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その4




 そうだ。あの時は………。

手当てが終わったらしい寝台の上で目が覚めると…ローランデが…横の椅子にかけて寝台に顔を伏し、眠ってた。

その白い頬や伏せた睫毛があんまり…綺麗で……。
また抱きたいなと、思ったんだ……。

だがローランデの誠実で優しい性格では、血だらけで拷問を受ける俺を見捨てる事が出来なかっただけだと思いついた時……。
ため息が出た。

額に手を当てていると、彼が目覚める。
その瞳が見開かれ、あんまり深い青の瞳で、吸い込まれそうに感じた。

「………だい…丈夫か?」
「貧血で目眩を起こしただけだろう…」
「違う……。傷だ……」
「慣れてる。だが、どれくらいの深さかだな。
ヘタに動くと、傷が、塞がらない……」

それが一番うんざりだと言う顔を、した。
ローランデが俯くと…そう、俺は言ったんだ。

「もう…かかわらない方がいい…。
今度あんな事になったら、とっとと逃げろ…。
お遊びに、付き合わせるんだと付いて行ったらお前を呼ぶんだもんな…。
そうと初めから知ってたら、最初にぶん殴ってやったのに!」

そう…ローランデの瞳があんまり綺麗で…。
彼に心配された事が嬉しくて、つい言った。

「…誓いは護る。だがあれは俺の誓いだ…。
お前は俺に、何の義理も無いと言ったろう?
だが………」

血を、流しすぎてどうにかなってたんだな。
口を、突いて出た。

「…お前を泣かしても、もう一度抱きたい」

ローランデは俯いていた。
彼は小声で、こう言った。

「……お前にあんな事をされて以来ずっと体が、おかしい……。
どうすればいいのか、解らない……」

そして、顔を上げて壮絶に可愛らしい泣き顔で、俺を非難した。

「…お前を知らない体に戻してくれ!!」
「そんな事、出来る筈が無いだろう?」

そう言うとローランデは唇を噛み顔を伏せ、肩を、小刻みに震わせていた。

「だって…しょっ中……。
困った事に…なる……」
「まさか、おっ立つのか?」

「………………」
ギュンターは顔を上げないローランデの頬が、真っ赤に成ったのを知った。

「俺で良ければいつでも、責任取るが…」

ローランデの、肩がびくん…!と大きく揺れる。
が彼はとても端正な、その白い面を上げ告げた。

「…なら傷を、直せ…!」

そして出て行った。

あの件以来だ。
ローランデに絡む奴が、すっかり姿を消したのは…。

そして俺は彼が誠実な性格だったのを、忘れていた。
そこらを動き回り始めた頃、夜、彼が俺の部屋に来た。

ローランデがあんまり恥ずかしそうに俯くのでつい、言った。
「…責任を、取らせてもらえるようだな…」


 

結局これが、二人が付き合う事となった原因の出来事です。

 

傷だらけで血塗れだったけど

 

ギュンター内心ではグーデンに感謝してたりして…(笑)

 

 

 

 





この本の内容は以上です。


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