「チョキ。」
「はい。」
「今日からあなたは天使です。」
「・・・・・。」
「あなたには大切なお仕事があります。」
「はい。」
「今日からあなたは天使です。」
「・・・・・。」
「あなたには大切なお仕事があります。」

チョキがふと気づくと目のまえには、
たくさんの赤ちゃんが袋に入ってならんでいます。
「この子たちをママのところへはこぶのが、あなたの仕事です。」
「はい。」
不思議ですがチョキにはすぐに理解できました。
「さあ、いってらっしゃい。」

これから産まれる子ネコたちは、
とてもかわいい顔をして眠っています。
チョキは順番をまつ子ネコたちの先頭の袋を
ヒョイとくわえて飛び立ちました。
新米天使のチョキは、眠っている子ネコを起こさないように
気をつけながら静かに舞い上がりました。
山をこえ、海をわたり、見知らぬ街の上空を飛んで、
チョキは赤ちゃんをはこびます。
気をつけながら静かに舞い上がりました。
山をこえ、海をわたり、見知らぬ街の上空を飛んで、
チョキは赤ちゃんをはこびます。

行き先は何故かもうわかっています。
お天気のよい大空を、チョキはゆっくりフワフワと進みました。
チョキは長い距離を飛んで、
ある小さな山奥の村に住む老夫婦の家に着きました。
ある小さな山奥の村に住む老夫婦の家に着きました。

そこにはお腹の大きなおかあさんネコがいるのです。
「あなたはこのお家で産まれるみたいにゃね。」
「ほら、やさしそうなおかあさんにゃよ〜。」
赤ちゃんはホッとした顔で
大きなアクビをひとつしました。
やがて子ネコは無事に産まれ、
おかあさんネコの愛情をたっぷりとうけて幸せそうです。
おかあさんネコの愛情をたっぷりとうけて幸せそうです。

まもなく老夫婦も気づいて、
大喜びでおかあさんネコにごちそうをくれるでしょう。
そんな姿を見てチョキもひと安心です。