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お祝いムードに水を指す

 九月八日、二〇二〇年オリンピック開催地が東京に決まると、日本中は歓喜の渦に包まれた。これまでどこか冷ややかに開催地立候補を眺めていた人たちでさえも「決まったからには、いい五輪にしよう」と思い直し、「五輪より復興」の声も「五輪を起爆剤に復興を加速しよう」との意見に諌められているという状況だ。

 全くもってその通りである。将来のことと言えば「少子高齢化が加速」「年金不足」「人口減少」とマイナスの材料しか挙がらなかった昨今、ひとまず七年後に日本を舞台にした大きなお祭りが開かれる、そのための準備を進めよう、との将来に向けての明るい話題が登場しただけでも、日本にとってどれだけプラスになるだろう。

 このお祝いムードに水を差す気は全くない。「二〇二〇年東京五輪」を、開催前から開催後まで「日本人と世界の未来にと平和に資する」ものにするために、できることをしたい。だからこそ、「この機に乗じて」行われようとしている様々な「黒い思惑」が蠢いていること――しかもそこには常に韓国の影がまとわりついていることは、指摘しておく必要がある。

 お祝いムードに真っ先に冷や水をぶっかけたのは、ほかならぬJOCだった。

〈日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長と韓国オリンピック委員会(KOC)の金正幸会長は九日、ブエノスアイレスで会談し、韓国で開催される二〇一八年平昌冬季五輪と二〇年東京夏季五輪の成功に向け、全面的に協力することで合意した。〉(九月十日、産経新聞)

 この報道に日本のネットユーザーたちは猛反発。韓国と関わるとろくな目に遭わないという「Kの法則が発動する」と騒ぎになった。

 そもそも、韓国でネット工作などを行っている市民団体「VANK」は盛んに「東京落選運動」を展開していた。IOCや欧米メディアに対する「日本は人種差別国家」との告発文送りつけるなどしていた。

 韓国政府までもがそれに呼応したかのように、今頃(九月六日)になって、放射能を理由に「日本産海産物禁輸」を宣言。東京より放射性物質数値の高いソウルで暮らしているのだから問題ないと思うし、その論理で行くと、平昌冬季五輪の開催も危ない。要するに「日本は汚染されている」「五輪にふさわしくない」と印象付けるためだろう。

 ともかく再三にわたる落選活動のかいなく開催地が東京に決定。だが彼らはあきらめず、「東京五輪ボイコット」を主張する書き込みを続け、さらには「日本人観光客殺害予告」をするに至り、日本の旅行業者が「韓国への渡航に注意」と勧告する事態に至った。

 もちろん、これは韓国人の中でもごく一部の過激派の主張ではある。だがむしろ日本としては「相手も東京五輪を歓迎していない。協力は不要」と利用したいところだ。「韓国との協力など、こちらから願い下げだ」と言いたくもなる「前科」が、韓国には山ほどあるからだ。


W杯「日韓共同開催」の悲劇

 真っ先に思い浮かぶのは〇二年のサッカー・ワールドカップ日韓共同開催だ。あの時は日本の単独開催でほとんど決まる寸前に、共同開催に持ち込まれた。

 この大会は韓国側の会場や選手宿舎の設備不良もさることながら、審判の買収などにより「史上最低のワールドカップ」とさえ言われている。この時は比較して「日本の環境は素晴らしかった」と言われたものの、払わされた代償は大きい。

 F1の韓国グランプリ(GP)などはもとより開催する資格がなかったことを問うべきだろう。まず木浦にあるF1会場の設営が間に合わず、韓国軍を投じるなどし、見かねたドイツ人設計者が母国から作業員や機械を提供。

やっとこ開催するも、コースの整備不良で事故は多発するわ、宿泊地はラブホテル同然で飯はまずいわ、観客は来ないわ。欧米のメディアも、選手たちも総スカンで「このスポーツで最低の開催地という投票は存在しないが、木浦は最有力候補だ」と述べたジャーナリストもいたほとだ。

 ワールドカップが行われた〇二年は九七年の経済危機を乗り越えてすぐの時期だったが、F1は一〇年から開催。ここ二、三年の話である。そして早くも経営破綻で消滅寸前だという。

 そして一八年の平昌冬季五輪も、早くも黄色信号の情報が報じられている。そもそも会場となっている平昌は雪がなく、韓国内には他に高い山がないので雪を調達できない。

〈(冬季五輪種目の)競技人口の少なさや環境整備の遅れはある意味では折りこみ済みではある。降雪量なども、IOCは現時点ではそれほど問題にしていない。公式的には準備も順調に進んでいるとされ、八日のIOC総会での途中報告も委員たちから及第点を受けた〉(J―CASTニュース)と報じられているが、代替地を探しておいた方がいいのではないか。

 このように、協力も何も、韓国は自国開催すら満足に運営しきれるか分からない。このままでは「協力」の名のもとに一方的に日本が資金、技術、経験その他で「全面的に支えてやる」ことになりかねない。日韓の「支え合い」ではなく、韓国が一方的に日本の「おんぶに抱っこ」になることが懸念される。

「貸した金は返さない、もらった恩も返さないのが親愛のしるし」との価値観を韓国人は持っているとも聞く。せっかくの「東京五輪決定」の晴々しい気持ちに暗雲が立ち込める。


ハングル看板、増加中

 五輪決定直後には、こんなニュースも流れた。

〈会談で猪瀬知事は、オリンピック開催に向けて、これから多くの外国人観光客が日本を訪れるとして、道路や鉄道の案内板、レストランのメニューなどについて、英語や中国語に限らず、フランス語やアラビア語など、より多くの言語で表記するため、各業界の代表を集めた協議機関をつくることを提案した。

 これについて、安倍首相は「非常にいいと思う。まさに世界の東京になっていく、大きなきっかけになる」と応じ、政府としても前向きに対応する考えを示した。〉(九月十一日、FNN)

「五輪」ということに限ればこれもやむなしと言ったところになるのだろうか。だが今でさえ、都内の地下鉄各駅などでは「日本語、英語(ローマ字)、中国語、韓国語」表記を見かける。

 いくら観光地であっても、通常は現地語、英語がせいぜい。フランスやイタリアに日本語や中国語、ましてやハングルの看板があるだろうか。四カ国語もの表示が〝基本〟になっている都市などないだろう。

 品川駅をご利用の方は、京急線の電光掲示板にハングル文字が表示されているのを見て、戸惑った経験をお持ちではないだろうか。少数の韓国人に配慮したおかげで、日本人が見ても、乗るべき電車がパッと判断できない状況になってしまっている。少数の観光客への要らぬ配慮のおかげで、大多数の日本人が不便を被る。本末転倒とはこのことだ。

 すでに「韓国語(ハングル)」については都内では表示するのが一般的になりつつある路線や場所もあり、羽田・成田へ向かう急行電車でも、日本語、英語に続いて中国語、韓国語の車内アナウンスと表示が行われる。都内デパートのトイレなどの案内でも英語、中国語に加えてハングル表記を見かけるようになった。


ハングル増殖に「税金八億円」!

 だがこれは「韓国人のゴリ押しがあってやらざるを得なくなった」と、一概にはいえない事情がある。ワールドカップ日韓共同開催を契機に徐々に増え始めたが、さらに第一次安倍政権時代の〇七年、政府は「観光立国推進基本法」を制定。観光を日本の産業の一つの柱とし、「住んでよし、訪れてよし」の国を目指すための法律だ。

 概要には「観光旅行の促進のための環境の整備に必要な施策を講ずる」ことが盛り込まれており、その一環として「ハングル表示」も急増したのである。しかし「ハングル表示を増やせば韓国人観光客が増える」のだろうか? 違う魅力を「売り」にした方がいいのではないか。

 また、観光基本法では「地元の観光地の振興で郷土愛も根付く」と掲げているが、英語(ローマ字表記)はまだしも簡体字やハングルだらけになった看板を見て愛郷心は芽生えないだろう。

 復興予算がこのような駅名表示の変更にかかる費用に流用されていたとの事実もある。「復興で落ち込んだ観光客誘致のため」ということだが、その予算、八億円。しかもほとんどが被災地以外の地域に使われている。『あの金で何が買えたか』という村上龍氏の著作を思い出す。

 外国を訪れれば、目に入る文字も、聞こえてくる言葉も母国語とは違う。そこに異国情緒は生まれるのだし、ガイドや旅行会話本を片手に片言の現地語で現地人と会話したり、苦労してやっと頼んだ食事のオーダーが、来てみたら思っていたのと違っていたり、そういう「異文化体験」こそが、旅の醍醐味のような気がする。

母国語の標識にしたがって、淡々とスムーズに五輪観戦や観光をこなすことが、必ずしも絶対善ではない。

 さらに大きな懸念は、「観光客対応」で雇われるのが外国人労働者になるのではないか、ということだ。

 すでにして都内では中国人、韓国人と思しき飲食店やコンビニの店員が激増している。新宿歌舞伎町にほど近いある名門うどん店では、昼も夜も女性ウェイターは中国人になってしまった。この界隈には中国人の団体観光客が多いことも、雇用の理由になっているだろう。

 レジからは中国人女性店員同士が中国語で会話しているのが聞こえてくるし、「オマタセシマシター」と片言の日本語でうどんを運んでくる。日本人が日本で日本食を食べているのに、異国情緒を味わってしまうという不思議な現象が起こっている。

 中国人からすれば、同じ中国人に日本で接客されることになる。確かに意思疎通にはストレスはないだろうし、一人二人、外国で頑張っている同胞に出会うのは嬉しいものだ。

 しかしせっかく日本に来たのに、どこもかしこも自国語の看板だらけで、自分と同じ国の人間が同じ言語を使って接客に応じるとしたら――これが果たして「おもてなし」なのだろうか。

「せっかく日本くんだりまで来てくれるのだから……」という「せっかく主義」がもたらす弊害には目を光らせておく必要があるだろう。


一見無関係のところにまで……

 さらには一見、韓国とは何の関係なさそうなニュースにも、韓国の影は潜んでいる。

〈政府のアイヌ政策推進会議(座長・菅義偉官房長官)が十一日、札幌市で開かれ、アイヌ文化振興の拠点として「民族共生の象徴となる空間(象徴空間)」を、二〇二〇年度に北海道白老町に開設する方針を決めた。アイヌ文化を総合的に展示、研究する「国立博物館」をはじめ、伝統的家屋群、アイヌ工芸の工房などを整備する。

 菅氏は会議であいさつし、「東京五輪の前に(象徴空間を)完成して、海外の人にもアイヌ民族、先住民族をしっかり守り、政策を推進している姿を見てもらう機会にしたい」〉(九月十一日、朝日デジタル)

 なぜ五輪に向けて北海道にアイヌ博物館を建てる必要があるのか、まずそこからしてよくわからない。しかもすでに北海道白老町には「アイヌ博物館」が存在している。これに手を入れて改装するのか、新設するのかこの報道からは定かではないが、「国立博物館」というからには、建設費用は国、つまり税金から出るのだろう。

 だがアイヌ政策推進会議の「関連団体」とされている北海道アイヌ協会は税金の使い道でこれまで再三にわたり問題を指摘されている。修学資金貸付制度、職業訓練事業、住宅購入資金といった「個人」に向けたものはもちろん、伝承文化活動事業でも不正経理問題が続発している。

 これらの税金の不正取得には在日韓国・朝鮮人らの影がちらついて……いや、ズブズブの関係にあるとの指摘もある。アイヌ協会と補助金問題を追っている砂澤陣氏はこう述べている。

「同和政策と旧土人保護法を研究しアイヌ政策の要求を巧みに行い確実にその範囲を広めているばかりか、従軍慰安婦問題や在日朝鮮人の運動とも深くリンクし、人権擁護法案・外国人参政権にも密接に関係している。アイヌ政策推進審北海道議会連盟の設立はそれを間接的に後押しするに過ぎない。

年々広がるアイヌ政策が全国展開されれば間違いなく、慰安婦問題や南京問題など遠く及ばない負の歴史を日本に展開する事になる。(アイヌによる)自治区の要求や天皇陛下の謝罪要求は決して馬鹿げた非現実的要求ではない。」(砂澤氏のブログより)



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