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26

今日の朝食の甘納豆はうまかった。全部食べてしまった。
しかし、話はそれで終わらない。コップが残飯入れの中に落ちてしまった。
何とか手を突っ込み取り出したが、クスリのとき「コップが残飯入れの
中に落ちました」と言ったら
「向こうに洗剤があるので洗っておいで」ということで
必死に洗った。

「爽やかな朝、というが、少しも爽やかじゃない。爽やかな朝なんて・・・
それ以上は、劣等感を感じるからやめておこう。ああ、
爽やかな朝なんて・・・


27

雨の中、頭にタオルをのせて外へクリーミーラテを買いに行ったら
全部売り切れていた。仕方ないので朝専用缶コーヒーというのを買った。
金の微糖には及ばないが、低糖くらいの甘さで、意外といける。
こうして、朝からずぶぬれになってしまった。金網の下の洗濯物は
大丈夫だろうか?ラジオ体操は超真面目にやった。

さっき下で黒っぽいしまネコ(僕はしまぞうという名前をつけた)を追いかけ
まわして、泥まみれ、ネコまみれの僕をかわいいという年上の女性達。
感覚が、よくわからない。女性は、自分より大きいものに対しても平気で
かわいいと言うものらしい。

今や、震える手で細々と日記を書き、独りで空笑するのが僕の日課となってしまった。
リハビリの時間なので担当の看護師が呼びにきた。行ってくるよ!

 


28

僕は寂しい。リハビリ室に来てたのは全然知らない人ばかりで、
同じ方向へ帰ってった。話には入れないのに、無駄に名前を聞かれた。

カフェテリアで一人で茶を飲んでいたら、むせてお気に入りの濃い水色の
ジーンズにシミをつけてしまった。みっともないな。恥ずかしいな。
そのとき、隣でアゲハが音楽を聴いてるのに気がついた。
「何聴いてるのかな」僕は尋ねた。
「バンプとか西野カナ。ジュナンさんは何聴くんですか」
「エルレとか。あとは言っても知らないだろうな」
何となく微妙な雰囲気になって、会話が途切れた。僕は部屋に帰った。

「思うよりあなたはずっと強いからね」どこかの歌詞にあったな。
うるさい。うるさいな。みっともない。恥ずかしい。それだけだ。


29

明日まで風呂はないな。もう一日同じ服にしよう。金髪の根元あたりが
伸びてきた。ああ、寂しい。
いびきが苦手だった。なのに今度は、古いエアコンがうるさくて眠れない。

僕はウザイ奴になってやるって決めたから、何かよくわからない集団が
カフェテリアの中に入って来た時、その中に堂々と入って行った。
「今食事中だから。デイケアだから、出てくださいね」
なるほど。デイケアだったのか。
ああ、クスリが効いてきた。悪い言い方だけど、漏らしちまいそうなほど
いい気分だよ。しないけど。

 


30

とっても意味のない幸福感に包まれ、笑いながら売店へ行った。
なぜか嬉しくて外来の方まで行ってしまった。売店のおばさんに「あなた
買ったものを忘れてるよ」と言われた。買ったものを忘れるほど、
幸せな気分でいっぱいだった。
病棟に帰ってからある人とポーカーとウノをやって余裕勝ちした。
部屋で、ベッドに横向きに丸まって寝ていた。さっきから汚い例えで
申し訳ないのだが、よだれが止まらないほど気持ちいい。
何で?

今日は4時から診察かードキドキだなあ。暇なのでカフェテリアの辺りを
うろうろする。
やっぱりコーヒーはいいな。症状が進んで、どれだけマッドになっても
コーヒーは飲むんだ。ならないといいけど。

 



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