目次
はじめに
はじめに
更新履歴
更新履歴
page 2
page 3
戦場の一休宗純(課題30:時代劇)
「戦場の一休宗純」人物表
「戦場の一休宗純」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
三転倒立ライフスタイル(課題29:ホームドラマ)
「三転倒立ライフスタイル」人物表
「三転倒立ライフスタイル」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
君のアドリブパパ(課題28:喜劇)
「君のアドリブパパ」人物表
「君のアドリブパパ」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
STAP2号対ドロチ~北半球最後の戦い~(課題27:アクションドラマ)
「STAP2号対ドロチ~北半球最後の戦い~」人物表
「STAP2号対ドロチ~北半球最後の戦い~」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
ライン上のゴースト(課題26:サスペンス)
「ライン上のゴースト」人物表
「ライン上のゴースト」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
失われた地図を集めて(課題25:メロドラマ)
「失われた地図を集めて」人物表
「失われた地図を集めて」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
BLACK BENGO(課題24:弁護士)
「BLACK BENGO」キャラクター表
「BLACK BENGO」人物表
「BLACK BENGO」本文
page 4
page 5
page 6
page 7
君が生きるために大切なことはいつも伝えられなかった(課題23:医師)
「君が生きるために大切なことはいつも伝えられなかった」キャラクター表
「君が生きるために大切なことはいつも伝えられなかった」人物表
「君が生きるために大切なことはいつも伝えられなかった」本文
page 4
page 5
page 6
page 7
ワケあり先生とハダカの王子様(課題22:教師)
「ワケあり先生とハダカの王子様」キャラクター表
「ワケあり先生とハダカの王子様」人物表
「ワケあり先生とハダカの王子様」本文
page 4
page 5
page 6
page 7
再会の脱法ハーブ(課題21:刑事)
「再会の脱法ハーブ」キャラクター表
「再会の脱法ハーブ」人物表
「再会の脱法ハーブ」本文
page 4
page 5
page 6
page 7
プライバシー・ゼロの国(課題20:記者)
「プライバシー・ゼロの国」人物表
「プライバシー・ゼロの国」キャラクター表
「プライバシー・ゼロの国」本文
page 4
page 5
page 6
page 7
約束のカヌー(課題19:別れの一瞬)
「約束のカヌー」人物表
「約束のカヌー」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
10秒チャレンジ(課題18:愛する一瞬)
「10秒チャレンジ」人物表
「10秒チャレンジ」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
ちゃいくら(課題17:憎しみの一瞬)
「ちゃいくら」人物表
「ちゃいくら」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
論文盛りました?(課題16:裏切りの一瞬)
「論文盛りました?」人物表
「論文盛りました?」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
一日一善、ときどき変態(課題15:男と女)
「一日一善、ときどき変態」人物表
「一日一善、ときどき変態」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
ペテン師のレクイエム(課題14:再会)
「ペテン師のレクイエム」人物表
「ペテン師のレクイエム」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
オレスタイル(課題13:古痕)
「オレスタイル」人物表
「オレスタイル」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
ウォーター・ビジネス(課題12:雨)
「ウォーター・ビジネス」人物表
「ウォーター・ビジネス」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
九尾の狐とディープフリーズ日本列島(課題11:雪)
「九尾の狐とディープフリーズ日本列島」人物表
「九尾の狐とディープフリーズ日本列島」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
ホームレスのライフノート(課題10:葬式)
「ホームレスのライフノート」人物表
「ホームレスのライフノート」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
シンデレラは嘘をつきすぎてる(課題9:結婚式)
「シンデレラは嘘をつきすぎてる」人物表
「シンデレラは嘘をつきすぎてる」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
18歳以上閲覧できません(課題8:不安)
「18歳以上閲覧できません」人物表
「18歳以上閲覧できません」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
ミイラ男は焼肉の秘密を知っている(課題7:宿命)
「ミイラ男は焼肉の秘密を知っている」人物表
「ミイラ男は焼肉の秘密を知っている」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
アフター・ネグレクト(課題6:死)
「アフター・ネグレクト」人物表
「アフター・ネグレクト」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
お父さんもう来ないで(養成講座課題:別れ)
「お父さんもう来ないで」人物表
「お父さんもう来ないで」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
紙袋の女(養成講座課題:出会い)
「紙袋の女」人物表
「紙袋の女」本文
page 3
page 4
page 5
はしるかける(養成講座課題:魅力的な叔父さん)
「はしるかける」人物表
「はしるかける」本文
page 3
page 4
page 5
page 6
奥付
奥付

閉じる


再会の脱法ハーブ(課題21:刑事)

「再会の脱法ハーブ」キャラクター表

芝大和(33)は警視庁組織対策第五課所属の捜査官。役職は警部補。主に麻薬、脱法ハーブなど薬物捜査を担当している。

 

7歳の時、父の営む雑貨店が経営破綻し、母は離婚。父は自殺した。身よりのない芝は闇金融の上部組織に当たる暴力団に拉致され、大麻製造の下働きの仕事を毎晩させられた。

 

芝が10歳の時、組織は警察によって殲滅。現在芝の上司である本城悟郎(当時34・現在57)が芝を拾い、以後の面倒を見た。自分をどん底の状況から救ってくれた本城のような刑事になりたいと思い、芝は刑事になる。

 

特技は匂いを嗅いだだけで違法薬物を当てること。警視庁内部では事情があるとはいえ、元犯罪組織の構成員だった芝を軽蔑する者も多い。芝は実績を積み、現在は新人捜査官百瀬菖(ももせあやめ)24)の教育係も任されている。

 

少年時代、一緒に大麻を製造していた柊優示(ひいらぎゆうじ)(33)とは、刑事になった後連絡を取っていない。


「再会の脱法ハーブ」人物表

 人 物

芝大和(しば やまと)(33)警視庁組織犯罪対策第五課捜査官・警部補

百瀬菖(ももせ あやめ)(24)同捜査官・巡査

(本城悟郎(ほんじょう ごろう)57)同管理官・警部

柊優示(ひいらぎ ゆうじ)33)脱法ハーブ販売組織『アガルタ』リーダー・芝の幼馴染

テツ(27)売人

 

若者1


「再会の脱法ハーブ」本文

○渋谷・スクランブル交差点

  サッカー日本代表のユニフォームを着た若者が大勢はしゃいでいる。

  交通整理をする警察官達。遠くで救急車の音。

 

○同・道玄坂の脇道

  脱法ハーブをパイプで吸引し、酩酊している若者達。

  意識不明の女性を救急隊員が運ぶ。

  百瀬菖(24)、警察手帳を見せ、若者1のパイプを取り上げる。

若者1「何すんだよ」

菖「これ、煙草じゃないよね?」

若者1「合法ハーブだよ。何か問題あんの?」

  若者1、菖につかみかかる。

  芝大和(33)、若者1の腕を掴む。

芝「公務執行妨害で逮捕されたいか?」

  芝、ハーブのパイプに鼻を近づける。

芝「スパイシー・ダイアモンドじゃないか」

若者1「いい香りすんだろ。吸ってみる?」

芝「残念だな。日本じゃ合法だけど、東京じゃ薬物防止条例にひっかかるぞ」

若者1「マジかよ」

芝「どこで買った? アガルタからか?」

  と、涎をたらす若者1の肩を揺する。

 

○警視庁・外観(夜)

 

○同・組織犯罪対策第五課・会議室(夜)

  薬物犯罪防止のポスターあり。

  芝、菖、本城悟郎(57)、机の地図を見ている。

芝「明日、百瀬とアガルタに探り入れます」

本城「芝、アガルタの捜査から外れろ」

芝「本城さん、冗談はやめてくださいよ」

本城「これ見ろ」

  と柊優示(33)の写真を出す。

本城「何回も取引現場で目撃されてる。売人はハデスと呼んでたとよ」

菖「ハデスってアガルタのリーダーですよね」

芝「そんな? でも、こいつ、まさか」

本城「芝、こいつが誰か思い出したか?」


菖「え? 芝さんハデスの知り合いですか?」

本城「ハデスは柊優示だ。そうだな? 芝」

菖「柊優示って?」

本城「芝の昔の知り合いだよ」

芝「なんでユウの奴、こんなこと」

本城「芝警部補、今回の捜査からは外れろ」

芝「やらせてください。これは俺のヤマです」

本城「柊相手で冷静に行動できるのか?」

芝「相手が誰でも必ずホシをあげます」

本城「命令だ。明日は百瀬だけで行け」

  芝、本城を見つめる。

 

○脱法ハーブ密売組織『アガルタ』店舗前

  ショーウィンドウにハーブが並ぶ。

  私服姿の菖が歩いて来る。

  私服姿の芝、店脇の影から現れる。

芝「百瀬、それで変装したつもりか」

菖「芝さん。職務命令違反ですよ」

芝「お前は危ないから帰れ」

菖「私だけであげてみせます」

芝「俺は偶然居合わせた。行くぞ」

  芝、店のドアを開ける。

 

○同・店内

  テツ(26)、カウンターに立つ。

  芝と菖、脱法ハーブの袋を見ている。

テツ「見ない顔だねあんたら」

芝「すぐ飛べる草おいてない?」

テツ「うちはお香しかおいてないかんさ。吸引用が欲しんなら他ん店行ってよ」

芝「これ、スパイシーダイアモンドか?」

  と、無記名のハーブの袋を取る。

テツ「スパイシーなら一か月前に売るの辞めたよ。違法薬物に指定されたっしょあれ」

菖「店にあるのは合法ものだけってことね」

テツ「こっちもビジネスなんでね」

  芝と菖、袋を次々手に取る。

テツ「小便臭いガキ連れて帰ってもらえる?」

芝「匂うな、こっちだ」

  と、店の奥に進む。扉がある。


テツ「おいおい、そっち立ち入り禁止だよ」

芝「ハデスは奥にいるのか?」

テツ「ハデス? 何のことだ?」

芝「ハデスいるんだろここに。会わせろ」

テツ「やっぱサツだろお前ら」

  と、芝の腕をつかむ。芝、テツを背負い投げ後、間接技。テツ、気絶する。

菖「さっきのガキって私のことですか?」

芝「急ぐぞガキ」

  と奥の扉を開ける。

 

○同・地下のハーブ栽培所

  強いライトの下にハーブの鉢が並ぶ。芝と菖が階段を下りて来る。

  芝、葉を一枚取り、匂いを嗅ぐ。

芝「これ、鑑識に回せ」

  と、葉を菖に渡す。

菖「匂いだけでわかるんですね」

芝「訓練のおかげだよ」

  菖、葉をしまう途中、首に麻酔銃を撃たれ、倒れる。

  芝は気づかず奥に進む。

芝「合成カンノビナイドの粉がどこかにあるはずだ。探すぞ」

  芝、振り返るが菖の姿はない。

芝「おい百瀬、どこ行った?」

  芝の首に麻酔銃の弾が刺さる。

  芝、倒れ込み、もだえる。

柊の声「訓練のおかげじゃないだろう」

  柊、気絶した菖を抱えて現れる。

柊「まさか大和がやってくるとはね」

芝「その声は? ユウか?」

柊「意識は完全に飛ばなかったみたいだね」

芝「ユウ、お前がハデスなのか?」

菖「う、うう」

柊「かわいい後輩まで目を覚ましそうだ」

  柊、菖を抱えて芝の近くの椅子に座る。

柊「ねえ、聞こえる?」

  と菖の頬を撫でる。

柊「知ってた? 君の先輩はさ、子供の頃、僕と一緒に大麻作ってたんだよ」


芝「やめろ。百瀬にさわるな」

柊「今は拾ってもらった刑事の犬になったけどね」

  芝、胸に潜めていた拳銃を取り出す。

  柊、拳銃を取り上げる。

柊「セーフ。お嬢さんの銃ももらっちゃうね」

  と菖の体を探る。

柊「ラッキー、こっちは持ってないみたい」

芝「やめろ、百瀬から手を離せ」

柊「チンピラに脅されながら毎日粉詰めてたガキが、刑事なんておかしいでしょ」

芝「俺は抜け出したんだ」

柊「僕達はこっちの世界の人間だ。一歩足を入れたら、二度と抜け出せないんだよ」

芝「お前だって、薬何て触りたくもないって言ってたじゃないか」

柊「大和にさ、刑事なんて似合わないよ」

芝「俺は刑事だ。お前だってこんな仕事……」

柊「ふう、しょうがないな。じゃあ取引しよう。僕の犬にならない?」

芝「何だと?」

柊「警察の情報流してよ。悪いようにはしないから。報酬も出すよ」

芝「誰がそんな話に乗るか」

柊「よく吠える犬だなあ。君の可愛い後輩を薬漬けにすることもできるんだけど」

  と、注射器を取り出す。

芝「やめろ」

柊「致死量ぎりぎりまでこの子の体にリキッドを入れることもできる。薬の怖さは大和が一番よく知ってるよね?」

  柊、注射器の針を菖の首筋にあてる。

柊「簡単な取引だよ。さ、僕の犬になってよ」

芝「わかった。わかったから手を放せ」

柊「いい犬だ。約束だよ。わんわん」

  と、菖の体を芝の方に投げ捨てる。

芝「百瀬、しっかりしろ。動けるか?」

柊「口約束だけじゃさすがに不安だな。行動で証明してもらおうか」

  と、芝の手元に注射器を転がす。


柊「彼女にさ、針打ってよ」

芝「は? 何言ってる?」

柊「向こうの世界に飛ばしちゃいなよ」

芝「お前」

柊「誓いの言葉は嘘だったの? 僕の忠実な飼い犬になったんでしょ。忠誠心見せてよ」

芝「ふざけんなよ」

柊「大和の弱点は彼女だ。一目でわかったよ。人は弱さを断ち切ったら、強くなれる。早く弱さつぶして、こっちの世界に来なよ」

芝「弱さを守るために俺は刑事やってんだよ」

  と注射器を柊の方に投げつける。

  注射器は地面に力なく落ちて刺さる。

柊「大和、僕の店にはたくさん客が来る。社会から見捨てられた人が集まって来るんだ。残念だけど君は何も守ってなんかいない」

芝「お前のやってることよく見てみろ。ただの犯罪だよ。屁理屈は法廷で言うんだな」

  柊、芝の腕に銃を撃つ。うめく芝。

柊「だまれよ、犬のくせに」

  と芝に近づき、芝の首に銃口を当てる。

柊「再会できて嬉しかったのに。さよならだ」

  菖、突然起き上がり、柊を羽交い絞めにする。

  芝の手元に銃が転がる。

柊「お前、動けるのか。くそ、離せ!」

  暴れる柊を菖が必死におさえる。

菖「芝さん! 撃ってください!」

  柊、菖の首をしめる。抵抗する菖。

  芝、銃を拾い、柊と菖に向けて構える。

  芝の腕から血。手元は震えている。

  芝、銃を撃つ。響き渡る銃声。

 

○同・表(夜)

  パトカーが何台も集まっている。

  本城、重傷を負った柊を連行する。

  負傷した芝と菖、壁際にいる。

菖「さっきの、全部聞いてましたよ」

芝「軽蔑するなら軽蔑しろ」

菖「芝さん、刑事課全員に軽蔑されてますよ」

  菖、芝の腕に布で包帯を巻く。(了)