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『反比例するかのように』

 
記憶の中の君は
いつも笑顔だから
 
反比例するかのように
涙もろくなる俺を
そうして見つめてくれてるんだろ?
 
温かすぎて辛い事もあるっていうのに
まるでそんな事はお構いなしだ
 
もう手で触れて抵抗する事も出来ない俺を
まだそうやってからかっている
 
早く一緒に笑えたらとも思うけど
まだ笑いながらも涙こぼれそうだ
 
行かないでくれよ
 
その一言が
今も喉の奥で詰まったまま
身動きとれずにいるんだ
 
足がすくむ理由も
足を進めるワケも
君の存在だと言ったら
首をかしげてくれるかい
 
あの仕草にもう一度触れたい
出会いたい

『そこに存在するのは くゆる煙だけ』

壁に全ての体重をあずけたまま
そこに存在するのは くゆる煙だけ
この時間を止めるためなら
何をしたっていい
それほどに心は恐怖していた
時が経つ事それ自体に
 
言いたい事ばかりを言うんだ 奴らは
この痛みも知らずに
反発心を認めながらも
諦める事だけがうまくなってしまったな、俺たち
 
何もかも止まれば
何も考えなくていい
叶う事がないから言える事もある
 
難しい事並べるばかりしかできない俺を
またそうやって軽々しく責める
慣れているはずなのに
なぜだろう 涙流れる
 
逃げに逃げても逃げきれない
立ち向かうたびに
振り向くたびに
新しい傷が増えていくだろ?
 
安心なんて贅沢は言わない
俺たちが望むものは
ただの静謐と小銭
たったこれだけの難しさが身に染みる
だからこそ肩叩きあっていこうぜ

『何のために自分は』

 
人の人生を変えるのは
やはり人の人生で
君を失ったあの日
僕は自らの人生の意味を考えた
 
何のために自分は
ここに存在しているのか
考えずにはいられなかった
考えなければ
君のためにもと
そう思っていた
 
だけどそれは自分のためだった
 
僕はあの日
君の人生ごと
君の夢を背負ったんだ
 
意味を作りだすために
僕の夢を叶える事が
夢をもっていた君の思いを遂げる事だと
直感で知っていた
 
分かっていたんだ
最初から
 
だから僕は全ての”普通”を捨て
荒波に飛び込んだ
生き抜かねばならぬ運命だけを抱いて
涙は静かに水に溶けていった
 
一度終わったはずの人生
怖いものなんてない
未来を真っすぐ見つめる君の瞳を
僕が受け継ぐ
 
自分なんてどうでもいい
自分が夢を見続ける事が辛くなっても
君はいつまで経っても
夢から目を逸らさないから
その横顔を心に住まわす僕には
選択肢など与えられていない

『その心に蘇るのはいつもあの声』

その心に蘇るのはいつもあの声
 
くじけそうになった時
決まって響いてくるんだ
心が折れそうになったことも
数え切れないほどになったけど
思い返せば一人じゃなかった
 
目には見えないけれど
いつも一緒にいてくれる
これは実感だから
命で感じ取るしかない事だけれど
僕は今 思い切る事ができるんだ
僕は君にもう一度会う事ができたと
 
早くにいなくなってしまった君に
僕の人生を変えた君に
もう一度会えたと
実感で言い切る事ができるから
君の存在を絶対に忘れない
今までも これからも
 
君を無意味になんて僕がさせないと
僕が君が亡くなった事に意味を作ると
そう決めた日から幾年
ここまで来たよと呼びかけた
そっと

『君の瞳はいつだって綺麗すぎるから』

君の瞳はいつだって綺麗すぎるから
恐怖さえ覚えてしまうんだよ
僕が知っている僕以上のものまで
取り出されていく気がしてさ
 
心もそぞろだ
 
だけどその眼差しに向かうのをやめられない
弱さを見せる本当の自分を
見つけ出して欲しいと思うからかな
もう自分じゃ見つけられそうにないから
代わりに探しだしておくれ
 
震える瞳で
真っすぐで複雑な君は
全て見え過ぎて苦しい事もあるだろうね
その尽きぬ悲しみは
僕も同じものを持っている
 
それこそが強さだと
言い切れる心と涙を持っている僕らは
同じものを使って
生き永らえていくんだよね


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