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LIFE!

LIFE!

予告編映像はこちら

https://www.youtube.com/watch?v=tiuAT12-534

2014年4月10日鑑賞

映画で人生変えたいヤツは他にもいるよ

 

映画の前にメシ食って、上映中ウトウト眠ってたらヘリコプターに乗って、海へダイブして、クジラにげんこつ食らわせて、ビルからスパイダーマンみたいに飛び降りて、宇宙服着た自分の写真の前を走っていたら、子供からちょろまかしたスケボーで飛行機追いかけて、気がついたらクビになってた雑誌社の表紙に自分が乗ってて、めでたし、メデタシって、なんなんだよ!!この映画!!

っていいたくなるでしょ。そうなんです。

観客をおちょくっとるのか? この映画は?と言いたくなる内容でした。まあ、そういう意味では、久々にここまで期待を大きく裏切ってくれる作品も早々ない訳で……。

よくまあ、この程度で劇場公開出来たもんだ、とあきれる事甚だしい訳です。

世の中には映画を作りたくても作れない、才能を持て余している映像作家達がハリウッドを始め、世界の地下深くで、充血した獣のような眼をギラつかせながら、チャンスを待っている。

どんな「くうだらない」内容であろうが、カネと権力があって、それにアホな観客が一杯見に来て、儲けられるんだったら

「映画化してしまえ!!」

と、いともやすやすと映画に出来る。

本作の主人公は、雑誌社に勤めてます。仕事は雑誌に載せる写真の管理。でも雑誌社は大手ファンドに買収されてしまう。当然のように人員整理の大ナタが振るわれる。雑誌は廃刊。ついには主人公も解雇予告を受ける。彼の最後の仕事。雑誌の最終号、その表紙を飾る写真の提出。だけどそれが、どこへいったか見つからない。

遂に彼はその写真を撮ったカメラマンを捜して全世界を旅する、と言うのがストーリー。

でも無理があるでしょ。解雇を予告されているんだから、普通は次の仕事を探すのが先決。もし、どうしても最後の仕事をやり遂げたいなら、その「やる気」「責任感」はどこからくるのか? そして、自分が永年務めた雑誌社への限りない愛情。それらを作品中で「これでもか!!」というほど表現しなければ……。

そういう説得力がまるでないから、それこそ、まったく出来損ないの、子供でもアホ臭くて見てられない、ファンタジー映画の亜流になってしまう。

実際この作品は、主人公に妄想癖があると言う事で、その妄想を映像化しているんだけど、その妄想と、現実の区別が曖昧な部分もあり、さらには、妄想シーンを挟む事によってストーリーの流れがきわめて悪くなってしまっています。

映画を創ると言う心構えの問題だと思います。

アニメの宮崎駿監督は

「この作品で”世界が変わる”と思って創らないとね。まぁ、世界なんて、そうそう変わらないんだけどサ」

それほどの覚悟を持って映画を創っている、本当の映画人にスクリーンで出会いたい。僕はそう思って、いつも映画館に通うのです。

 

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天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)

物語 ☆☆

配役 ☆☆☆

演出 ☆☆

美術 ☆☆☆☆

音楽 ☆☆☆

 

総合評価 ☆☆

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作品データ

 

監督   ベン・スティラー

主演   ベン・スティラー、クリスティン・ウィグ

製作   2013年 

 

上映時間 114分


アデル、ブルーは熱い色

アデル、ブルーは熱い色

予告編映像はこちら

 https://www.youtube.com/watch?v=n2QB3FyBEWA

 

 2014年4月17日鑑賞

限りなく憂鬱に近いブルー

 

カンヌでパルムドールを獲得した作品、と言う触れ込みで、期待値がメチャクチャ高かった本作。

結果。

あっけなく撃沈されてしまいました。

僕の感性には全く響きもしなかったし、感心もしなかった。

本作は、ティーンエイジャーの女の子が、美術学校に通うレズビアンの女性と知り合い、自分の中にある、女性を愛する心に目覚めてゆく、と言うお話。

僕が期待していたのは、女性が女性を好きになるという、ちょっと危険な気配、瞬間、動機など。言葉で表現するには、どうにも”もどかしい感情”を女優の身体を使って表現してくれるんじゃないか? と想像していたから。

しかしねぇ~、そういうビミョ~な表現って言うのは無いのね、この作品。案外ドライなんです。

女性同士、出会って割とすぐ「そういう関係」になっちゃうしねぇ~。

かなり濃厚なベッドシーンも表現がクドいしねぇ~。

これじゃ、出来損ないのアダルトビデオじゃないの~、と思ってしまう。ちなみに、今時のアダルトビデオはもっとサービス精神がいいし……。

女同士ならではの「快感のツボ」を刺激されて、もう病み付きになっってしまう、と言う方向性で映画を創る、と言う切り口もあったんじゃないかと思いますね。もう、これは個人的な趣味の問題になってしまうけどね。

ただ、思うのは、映画作りをしているプロの関係者にしか”良さ”が分からない、そういう作品を選んでしまった審査員にも、多いに問題はあると思います。

パルムドールを受賞した、かつての”立派な”監督さんは、ちゃんと素人にも分かる作品を多く作ってますよ。

黒澤明監督しかり。今村昌平監督しかり。アンゲロブロス監督しかり。

本作では編集のタッチに大昔のヌーヴェルヴァーグ「勝手にしやがれ」のような「ぶつ切り編集」がなされていて、僕のように中途半端な映画ファンには、

「ああ、アレね」

って言う感じが残る。

最も残念なのが、本作が上映時間179分と言う、ほとんど、超大作を思わせるような上映時間であること。本作にはこの長時間、観客を飽きさせず、楽しませる創意工夫、スクリーンに釘付けにする魅力と言うものは何も見当たらないのです。

いやぁ~、とにかく、こんなに疲れて映画館を後にする映画も珍しかったです。気分は限りなくブルーです。

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天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)

物語 ☆☆

配役 ☆☆☆☆

演出 ☆☆

美術 ☆☆☆

音楽 ☆☆☆

総合評価 ☆☆

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作品データ

監督   アブデラティフ・ケシシュ

主演   アデル・エグザルコプロス、レア・セドゥ

製作   2013年 フランス

上映時間 179分

 


そこのみにて光輝く

そこのみにて光輝く

予告編映像はこちら

 https://www.youtube.com/watch?v=r4b-qU4_Pl0

 

2014年4月24日鑑賞

負のトライアングルに救いはあるのか

 

今、最も注目の若手俳優、綾野剛。それに、これも見逃せない女優、池脇千鶴が”からむ”わけです。

R-15+指定なので、もちろん濡れ場ありです。しかしながら、そんな場面よりも、もっと魅力的なシーンが本作では数々ありますね。

本作を見て思うのは、「弱さ」「貧しさ」「悪」この負のトライアングルは、まさに手をつないで仲良くやってくると言うこと。

そしてこのトライアングルに捕まったものは、どうやってそこから抜け出すのか?

それが本作のテーマのように思えます。

綾野剛演じる主人公、達夫。彼は、山で石を切り出す仕事をしていました。ダイナマイトを仕掛けて山を崩し、商品として石を出荷する訳ですね。その彼がある事故をきっかけに、精神的なダメージを受け、仕事を辞めてしまいます。

糸の切れたタコのように、ぶらぶらしている達夫。毎日、酒とパチンコの日々。そのパチンコ屋で知り合いになった男、拓児。達夫は拓児と遊び仲間になってゆきます。

拓児はスネに傷持つ身です。過去に犯罪を犯し、今は仮出所している。彼にはちょっと美形のお姉ちゃんがいます。それが池脇千鶴演じる千夏。

彼女は後に達夫と肉体関係を持つに至ります。

千夏は昼間、海産物の工場で働いている。

でも彼女には陰の顔があります。

お金のために身体を売っているのです。でもそれは苦しい家庭を支えるため。なぜなら、病気で寝たきりの父親がいるから……。

この作品、近年評価の高い作品の要素を、数々取り込んで作り上げている感じがあります。

例えばカンヌでパルムドールをとった老老介護のお話、ミヒャエル・ハネケ監督の「愛、アムール」や、劣悪な家庭環境で育った若者の、どうしようもない苛立ちを表現した、芥川賞作品の映画化「苦役列車」それに昨年の「さよなら渓谷」等など。これらの作品のテイストを有形無形の影響として引き継いでいる感じがするのです。

呉美保監督作品は初めて鑑賞しました。私などがおこがましいのですが、あえて言えば「なかなかの腕前」と唸らせるものがありますね。

繰り返し、繰り返し、さざ波が押し寄せる北の海、黒ずんだ砂浜。そこに差し込む朝の日差し。それはひとすじの希望のひかりなのでしょうか?

ラストシーンのあまりの切なさに、おもわず涙がこぼれました。

余韻の素晴らしい作品ですよ。

呉監督、次回作も楽しみにしています。

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天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)

物語 ☆☆☆☆

配役 ☆☆☆☆

演出 ☆☆☆☆

美術 ☆☆☆

音楽 ☆☆☆☆

総合評価 ☆☆☆☆

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作品データ

監督   呉美保

主演   綾野剛、池脇千鶴

製作   2013年

上映時間 120分

 

 


テルマエ・ロマエⅡ

テルマエ・ロマエⅡ

予告編映像はこちら

 

https://www.youtube.com/watch?v=RiLyaHkr3cM

2014年5月1日鑑賞

さあ、劇場で「ひとっ風呂」

 

大ヒットした映画の続編を作ると言うのは、普通、あまりいい結果にならない事が多いけど、本作は違いましたね。

やっぱり、映画界に「お風呂エンターテイメント」の新境地を切り開いた功績は素晴らしいものがあります。

本作は、第一作目よりも更にスケール感がアップ!

グラディエーター達が闘う、競技場などの作り込み。古代ローマの都市空間。これはねぇ、やっぱり、劇場に足を運んで、大きなスクリーンで観るからいいんですよ。

半年後ぐらいに出るであろう、DVDで済まそうとか、もっとセコく「来年のテレビ放送まで待つ」なんて事、言わないで、是非とも劇場でご覧頂きたい。劇場まで足を運んで観て、損はさせない映画作品である事は確かです。

おまけに前作同様、この作品、かなり笑えます。

実際、僕が観てきた劇場では、皆さん笑っている場面が多かったですよ。

僕が「テルマエ・ロマエ」シリーズを観て特筆すべきは、なにより、演出の面白さ、巧みさなんですね。

古代ローマの浴場建築技師、ルシウスや、現代人がタイムスリップする場面で、あえて「子供だまし」的な「しかけ」をやっていますよね。普通、そういう事をすると「金を払って観に来た観客に対して失礼だろ!!」とか「あざとくて、ウザい」なんて言われかねません。

ましてや本作では、美術、衣装、舞台装置、厖大なエキストラ等々、巨額の制作費を投じている訳です。

その「超大作」の「品格」を、あえてぶち壊すような、すっとぼけたシーンを入れている。

漫画界の巨匠「手塚治虫」の作品には、時々シリアスなシーンの最中に「ひょうたんつぎ」とか「お迎えでごんす」などのキャラクターが登場しますね。作者自身が第三者の眼で作品自体をおちょくっている訳です。

こういう言った、ある種、天才と呼ばれる人だけしか成し得ない「表現の超絶技法」を巧みに盗み、本作は映画界に「こんな手法も取り入れていいんじゃない?」と提示したのです。

こんな「アブナイ映画」の遊び心、これは「大バクチ」に間違いありません。勇気が要りますよぉ~。

並の監督なら、こんな危ない橋は渡りません、冒険もしません。手堅ぁ~く撮影する事でしょう。

本シリーズはそのアブナイ橋を敢えて渡った訳です。

それを決断した、本作の監督こそ、あの大ヒットシリーズ「のだめカンタービレ」を撮った、武内英樹監督なんであります。

やっぱり、笑いの「ツボ」を心得てるのね、この人。

本作では、主役の阿部寛さんが前作にも増して、その肉体美を磨き上げ、撮影に臨んでいます。また、例の「平たい顔族」のメンバーと「濃いメン」達との対比も実に面白いです。

なお、本作を劇場でご覧になる時は、エンドロールを見逃してはなりませんよ。なにしろ、あの国民的大物歌手の歌声が、”湯けむり漂う”劇場で楽しめるのですから。

是非、劇場で「ひとっ風呂」楽しんで観てくださいませ。

 

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天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)

物語 ☆☆☆☆

配役 ☆☆☆☆

演出 ☆☆☆☆☆

美術 ☆☆☆☆☆

音楽 ☆☆☆☆

総合評価 ☆☆☆☆

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作品データ

監督   武内英樹

主演   阿部寛、上戸彩、北村一輝

製作   2014年 

上映時間 112分

 


奥付



映画に宛てたラブレター2014・5月号


http://p.booklog.jp/book/84066


著者 : 天見谷行人
著者プロフィール:http://p.booklog.jp/users/mussesow/profile


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この本の内容は以上です。


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