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あとがき

あとがきのようなあとがきでないものちょっとあとがき

私が大学卒で就職活動をすることになった2008新卒採用年は、団塊の世代集団退職からリーマンショックが起こるまでの、就職活動生に追い風が吹いていたわずかな年で、それ以前からの不景気による就職難が緩やかな年でありました。
とはいえいうほど有名でもない芸術大学の学生ですので、団塊の世代がいくら退職しようが、就きたい職の椅子が増えるわけでもなく、同級生で苦労なく内定をとれていた人はあまり記憶にありません。

建築業界ではありませんが、私はデザイナー志望として就職活動をしていました。
そのころ家計が財政難だったり、卒業制作に追われていたりで、若干出遅れつつもいくつかの企業の採用試験を受けに行ったものですが、そこで見えてきたものは新卒採用という社会のゆがみでした。
新卒じゃないと採用しない企業、そのために内定がもらえなければ卒業をわざと1年遅らせる学生、不採用を見越して手当り次第に採用試験を受ける就職活動生、大量にやってくる就職活動生を粗いふるいにかける企業は、履歴書を見ただけで不採用通知の定型文を送ります。
就職活動セミナーで教えられるお辞儀の数、ノックのタイミング、それらを寸分違わず忠実に守る事が礼儀作法になるのでしょうか。皆同じようなスーツに身を包み見分けがつきません。面接ではお決まりの質問をして就職活動生の何が分かるというのでしょうか。成績や検定などの項目が採用基準でリストアップされている、性格や人間性を測るテストで就職活動生の情報が数値化され、まるでゲームキャラクターのステータス画面です。
大学の就職課は「100社受けなさい」と言います。100社もの企業の業務内容や理念や社風が把握しきれますか。よく分からない企業の志望動機を言えますか。どこかできいたようなよくある志望動機を言う就職活動生を採用しようと思いますか。

そんな事を繰り返して、就職活動生はどんなに優れた人間性や能力を持っていたとしても、運次第で不採用通知を送りつけられ続け、自分が社会に不必要な人間なのだと思ってしまうのはほぼ必然で、精神的に辛くなってしまいます。全く健全ではありませんね。

就職活動生が悪い、採用しようとする企業が悪い、どちらでもありどちらでもなく、もしかしたら企業の数が多すぎる、人間の数が多すぎる、選択肢が多すぎて、本当にお互いマッチしたところが見つけられないせいなのかもしれません。
結局私は就職活動という儀式の異様さに嫌気がさして、最終的には就職活動をやめる事にしたのです。

その後はアルバイトを点々と職を探したのですが、運良く正社員として雇用してもらえる会社に巡り会えた、というのが現状だったりします。それからしばらく経った後にブラック企業だとか社畜だとかいう言葉が流行って、現在就職活動をしている人たちには輪をかけて、従業する事への不信感が募っているのではないかと思います。事実、そういう企業は少なくはないだろうし、騙されたり流されたりしないようにしたいけれど、真実を見極め、すべての企業が悪いように思い込まない方が、お互いに良いのではないかな、と思うわけです。
就職は本当に運なので、ちゃんと仕事をする姿勢を忘れなければ、きっと自分に合った会社が見つけられるのではないでしょうか。

二〇一三年 十二月 八日
鍋野 由貴子


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奥付

タイムトラベレーター

著者
鍋野 由貴子
発行
めまして! http://memasite.com
電子書籍プラットフォーム
ブクログのパブー http://p.booklog.jp/
発行日
2014年1月25日
定価
100円

この物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。
感想・お気づきの点などありましたらお気軽にご連絡ください。
nabe@memasite.com

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