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『彼岸花に誘われて』

   『彼岸花に誘われて』


 彼岸花に誘われて いってしまった貴女の手の温もり
空に手を伸ばせば感じるよ 見えない星と握手して
貴女の手の感触思い出す


 彼岸花に誘われて いってしまった貴女の優しいその目
黄色の鈴見れば感じるよ 小さな目と睨めっこ
貴女の目の色思い出す


 彼岸花に誘われて いってしまった貴女の冷たい言葉
氷に触れれば感じるよ 冷たい氷と言葉遊び
貴女の言葉が突き刺さる


 彼岸花に誘われて いってしまった貴女への恋心
感じることは二度とない 彼岸の花を一人摘む
貴女への想いが芽生えぬように

 

 


『彼岸花に誘われて』成立経緯

   この詩を書いた経緯

 

 この詩は、僕の幼馴染への詩です。僕が中学一年生の時、あの子は中学三年生でした。貴女、とあるので女の子ですよ。その子は、言うなれば永遠の十五歳。もう二度と歳をとることはないのです。

 

 そう、天国へ旅立ってしまった幼馴染への想いを綴った詩です。最近になってやっと、幼馴染のことを思い出したり、誰かに話したりするということが出来るようになり、あの子が好きだった詩を書くことで、弔いにしたかったのです。

 

 これが、この詩を書いた経緯であり、この詩集を作った経緯です。
 彼岸花に誘われて天国へと旅立ってしまった貴女への、想いを閉じ込めて、大切な人が居なくなった虚無感を誰かに伝えたかったんです。

 

 大切な人、いますか? いるのなら、本当に大切にしてください。いつ、いつ、いなくなるか、わからないのですから。


『狼煙みる』

   『狼煙みる』

 狼煙見る 真白の服の袖口の 君のおもいで 失せるものかな


『狼煙みる』成立経緯

   経緯と解釈

 

 この歌を作った時は、下校中でした。僕が通う道というのは農道なので、夕方になると狼煙が上がるのですよ。その狼煙を見て作った歌なんです。
 そして、ある友人に嫌われた時でした。その友人はとても大切な人で、僕の制服の袖をいつも、よく掴んできたんですよ。可愛いでしょう? 女の子です。


 そんな子との思い出が、袖口を掴む君の手の重さと一緒に狼煙のように消えていくのだろうなあという意味で作ったものなんですよ。
 なんかこの歌は、歩いていてすぐに浮かんできましたね。まるで天から降ってきたかのように。それだけ思いつめていたのでしょうけど。


『カリカリ』

   『カリカリ』

 

 カリカリと紙をたたく音
みんな下を向き仏頂面
時には顔を上げる
時の流れの速さを実感するために

 

 カリカリと紙をなぞる音
みんな首を傾げ思案顔
時には紙を破く
自分の答えを見つけるために

 

 カリカリと頭をかく音
みんな必死そうに早足だ
時には足を止める
自分の道を振り返るために

 

 カリカリと命をつなぐ音
みんな息を荒げている
時には目に雫がたまる
新しい命を歓迎するために

 

 カリカリと命をけずる音
みんな笑顔でありがとう
時には思い出して
私がここに居たことを



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