦労は買ってでもするべきなのです。

 私ならそう考えます。