目次
まえがき
はじめに
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第一章  東京電力福島第一原子力発電所事故の汚染と今後
1.放出された放射性物質の総量と種類
2.放射性物質の拡散(汚染)
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福島第一原発から漏れた放射能の広がり
陸上汚染の状況(1m高さの空間線量率&首都圏の地表面へのセシウム134,137の沈着量
陸上の汚染状況(沈着量) 【文部科学省による航空機モニタリングの測定結果】
海洋への拡がり
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海洋汚染の状況
3.今後、数十年間、放射性物質と向き合わねばならない
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除染・廃棄物保管、生態系の保全 
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第二章 法令による規制値、放射線量とその影響
1.法令による規制値
福島原発事故後の対応
管理区域
2.放射線量とその影響
3.チェルノブイリ原発事故の放射能汚染のガン発症への影響
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福島における甲状腺検査&放射性ヨウ素について
第三章 原発事故による食品の放射性物質汚染とその対策
1. 食品の暫定規制値について(内部被曝を防ぐために)
暫定規制値     (2011年3月17日)
2.暫定規制値に代わる新基準作り
暫定規制値と、新基準値の2つの基準値
3.暫定規制値と新規制値の評価について
全ての食材が、法律で許可されることとなる新基準値ギリギリだったら
4.食材の規制値の考え方
乳幼児に対する食品の放射性セシウムの濃度規制と測定機器について  
5.現在、流通している食材について
6 食品からの被ばくを最小限にする方法
第四章 外部被曝と内部被曝
外部被曝と内部被曝(模式図)
1.外部被曝(体外被曝)
2.内部被曝(体内被曝)
3.主な放射性物質の違いによる被曝の特徴
4.半減期について
5.放射性物質の体内蓄積について(平衡値)
【演習】 被ばく量(外部被ばく+内部被ばく)を超概算してみよう ①②
【演習】 被ばく量(外部被ばく+内部被ばく)を超概算してみよう ③④
超概算(1日分) ①②~
超概算(1日分) ~③
第五章 放射能と放射線の基礎知識
1.放射能と放射線
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主な放射線の透過力と人体への影響度
2.放射能や放射線を理解するための単位
等価線量と実効線量
実効線量係数、ベクレル値から実効線量(Sv)を求める
3.身の回りの放射線(年間の放射線量)
身の回りの放射線(宇宙線から医療まで)
4.天然放射性元素と人工放射性元素
第六章 放射線の測定
1.表面汚染の測定
2.空間線量や積算線量の測定
4.放射線測定器の表示データについて
6.食品中の放射性物質濃度を測定するには
食品の放射線の測定 NaIシンチレ-ション(スペクトロメ-タ付き)
第七章 放射性物質から原子力発電までの詳しい知識
1.そもそも元素と原子とは?
元素と原子
原子の構造 (原子の模式図)
2. 放射性物質の壊変(崩壊)  ウラン235の自然崩壊
ウラン238の壊変(自然崩壊)
3.核分裂反応と原子力発電
ウラン235の核分裂
臨界(核分裂の続く状態)
核分裂生成物
「使用済み核燃料」の冷却 & 核分裂生成物の例
超ウラン元素について
プルトニウム239生成過程
放射性廃棄物の処理
一般的にいわれている原子力発電の長所
原子力発電の持つ多くの短所
4.原子力発電に関する科学的問題の整理
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第八章 放射性同位体を持つ元素
炭素(carbon, C)
カリウム(potassium, K)
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ヨウ素(iodine,I)
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セシウム(cesium or caesium、Cs)
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セシウムの生物濃縮
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page 10
page 11
ストロンチウム( strontium,Sr)
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プルトニウム(Plutonium,Pu) 
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 プルトニウム(Pu)の体内摂取の経路と排出
あとがき・参考文献・著者紹介
おわりに
参考文献など
著者紹介
付録 「エネルギー政策を考える千葉市民の会」のパブリックコメント(2012年8月)
付録 「エネルギー政策を考える千葉市民の会」のパブリックコメント(2012年8月) 
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「エネルギー政策を考える千葉市民の会」とは
「エネルギー政策を考える千葉市民の会」とは
わかりやすい放射能と放射線の知識~汚染食品から子どもを守る方法~
奥付
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はじめに

 これまで、国民の多くが、原子力発電は環境にやさしく、安全性も科学に裏打ちされているものと思いこまされてきました。しかし2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震による東日本大震災で、東京電力福島第一原子力発電所(以下、東電福島第一原発)はあっけないほどのもろさで、大事故を起こしてしまいました。 単に地震国ゆえに、起こるべくして起きた事故ではなく、私は、政治や行政に対する諦めや無関心、道徳心に欠けた利益最優先の経済活動に対する警告でもあると思います。

 

 私は、大学~大学院の3年間、そしてその後に勤めた東洋コンタクトレンズ㈱においての5年間、トータルで8年程、日本原子力研究所(原研)や横須賀市にある立教大学・原子力研究所の研究用原子炉、あるいは富山大付属施設のアイソトープセンター(管理区域)などで、分析や測定をしました。立教大原子炉(最高出力100KW)では、直径2m、高さ6.5mの純水プールの真上に、プラットホームがあり、原子炉を真上からのぞき込むことができました。プールの中で、燃料棒が入った炉心部に青白い光が見えるのが印象的でした。これは、チェレンコフ光と呼ばれ、水中の光速度を超える速さの電子がつくる光の衝撃波によるものです。

 

今も研究用原子炉を使用しての貴重な体験の記憶が鮮明に蘇ります。被ばく防止に細心の注意を払ったことはいうまでもありません。立教大学の原子炉棟や大学のアイソトープセンターなどの管理区域に入るには、利用者はまず所定の手続きで登録し、個人線量計を胸に付け、個人の積算放射線量を記録し、持ち物や試料などの表面汚染を検査し記録に残すなどの厳重な管理が行われていました。 

 

立教大学の研究用原子炉TRIGA-Ⅱ型は、1961年から稼動(臨界)、2001年に稼動停止、2003年に使用済み核燃料搬出、現在は廃止措置中で、解体・撤去等の準備ができるまで保安管理されている状態です。最高出力100KWの小規模研究用原子炉(40年程度の寿命)でさえ、使用済み核燃料の取り出しに稼動停止から2年もかかり、2012年まで保安管理され、2013年に施設廃止措置の第2段階の解体工事の明細書が原子力規制庁に提出されました。


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現在私は、食品関係の分野では、千葉県内の酪農協同組合の牛乳工場や牛肉事業において商品開発、品質管理、品質保証システムについてコンサルティングしていますが、放射線生物学的な専門知識もあり、2011年3月11日以降の大震災、原発事故による放射能漏れに対して的確な対応を助言できました。 

 

本書は、こうした経験を踏まえて、放射能と放射線のことを一般の人々にもわかりやすくという思いで書き下ろした解説書です。第一章から第四章は放射線被ばくを避けるにはどうすればよいのかという視点でまとめました。第四章の末尾には、読者のみなさんが日常生活で今回の事故に関係する被ばくをどの程度うけているのか超概算するための「演習」コーナーを設けました。法令で定める許容値(平常時、一般人で年間1ミリシーベルト)とおおまかに比較する際などにご利用ください。 

 

本書が、「放射能汚染」の情報を正しく理解し、的確な判断を下すことで、とりわけ未来のある子どもたちの命と健康を守ることに少しでもお役に立てればと思っています。 

 

2012年3月 

 

第五章から第八章は、より専門的に詳しい情報が知りたい方々の為に記述されています。参考書的に利用していただければ幸いです。増補として、原子力発電と福島第一原発事故後の対応について国会事故調査委員会の報告などの情報も取り入れて説明しています。

 

また、「エネルギー政策を考える千葉市民の会」として政府に提出したパブリックコメントも付録として掲載していますので、ご参照いただければと思います。 

 

岐部健生 

 

 

表紙イラスト(川本真理)


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おわりに

  

    平和利用だとしても原子力の必要性について、国民一人一人が、正しい知識と情報を基に、もう一度、真剣に考えなければならない時期なのではないかと思います。 電力(発電・送電)事業のあり方、効率的発電の推進、自然エネルギーの利用など、エネルギー政策のあり方そのものを、自分たち自身の問題として考え直してみるチャンスだと思います。

        

  難しいことはわからないとそのまま放置すれば、また同じような危機(放射能漏れ)が起こらないとも限りません。最後に、本書を出版する機会を与えてくださり、著作に際してアドバイスを 頂いた「エネルギー政策を考える市民の会」の皆さんに深謝します。また、仕上げの校正など協力してくれた家族にも感謝します。

 


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著者紹介

 

 岐部健生理学修士)

 

1956年、大分県生まれ。1974年、富山大学文理学部理学科生物学専攻に入学。富山大学大学院理学研究科修士過程修了、専門環境生物学(放射線生物学・発生生化学等をバックグランド:指導教官の道端博士は、メダカを用いて生殖細胞に及ぼす放射線影響の研究で学位を取得されています。) 1980年、東洋コンタクトレンズ㈱入社、液剤開発や安全性の研究に従事、高い酸素透過性のコンタクトレンズの酸素透過性の可視化実験を材料のプレートで密封したヒメダカの飼育により実現(日本コンタクトレンズ学会誌で発表)、高含水ソフトコンタクトレンズ用の洗浄剤や保存液(点眼薬並みの高い安全性を要求)の開発では特許取得。退社後、基礎化粧品・健康食品等の開発研究、1990年渡米、商品開発や品質保証システム(HACCP・GMP)のコンサルタント経験、1993年帰国。片山事務所主任研究員として、洗濯用石鹸や台所用石鹸の製造で特許取得、小規模福祉作業所で商品開発・品質管理、生協(東京都)や酪農協(千葉県)で品質保証システム構築・維持改善などコンサルタント活動。

 

2000年に起きた雪印集団食中毒事件の後、「牛乳問題を考える」- 日本獣医畜産大学主催・養賢堂共催公開シンポジウムにて「HACCPによる牛乳工場を考える」と題して講演、畜産の研究55巻に掲載された文献は、その後のHACCP等の品質保証研究の引用文献となっています。昨年の東日本大震災以降、「エネルギー政策を考える千葉市民の会」の活動に参加しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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「エネルギー政策を考える千葉市民の会」とは

  

 2011年3月の東京電力福島第一原発事故をきっかけに、次の2つのことを目的に2011年4月1日に設立した市民グループです。

          

① 原発事故による放射能汚染から乳幼児、子どもたちの健康を守ること

                        

② 原発震災を二度と繰り返さないために「脱原発」を実現するとともに、エネルギー多消費型の社会を見直すこと

                            

 今まで、環境放射線量率の計測を行い、千葉県、千葉市、東京電力と交渉を重ね、政策提言などを行っています。

 

 

 

 

 



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