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算命学余話 #U23 (page 1)

 前回の余話では「侮光(ぶこう)」という専門用語に触れました。侮光は火性にのみ該当する現象で、太陽などの強い火が近くにある場合、弱い火がいくら輝いても強い光に呑み込まれてしまうという意味があります。仮に太陽が二つある場合でも、強い地支に支えられた太陽によって弱い地支に支えられた太陽は侮光されます。宿命内に侮光がある場合、侮光の現象を抑えるためには、強い太陽の地支を冲動など強力な衝撃で揺さぶるのが効果的です。

 といっても冲動を意図的に操作することはできないので、後天運で巡ってくるのを待つしかなく、根本的且つ恒常的な解決策にはなりません。こうした場合、その太陽を宿命内の人物として置き換え、穏当なところではその人物から離れて暮らすとか、その人物とは違う分野で活動するとか、その人物に病気になってもらうとか、既に高齢であるならぼちぼち死んでもらうとかして、こちらに対する実効支配力を削げば侮光は緩和できます。

 

 口の悪い鑑定師はしばしば「この人が死ぬのを待ちましょう」とかシュールな助言をしたりしますが、宇多田ヒカルさんのように母親への詩を綴った歌までリリースするほど母親に愛着がある場合は、こうした助言は効果的とは言えませんから、「距離を置きましょう」とか「かぶらない分野で活動しましょう」とかいう穏当な方向を提示することになります。

 もっとも、前回書いたようにヒカルさんは宿命内に太陽があるわけではないので、彼女を中心に見た宇宙の中にもともと侮光は存在していません。そういう意味ではヒカルさんは単独では親の陰に隠れる人ではないのですが、それ以上に太陽を3つも抱えた母親である藤さんが自身であまりにも強烈に輝くので、藤さんの宿命内で侮光された夫と家系(家庭)の巻き添えを食った形となりました。算命学では30歳の納音(なっちん)までに親離れできないと一生親離れできないと考えていますから、篝火であるヒカルさんが藤さんの強烈な宿命から脱出して輝くにはこの機会しかありませんでした。

 

 侮光は火性の性質について理解しやすい顕著な例ですが、金性や土性など他の五行にも侮光のような性質があるというわけではありません。五行が互いに等しく相関関係にあるといっても、五行そのものの性質は異なるので、相対的に見たパワーバランスは同じでも作用の形態や現象は異なります。今回はこうした異なる作用を起こす五行の性質の違いについて、自然現象を基に考えてみたいと思います。


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最終更新日 : 2013-09-16 08:04:27

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