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夕食は部屋に持ち込んで食べた。人と会話しながら食べるのが怖くて。
音にビクビクしながら食べた。でも、完食だった。
昨日も震えていた。今日も震えている。明日もきっと・・・
いつになったら終わるのか?誰にも分からない。

今日からクスリが変わったようで、これはかなり眠気と鎮静感が強いなあ。
キモチいい。周りの事、何も考えられない。
ロナセンと副作用止めが増えたんだっけ。キモチよすぎて本当に漏らしそうだよ。
でも大丈夫、たぶんしないから。

病棟内の音があまりに怖いので、、廊下の突き当たりにある男子用テレビの音を
少し小さくしてもらったけど、このクスリは鎮静作用がすごくて、飲んだら何か
もう音もそんなに気にならない快感を感じる。

今日は寝れそうだ。おやすみ


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今日はよく寝た。6時過ぎまで寝ていた。気がつくと夜が明けていた。
おはよう!
ブレンディのミルクの無い、不味いホットコーヒーを飲む。ないよりはましだ。
LInkin ParkのBurn It Downを聴いてたけど今一気分が乗らなかった。
ほええ、朝のクスリが効いてきた・・・クスリで押さえつけられて眠ってるうちが
一番幸せだよ。

ブレンディのインスタントコーヒーは、正直言って不味い。ミルクがあれば変わって
くるんだろうけど。でも何も無いよりは少なくともマシな味がする。ああ、金の微糖の
方がかえってコストパフォーマンスよかったかなあ。本当に頭がダメになるってそういう事
なんだよ。「幻覚ってどんなの?見てみたい、聴いてみたい」と思うガキもいるかも
しれないが、ここは地の果てなんだ。地図の外なんだよ。
そういう余計な「楽しいかも」なんていう考えは持たないほうがいい。知らない方がいい
世界というものがいっぱいあるのさ。僕は24年しかまだ生きてないけど、ようやくそれだけ
確実に言えるようになった。精神病、ドラッグ、自殺、そういうものに手を出しちゃ
いけないって事。手を出したら、あとは地獄。


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正確に言えば23・9歳だけど、ああ自分は子供のままで、、結婚もできず、
アラサーになってしまうのかな。老後はいったいどうなるのだろう・・・
だから、母さん、父さん、G,きららは、貴重な存在だ。良かった頭さえ悪くなって、
弱い最低最悪の僕を愛してくれる人たち。そして、僕を捨てた姉さん。
結婚してフィリピンに行ってしまって、連絡も取れない。父さん、母さん、
僕は姉さんのためにも跡取りにならなきゃダメなのに。こんなんでごめんな・・・

きっと姉さんは、僕が病気である事すら知らないだろう。今幸せに暮らしてる
のかな。子供がいるのか?電話さえつながらない。

実は、その「幻覚見たいガキ」っていうのは昔の僕の事なんだよ。
好奇心が強くて、メンヘラに憧れて、幻覚ってどんなものだろうと思ってた。
ワクワクしてた。少なくとも今、僕は十分に学習した。自分はバカだったんだと。

目は虚ろで、焦点があわなくて、口をゆがめて話しにくそうに話す人々。
僕の将来の姿なのか。ロナセンもっと欲しいな。いい夢見れるからな。
ガキだった僕の考えてた楽しい何かとは全く別の、苦しいだけの世界。
僕はきっと罰を受けたんだ、楽しいなんて一度でも思ってしまったから。


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このごろ急に寒くなってきたので、予め公衆電話で連絡しておいて、面会のとき
母さんにジャケットを渡してもらった。病院では携帯が使えない。テレホンカードの残量を
気にしなければいけないのが厄介だ。
ジャケットにはいつの間にかサインペンで「蒼月ジュナン」と書かれていた。母さん
ありがとう。というかもうみんな歳をとったんだな。母さんの顔にしみができて、髪の毛が
グレーになっているのに気がついた。僕がこんなんでごめんよ。

はやみんとは、最近うまくいっていない。どうも僕の方が避けられているようで。
話しかけようとするとすぐに遠くへ行ってしまう。
女の子の考える事はわからない。というより、はやみんの行動が支離滅裂なのかもしれ
なかった。
おまけに、僕の方にも胸が高鳴る感じとか、もう少しもないんだ。かわいそうとは
感じるが、なんだか冷めてしまった。


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気がついたら、タイラーと親友になっていた。
年齢差は20歳近いが、最低でも一日一回はカフェテリアでお茶をすすりながら
話すようになった。喋り方も、いつの間にかタメになっていた。
「ある人が、僕らのこと家畜って言ってたよ」タイラーはクスッと笑った。
「家畜!傑作だなぁ」僕も手を叩いて笑った。
「人間動物園だよね、ここは。まだ閉鎖よりは人間的だけど」
「人間的な人も中にはいるよな、ここは」特にタイラーとかな。
はやみんといると、僕は正常でいられなくなる。いい意味でも、悪い意味でも。
心がざわざわする。
タイラーといる時が一番、心が落ち着いて、本当の自分でいられる。
話題は暗いけどな。
タイラーはいつものぼさぼさの髪型で、口元に微笑みをたたえて言った。「2~3年の
間、服も着替えずに、風呂にも入らずにいたよ。発見されて、すぐ病院に連れて
いかれた」
僕はなんとなく尋ねた。「その時」が近づいているなんて知らなくて。
「ここの解放の生活、気に入ってるかい」
「ああ。料理も作らなくていいし、掃除だけでいいから、楽だよ」

 



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