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【7】 冒険の始まり

頭の中に、天真爛漫なハートを閉じ込めている、岩のおじちゃん。
仲間に入りたいのに、きらわれることばかりしてる、孤独で小さなキツネさん。
深く考えなくて、天真爛漫なお日様のふりしてる、ガラスのハトさん。
そんな同行者と共に、王様のお城に向かっていくことになった。でも、道の先に進むためには、王様が命令した禁止令を守らないと、先に進めないようになっていた。

「素のままでいるな」という禁止令を守っている森では、人の姿のままだと通れなかった。岩のおじちゃんの中に入ることで、通ることができた。

「子供であるな」という禁止令を守っている森では、はしゃいでいると通れなかった。みんなまじめに一列になって、行儀よくしていると、通ることができた。

「成長するな」という禁止令を守っている森では、障害物を乗り越えようとすればするほど、通れなかった。無理に努力せず、あきらめた途端に、通ることができるようになった。

「成功するな」という禁止令を守っている森では、迷子になったり、ケガをしたり、何をやっても肝心なところで失敗してしまう。開き直って「わざと迷子になってやる!」と、むちゃくちゃに動きまくったら、すんなりと通れた。

「実行するな」という禁止令を守っている森では、動こうとすればするほど、身動きがとれなくなってくる。何もせず、考えごとをしながら待っていたら、いつの間にか通り抜けていた。

「重要な存在になるな」という禁止令を守っている森では、それぞれの役割を果たそうとすればするほど、何もできなくなっていった。あきらめて、周りの風景になじんでいたら、いつの間にか通り抜けていた。

「仲間になるな」という禁止令を守っている森では、なぜかケンカするよう仕向けられ、仲たがいしてしまい、それぞれが自主的に行動することで、通り抜けられた。

「信用するな」という禁止令を守っている森では、それぞれが自主的に行動していることを疑うように仕向けられ、信用せず、何事も事実関係を確認し合うことで、通り抜けられた。

「健康であるな」という禁止令を守っている森では、ケガをしたり、病気になったりすることが多くなり、そのたびに、森の妖精たちに助けられた。健康じゃないし、このまま、この森にいれば、身の回りの面倒を見てくれるので、旅をやめようかと、心の病にかかったら、ポンと、森の外に放り出されてしまった。

「考えるな」という禁止令を守っている森では、これからどうしよう、と考えれば考えるほど、その考えを打ち消す出来事に遭遇した。もう、何も考えず、ただ、感じるままに動いていくと、いつの間にか通り抜けられた。

「感じるな」という禁止令を守っている森では、どこに向かっていくか、感じることさえできなくなった。好きな匂いもわからず、視界もさえぎられ、音も聞こえず、五感をふさがれた。仲間の存在すら感じられない中で、感情も失われ、ただ、無になることで、いつの間にか通り抜けていた。

「存在するな」という禁止令を守っている森では、自分自身が生きているのか、死んでいるのか、それさえもわからない状態の中で、ただ、この世界と一体になって「自分」という存在が消えていった。森を抜けたのか、森たちと一体になって歩んでいるのか、その区別さえもわからなくなってきた。というより、区別する必要さえも感じなくなってきた。

たくさんの心の試練を味わってみた。
でも、どれも、つまらなかった。
だって、私には、もともと、王様からいただいた、禁止令がないから。
みんな、禁止令を持っていない私を不思議がっていたけど、私はこのままでいいと思っている。それじゃダメなのかしら?


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最終更新日 : 2014-02-02 14:38:38

【8】 王様の世界

やっとのことで森を抜けたら、王様の城が目の前にそびえたっていた。
それは、灰色で、四角い箱で、何の特徴もなくって、つまらない感じ。
ちょっと、落書きをしてみたら、門番に怒られちゃった。
あ、これって、さっき、どこかの禁止令で体験したな~。

門番につかまって、王様の前につれていかれたのだけど、王様は、宙を見つめながら、ぶつぶつつぶやいていて、私の姿に気づいてないみたい。
『あ~、その禁止令の苦しみは、共感できるな~、乗り越える姿が、美しい~』
もしかして、国民が味わっている禁止令を、王様も心の中で味わっているのかしら。
「あの~」
声をかけても、まったく、見向きもしない。
「わたしが見えませんか~?」
目の前に行っても、まったく見えていない感じ。
「どうして、無視するの~?」
こんなに、自己PRしてるのに。
「なんか、悲しくなってきちゃった」
あれだけ、禁止令の試練を乗り越えてきたのに、なぜか、涙が、ほろりと流れてきた。
『おや?こんなところに、おいしそうな心があるじゃないか』
「あ、気づいてくれた~」
『あれ?お前には、禁止令がないように感じるのだが、変だな~』
「そうなんです。禁止令が欲しくて、ここまで来ました」
王様は私をジロジロながめ、私が体験した森の中のできごとを、ぶつぶつとつぶやきながら、不思議そうに見ていた。
『そうか、君は、そんな存在なのか、、、』
王様は、少し困った顔をしていた。

『じゃぁ、君にぴったりな禁止令は、、、これだな』
私の姿が、だんだん消えていく。
『この国に存在するな、だな』
「あ~、これが、私の禁止令か~。でも、何もおいしくないな~。」
消えかけていくカラダのポケットから、小さな種が、ぽろっとこぼれた。その種の中から、かすかに声が聞こえてくる。
『ぴょっこんぴょっこん、ポンポンポン』
突然、私と王様のカラダが、宙を舞い、暗闇の中に放り出された。そこは、小さなハートが輝いている、岩の中だった。 そこには、小さな木があって、その枝が私と王様を包み込み、岩のさけめから、グングン空へ上っていった。
虹色の光が、私と王様を包み込み、まるで星空のように輝いていた。

『これは、いったい、何が起きたのだ?』
「う~ん、よくわからないけど、仲間が、遊んだだけかな」
『禁止令を守っただけでは、こんなことはできないはずだ』
「たぶん、禁止令を守らなかったんじゃないかな」
『禁止令を守らずに、こんなことができるのか?』
「心は、自由が一番だからね」
『心の自由だと?そんなことをすれば、世界の秩序はなくなり、王国は滅びるではないか』
「そんなの、やってみないとわからないじゃない」
『やってみて、ダメでした、じゃ、元に戻せないだろう』
「大丈夫。ここは、どうも私の王国みたいだから。王様の心のままに、好きなことやってもいいよ」
『お前の王国だと?ん~む、、、』

しばらくすると、王様のカラダが、虹色に輝きだした。
『お~、これは、これで、なかなか、、、』
次第に王様の姿がバラバラになっていき、いろんな星にちらばっていった。
「あらら、そんなにたくさんの星に行ってみたかったのね。」
しばらくすると、銀河の渦ができ、星たちが集まってきて、元の王様の姿に戻った。
「おかえりなさい。星の旅は、どうだった?」
『そうか、そういうことだったのか』
王様は、すっきりした笑顔で、私を見つめていた。
『そうだな、今は、お前の心の王国にいるんだったな。それもよかろう。』
そう言うと、王様のカラダがボロボロと崩れていき、かけらが集まり、最後は、小さな種だけになった。

「え~、どうなっちゃったの?そんなに、種になりたかったのかしら?」
私は、その小さな種を手に取り、そっと、匂いをかいでみた。
「わぁ~、いい匂い~」
目を閉じ、その匂いの世界に入り込んでみた。まるで、虹色の銀河をただよう感じがして、いつの間にか眠りについてしまっていた。


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最終更新日 : 2014-02-02 15:15:04

【9】 目覚めの種

目覚めたら、そこは、森の外で、家のすぐ近くだった。
手には、しっかり種を握ってた。
とても、いい匂いがして、いろんなハートを感じた。

岩をつきやぶる天真爛漫なハート。
どんなものにでも変化できるハート。
心から心へ光を伝えるハート。

そんな、ハートの花を咲かせる種になるのかな。
よく見ると、それは、私が大切に育ててきた、種だった。

「あ~、そうだったのね。ありがとう。」
種を握りしめながら、心の中にいる仲間たちを、ギュッと抱きしめた。
種が、ブルブルっと答えながら、私とひとつになっていく感じがした。

『ぴょっこんぴょっこん、ポンポンポン』
土の中から芽を出し、花を咲かせ、おいしい実をつけていく。
遠くで、虹の光が輝き、小さな木が揺れ、ゴゴゴ・・と岩の動く音がする。
どこかで、また、誰かが旅をする。
誰かの心の、禁止令王国に向かって。


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最終更新日 : 2014-02-02 15:23:30

【10】(おまけ)【何もするな】

そうそう、こんなこともあったの。

森の中でね、何もできずに、うずくまっている象さんがいたの。
「どうして動けないの?」
『この足に、わっかがついているから』
よく見ると、ツルで縛っているだけみたい。
「象さんの力なら、ひっぱれば、とれるんじゃないの?」
『それはできない』
「どうして?」
『がんばったけど、とれなかった』
なぜだろう、こんなに細いツルなのに
「私がとってあげようか?」
『やめてくれ!怒られるから』
「誰に怒られるの?」
『今は、いないお父さんに』
「なぜ、怒られるの?」
『お前は、自分の力では、何もできないから、何もするな!って言われたから』
「いつ、そう言われたの?」
『子供の頃』
「じゃあ、今は、自分の力で、引きちぎれるんじゃないの?」
『禁止令を守らないのは、恐くてできない』
また、禁止令か・・。
「禁止令を守っていたら、安心するの?」
『ああ、何もしないと安心する』
私もやってみようかな。
足に、つるを巻きつけて、何もせず、じっとしてみた。

どれくらい時間がたっただろう。
「ねぇ、お腹すかない?」
『そのうち、誰かが、食べ物わけてくれるから』
え~?、待ってられな~い、私には、無理だ、ぜんぜん、面白くない。

「がまんできないから、食べ物とってくるね」
ツルをブチっと切って、木の実を探すために、あたりを見回した。
象さんは、私を不思議そうにながめながら、自分の足に巻きついたツルを、少し動かしてみた。
『あ、このツル動かせるんだ』
ツルを動かすことができないと思っていたみたい。

「あ!あんな高いとこに食べ物がある。象さん、その長い鼻で取って~」
象さんは、ツルを伸ばして、少しずつ動きながら、木の実を取ろうとした。
「もうちょっと、こっち、こっち」
ぐ~っと、カラダを動かし、鼻を伸ばして取ろうとした。
「ブチッ」という音が響いて、木の実がとれた。
「やった~」
『あ、自分の力で取れるんだ』
「やれば、できるんじゃない」
『このツルを伸ばせばいいんだ~、この足元のツルを・・・』
「あれ?ツルがないじゃない」
そこには、もう、ツルはなくなっていた。
『あ~、怒られる~』
象さんは、一生懸命ツルを探していた。

「これ、あげる」
私は、髪のリボンを足に結んであげた。
「これで、怒られないんじゃない?」
『ありがとう』
象さんが、少し動いたので、道が見えてきた。

小さな木が、さささっと動いて、道の向こうに消えた。
「ハトさん、ハトさん、狐さんを見つけて」
『ポー、ポー』
返事してるだけで、光が届かない。
「ねぇ、ハトさん」
『ポー、ポー』
よく見ると、寝ているみたい。
「岩のおじちゃん、ちょっと、コツンとしてくれる?」
岩のおじちゃんが、石ころを当てると、ハトは豆鉄砲くらったような顔つきになった。
『闇なべは、キライ~』
って、わけわからないことを言いながら目を覚ました。
「狐さんを追いかけて」
ハトは、正気に戻り、狐さんに光をあてた。
「岩のおじちゃん、あの光を追いかけて」
『まかせろ』
私を肩にのせて、岩さんは光を追いかけた

ゾウさんは、足元のリボンに満足しながら、ゆっくりと、後からついてきた。


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最終更新日 : 2014-02-02 15:45:02

あとがき

どう?アリスの物語、おもしろかった?
あらあら、寝ちゃったの?
ゆっくり眠って、物語の世界を味わってね。
これは、あなたの心の物語なのかもね。
あなたの心の中の種が、見せる物語。
感じで、育てて、あなたの花をさかせてね。


この世界も、禁止令王国のようなとこかもしれないね。
彩くらぶには、旅するアリスと仲間達がいます。
そして、あなたは禁止令王国で苦しむ住人。

星占いから見えてくる、あなたの人生脚本。
パステルアートで描く、あなたの心。
あなたが描く、新しい人生脚本で、禁止令のない心の王国に変わっていく。

もう一人の主人公として、あなたの禁止令を解除するための、人生脚本を描いてみませんか?この世界は、みなさんが作る物語でできている。
ひとりひとりが主人公。

あなたの、自由な心の旅が、今、ここから始まる。
あなたの一歩、お待ちしてます。


彩くらぶ / いろどり★みどり♪

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最終更新日 : 2014-02-02 15:35:01


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