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算命学余話 #U29 (page 1)

 前回No.478の記事のアクセス数がいつもの三倍にのぼったので、多分後半部分のインパクトが大きかったのだと思います。この記事から増えた読者と減った読者が半々であれば良しとしましょう。獣木野生は自作品を「口の悪いキャラばかり」と称して独自のシナリオを展開しておりますが、たとえ口が悪くとも真実を突いたセリフは説得力があり、笑えます。もちろん私も笑える記事として書いたつもりです。そうでなければもっと痛烈な批判調の文面になったでしょう。

 

 昔、会社に勤めていた時、コネで入ってきた中国人新卒社員Xの教育を任されたことがあった。そのXは日本の某有名大学を留学生の身分で卒業し、そのまま日本に居ついて稼ごうという、身なりだけは良い小娘であった。私の専門はロシア語だが中国語もできるので何となく任命されたのだが、私は中国滞在経験以来、中国人に対してモラルの点で良い印象を抱いていない。Xがそうした中国人の典型であることは数回対話しただけで看破できたが、まともに仕事ができるようにあれこれ注意しても返事だけして聞き流すか、言い訳を連ねるばかりなので、いい加減痛めつける必要があった。「暴力的なフリス」である。

 武道家である私は礼儀をわきまえて、Xに対する警告文をこちらが有利になる日本語ではなく、相手が有利になる中国語でもなく、中立的な英語で書いた。しかも相手の英語力がどの程度か不明だったので、どう読んでも読み間違いのないよう初歩的な単語を連ね、なるべく単文に徹し、婉曲表現などレトリックを排して明瞭な文章となるよう工夫して、得意でもない英文を仕上げ、さっさと帰宅したXへメールして自分も帰宅した。CCを上司に落としておいた。

翌朝出勤すると上司が困った様子で走って来て、「宇宙人さん、ちょっと」と廊下へ呼び出した。私の書いた警告メールを朝来たXが読んで、今泣いているという。「また仕事もしないで金だけもらおうって魂胆ですね」と腕をまくってヤキを入れに行こうとする宇宙人を上司は押し止め、「あのメール、キツイよ」とおずおずと宇宙人を非難する。「ああ、読んで頂けたんですね。よかった、英語は得意じゃないから通じるか心配だったんです。ちゃんと通じたんですね」「通じすぎです」

 結局Xは私の手に余り、他の社員からもクレームが出ていたこともあって邪魔にならない部署へ異動となったが、後に会社が傾いた時に真っ先にリストラされていたから、その後誰の目から見ても役立たずの性悪女だったことが知れたようだ。私の目に狂いはなかった。

 

 私はロシアにいた時はロシア語で、中国にいた時は中国語で、それぞれ現地人を相手に論破した経歴があるくらいだから、何語で話しても言葉が鋭いのです。もちろん相手を言葉で負かすにはこちらが正論を吐かなければならないから、最終的に道徳性や判断力が物を言うのですが、言葉がカミソリのように鋭い、というのは算命学でも宿命の影響と捉えています。

 言葉というのは伝達能力に属するので、人体図の腹部に当たる伝達の場所に何らかの鋭利な作用を見て取るか、或いは人体図右手の行動の場所に鋭い伝達を意味する星が来ているか、などその作用を引き起こすタイプや組合せはいくつか考えられています。

 私の場合は人体図にはどちらも現れないのですが、陰占の方で月干に庚というずばり刃物が透干しており、月干は人体図の腹部に通じるため、「普段は鞘に収まって見えないが(陰占)、必要に応じて表出する(陽占)刃物」が言葉に乗って出てくる、という見立てになります。また私は生月中殺でもあるので、この刃物は本人の思う通りには振り回せていません。本人が考えている以上に人を傷つけることも、人に力を与えることもできる、という見立てになるのです。刃物というと物騒に聞こえますが、庚は文明の利器を表しており、人の役に立つのも害になるのも使い方次第です。

 尤も、庚を月干に持っている人が必ずこうなるというわけではなく、日干や月支との関係によっては現象が出ないので、短絡的には考えるのは危険です。

 

 さて今回の余話は、前々回#U27に「刑」の人に対して警告する内容を書いたばかりに刑を持つ人を悪者扱いする読者が現れたため、この安っぽい思い込みを打ち砕くべく、「刑」があっても真っ直ぐな人格を維持しているあるタレントの宿命を採り上げてみます。

 刑の「礼節を欠く」という負の現象を抑える手段については既に#U27に書いた通りですが、このタレントは思春期前に両親が離婚し、どちらの親とも離れて成育し、宿命には生貴刑と二重中殺があり、これだけ聞くと人生を誤っていても不思議ではありません。しかし私は本音トークを生放送する某番組を支持していて、そこで彼をよく見るので、そのあまりに真っ直ぐな発言にしばしば驚くことがあり、先日たまたまその半生を描いた番組を見かけ、なるほどそういう事情であったかと心に響くものがあり、もしやと思って宿命を見てみたところ、見事に刑も中殺も逆手に取った生き方を、もちろん無意識に獲得している人だと判ったのです。

 私はこのタレントのファンでもないし、あまり生きている人の宿命は公開しないようにしているのですが、とてもいい宿命消化の例として肯定的に解説したいと思います。刑や中殺を持つ人にとって参考になるかどうかはわかりませんが、どんな宿命であっても生き方次第で人生を陽転させることができるという例は、「自分は刑がない、あいつにはある、だから自分はあいつより優れている」という頭の弱い人たちの勘違いを大いに打ち砕いてくれるでしょう。


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最終更新日 : 2013-11-14 15:29:00

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