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算命学余話 #U50 (page 1)

 ウクライナ大統領となったポロシェンコ氏の前身が政商であることに触れて、佐藤優氏は、政商という人種は本来政財界の黒幕として活躍するものであり、政治の表舞台に出てきてしまうと却ってその影響力を弱めることになると分析しています。ノンフィクション作家の森功氏も日本国内の政商についてルポルタージュ本を出版されていますが、確かに日本においても政財界の黒幕は、顔はおろかその存在すら一般人には知られておらず、何か大きな事件でも起きなければ話題にすらなりません。だから誰も知らない所で犠牲者が泣きを見るのです。

 そういう意味で、ポロシェンコ大統領の当選は勇み足になる可能性が高い。それまで政治家を思うように操ってきた人間がトップの座に就くと、人目にさらされることで従来の機動力を失い、他者や世論からの批判にも対応しなければならなくなる。陰で暗躍ばかりしてきた人間が、そう簡単に表舞台で活躍できるものではない。神輿は軽い方がよく、見映えよい方がよく、実務能力に長けている必要はないのです。

 

 ウクライナの今後の行方はさておき、政商という人種はかつてロシアにも多く存在し、エリツィンの時代に陰に陽に活躍したのですが(エリツィンはなかなか良い神輿でした)、やはりカネや利権に目ざとい人種が政治に介入すると、政策が金銭に振り回されてしまい、世間にも汚職がはびこるようになります。官僚出身のプーチンがこれを嫌って大ナタを振るい、政商を一掃したことは先に触れました。

 プーチンの家来になった政商は首輪をつけられて大人しく生きてますが、当時石油企業社長だったホドルコフスキーは逮捕され、10年間も収監されてやっと最近恩赦で出てきました。出所後はドイツに直行して亡命したニュースが印象に残っています。時を同じくして、自動車販売業から発して国営テレビ買収まで上り詰めた政商ベレゾフスキーも、プーチンの差し金で逮捕状が出たところを運よく国外逃亡して難を逃れ、再起を図りつつも去年空しく自殺し、生涯を終えました。

 

 このベレゾフスキー、前回の余話でテーマにした鳳閣星を2つ持ち、宿命中殺ではないものの人生の大事の年に必ず天中殺が当たっていたという、算命学者にとっては非常に判りやすい人生を送ってくれました。鳳閣星は、後天運で中殺を受ければ鳳閣星中殺の意味を備えるようになりますから、彼の人生の変転を見ながら鳳閣星中殺の影響を読み解くことができるのです。もちろん鳳閣星以外の3つの星についても同様に中殺現象が現れますが、今回は前回の話の補足例として、ベレゾフスキーの宿命からその人生と自殺に至る原因を探ってみたいと思います。

 

 まずベレゾフスキーの経歴についてですが、ロシア国籍ではありますがユダヤ人の家庭に生まれました。当地のユダヤ人はその歴史事情から、学術や経済界で活躍することが多いです。彼の専門は応用数学で、もともとは数学者としてアカデミー畑を走っていた人なのですが、1989年、43歳の時に自動車販売会社の社長に就任して企業家に転身します。

 その後事業を拡大して、ソ連崩壊の大混乱期の勝ち組となり、大手国有企業を次々と買収、国営テレビを傘下に入れたことで世論を支配し、1996年のエリツィン大統領の再選に貢献したとされています。エリツィン政権下ではその功績の対価として、政権の要職を歴任しました。

 しかし同じやり口で2000年にプーチンを大統領に当選させると、一枚上手だったプーチンは突如政商弾圧に舵を切り、今まで自分を支持してきたベレゾフスキーたちを汚職容疑で失脚させます。政商はもともとカネまみれですから汚職など今更なにをという感じですが、ベレゾフスキーはプーチンの本気を悟って2001年いち早く国外へ脱出、その後英国で亡命生活を送りつつプーチン政権批判を続け、英露関係を悪化させました。

 国外脱出かなわず逮捕収監されたホドルコフスキーが、それでも10年後生き永らえて安全な外国暮らしに漕ぎ着けたのとは対照的に、ベレゾフスキーのその後は生活の自由はあったものの幸福とはいえず、2013年3月23日英国で自殺します。原因は妻との離婚訴訟ほか多くの訴訟で出費がかさみ、資金繰りに行き詰ったためと云われています。

 それではベレゾフスキーの宿命を見て見ましょう。


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最終更新日 : 2014-06-18 10:35:14

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