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堕ちゆく涙

 

 

君の声が聞こえた幻想は何かの間違いだった 

なぜそんなに変わってしまったの?

時代の荒波に揉まれたまま 

君は沈んでいった 

差し出した手を掴もうとしなかったのは 

僕だけじゃなく君も同じだった 

 

 

堕ちていくその笑みさえ嘘なの?

本当は心の中で 

勝ち誇ったつもりになって 

涙はまだ枯れる事を知らないのに

君はそれを見て見ぬふりする道選んだ 

 

 

醜い破片がその心を痛々しく彩っている 

その痛みに狂おしく笑う君の姿は 

もうあの日々は夢の中の夢だったと 

悲しく伝えた

 

 

音もなく終わりを告げたけれど 

もう祈る事さえ叶わないほど 

君は遠くに行ってしまったんだね 

それは永遠の眠りよりも 

長く長く 遠い遠い旅路 

 

 

もうあの日には戻れないんだね 

あの頃の君はもういないんだね 

大きく手を振る事さえできずに 

流す涙も切なくて 

ねえ今僕が君にできる事は 

君が滅びて行くのを見守る事だけなのかな 

壊れていくのを見守る事だけなのかな

 

 

 


vexation

 

 

激しく鍵盤を叩くような雨音が 

君の悲しみを奏でているようだった 

何がそんなに悲しいの?

嘆いた先に見えるものは

明るいものだっていうの? 

嘆きのための嘆きなら 

何の役にも立たない 

 

 

自分で立ち上がる事もせずに 

ただ手を引っ張って 

駄々をこねる子供遊びはもう終わりにしよう 

君の足は君自身でしか動かせない 

君の心は君にしか変えられない 

それを知ったまま君は 

すべてを人に委ねて壊れた

それを知らないまま君は 

鏡を見つめる事を拒み続けてる 

 

 

ねえ いつまでそうやって

虚像にすがりついてるつもり?

すがるものが亡くなれば 

またそうやって涙するの? 

泣きさえすれば また誰かが助けてくれると

まだ君は思ったまま 

そうしているうちに君の足元はぬかるんで 

もう二度と元の位置には戻れない 

 

 

君はそれに気づくまで自分を傷つけ続けるの?

そうやって自分を傷めつければ

誰かがその痛みを拭ってくれるとそう思ってるの?

 

 

君の痛みは 

君にしか分からないっていうのに

 

 

 

 


my fist

 

 

混沌とした渦の中に 

巻き込まれたのは僕じゃなくて君でした 

 

 

最初出会った時 

君が誰かに手を伸ばしているように見えた 

僕に手をのばしてくれた気がした 

でも違ったんだね 

他の誰かも君と一緒に

その混沌に飲み込まれれば怖くないからって 

そういうことだったんだよね 

君はまるで他人が持っているものを

すぐに欲しがる子供のように

「欲しい」と言った 

君らしいよね 

 

 

でもそれってどこまで儚くて

小さな考えなんだろう 

それに気づいて僕は 

君の手から逃げて

自分のこの手信じることにした 

私はこの場所で詠い続けるけれど 

君の声はやがて遠くに聞こえなくなり

消え去ってしまうだろう 

それを切なく思う事さえ 

もう許されない 

 

 

君自身がそれに気づいた時 

すべてが手遅れになっている未来は 

私の目にさえ触れる事はないまま 

どこかになくした探し物のごとく 

いつまで経っても見つからない 

そのうちに忘れ去って 

僕はこの道で

どこまでも続く青い空見上げるのだろう

 

 


0章

 

 

他の誰かのために歌い続ける君は 

心からの幸せを今味わっていますか 

それとも今この場限りの快楽に

おぼれているのですか 

どちらだとしても私には関係がないし 

声はもう届かない 

 

 

その笑顔は心からのものですか 

それともただ表情が笑顔形作っているだけなのですか 

どちらにしても私にはもう関係がない 

君が選んだ道ならば 

気づかないままでいる事も

また選択なのだろう 

 

 

そう思うしかない 

君のすべてはまるで分からないから

 

 

君の心に今もまだ何かは残っていますか 

本当に大切な人のために歌っているのなら 

それもまた君の道なのだろうけれど 

もしそれさえも不完全なまま 

人の耳には沈黙でしかない

その遠吠えを続けるというのなら 

哀れだというほかありません 

 

 

誰かのためにうたうのなら 

それが例え間違った目的でも 

それなりの信念を持って伝えようとしなさい 

それさえできれば 

君は綺麗に壊れる事ができるというのに 

君は壊れることさえ不完全なまま

不協和音を鳴らす

 

 

 


夢幻(むげん)

君が奏で続けていた音は

すべて嘘で塗り固められていたっていうの?

その嘘は今君を苦しめているのか 

それともそのことに満足げな顔さえしているのか 

私にはまるで分からない 

 

 

良心の呵責なんて言葉 

もう君の辞書からは

完全に削除されている事でしょう 

高笑いさえ聞こえそうな君のはずなのに 

君の心に殺風景な木枯らししか吹いていないのはなぜ 

今幸せなはずでしょう?

それなのに君の心に映るものと言えば

どこまでも続く砂漠だけ 

そこで無邪気に喜んでいる君を見ていると 

全て終わって

もう行きつくところに行きついてしまった感さえある 

 

 

幻に幻を重ねて 

たくさんの命に

涙に涙を畳みかけるようにする君の音は 

君の心が呼んでいる道連れを思わせる 

 

 

だからどうか 

君一人で土に還って 

君一人であの暗闇の世界に帰って 

今すぐその手すべてを離しなさいと君に言ったら 

悲しく鼻で笑うのだろう 

その頬に涙流れても

もう泣いている事にさえ気づかない                                                            

もう自分がなぜ笑っているのかさえ分からない 

 

 

そんな君になってしまったから 

君が君自身に飲み込まれる音は 

残酷すぎて耳を防ぐ事しかできないほどだった 

君はもう悲しみも悲しみと

感じられなくなってしまっている事でしょう 

憎しみとは何かさえ

忘れ去ってしまっている事でしょう 

 

 

憎しみや悲しみでさえ分からないのに 

愛なんて分かるはずがない 

あなたはまだ覚えていますか 

まだ人として生きていた時の事を 

悲しくて涙できた日の事を 

誰かのために怒る事の出来た日の事を 

 

 

君の心にはもう触れる事さえ許されない 

誰一人として… 

君の心の鍵は 

君の持つ闇に焦がされ溶けていった 

 

 

君は君自身の手で 

最後の頼みを断ってしまった 

その先にあるものは 

君自身が一番知っているはず 

大切な何かをすべて

どこかにまとめて置いてきた君には 

もうすべてが届かない 

君の高笑いが消える頃 

君の砂漠は岩場になり燃える

君は君自身の地獄から

逃げられずにおいてけぼりのまま 

自分が泣いていることにさえ

気づかないまま事切れる

 

 



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