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アナタのために〇〇〇〇〇ループ <3.11シリーズ Ⅳ+2>

アタシっ!見習い魔女の、キキ・カン・リー、だヨォ~ッ!!

「キキ」って呼んで、イイからね~っっ♪

 

 

おやおや~?アナタとお話しするの…これで三度目だね~っ!

今回も…穴あき鍋の、その後のお話なンだけど、サ……

スケールがさぁ、ワールドワイドになっちまった、かも…なんダヨねえぇ~???

 

…え…?タイトルの”〇”が、いつもより一個多い…?うわぁ~よく、気付いたわネ~〇 

追々…その理由も、判ってくると思うわよおォ~〇〇〇〇〇

 

 

 

穴があいて、ダダ漏れの鍋の水…。桶に汲み取って、溜めてたんだけど…さぁ…。

桶の数には限りがあるしぃ…全部、汲み取れなくて、地面に染み込んじゃってる?…だしィィ~~~。

アタシん家の敷地外にも、流れ込んでるみたい、で…ご近所から、苦情が出そうな気配…なんだあぁ~。

…コ・マ・ッ・タ・ネ…。

 

 

こういう時の、対策は二つ~。

ひと~つ!誠心誠意、全力で問題に立ち向かい、解決を模索し実践するうぅ~!

ふた~つ!!逃げの一手で、目新しい話題を作り、ご近所の気を逸らすうぅぅ~!!

…とりあえず、胡麻菓子でも焼いて…ご近所に配ろうかしら、ネ~~~。

 

 

 

そんなワケ、で…誤魔化しの魔法をかけながら、ゴリンゴリンと胡麻を擂っていたら…遠くから…変な歌声が、近付いてきたのョ…。

 

 

♪~廃炉の汚水は ざぶざぶ流る

  岸の遮壁や 港湾越えて

  誘致めでたく うつくしの国

  五輪五輪と さざめく如く~♪

 

 

歌っていたのは、フワフワと宙に浮いて、移動する、男…。

 

キキ「いまの…元歌は”春の汚川”…もとい、”春の小川”…でしたっけ?」

浮男「1912年版※著作権消滅済、ですよ」

キキ「ああ…それで!流る~とか、如く~とか、聴き慣れない歌詞なワケ、で…」

浮男「はい。ところで…ワタシの名は、マサ…」

 

 

咄嗟にブン投げた擂り粉木は、男の口腔に、スッポリ…と、填まったワ。

 

キキ「そ…そこまでえ~っっ!!その後に…A~とかKI~とかRA~とか、27号…とか、続けないでえぇ~~~」

マサ…「………ムグムグ……」

キキ「その名は禁句…ああっ?!名前ネタは…この作者、使用はこれで三回目だわ~っ!!」

マサ…「…グムム…ムウゥッ」

 

著作権に触れそうな話はナシ…ってこと、で……。

男は、首を縦に振って、答えてくれた…。

 

 

 

マサ…「あなたは…暗渠って、知っていますか?」

キキ「アンキョ…?孫がやると、ジジババが手を叩いて喜ぶという…」

マサ…「それは、あんよ…」

キキ「豆と砂糖を煉って作る…」

マサ…「それは…餡子!…暗渠とは…東京ゴリンピックの際に、生活廃水などで、ドブ化した小川を隠すために…小川の上に蓋をして、都市の体面を整えた方法…って言えば……分かる、かな?

キキ「臭い物には蓋…ですかあぁ!」

マサ…「先ほど歌っていた”春の小川”のモデルとなった河骨川も、暗渠化された小川の一つ…なんですよ…」

 

なるほど…今も昔も、見ない、見えないフリ…が、横行してたってワケ、なのねえぇ~。

 

マサ…「あなた…汚水漏れを、ゴリンゴリンで、誤魔化そうとしている…のでは?」

キキ「縄文式ドキドキッ!」

マサ…「とりあえず…の、桶なのに…それで、長期間の汚水保管を、目論んでいたり…して…」

キキ「弥生式ドキッ!!」

マサ…「でもって、今回は…東京全土を暗渠化しよう、なんて…考えていません…か……?」

キキ「埴輪勾玉ドキドキィ~ッッ!!!」

「……それ……著作権に触れませんか……」

「……スイマセン…元歌が”東京~”なンで……つい~~~♪」

 

 

「フォアァァーーーーーッッ!!!」

 

その時、遠くから声がして…港湾沿いに停めてあった、クローラークレーンのジブマストが…ゴルフボールの直撃で、ポッキリと折れるのが、見えた…の…。

兆弾は、傍に建っていた排気筒に食い込んで…止まったみたい…だったわ。

そして…声と、ボールが飛んできた方角から…白い防護服と全面マスクの集団が、近付いてきたの……。

 

赤メットの男「いい具合に、クレーンに当たりましたねぇ~。あのまま飛んでいたら、海ポチャ…でしたなあぁ~」

お付きの者「兆弾で…排気筒に亀裂が入りました、けど…まぁ…大丈夫でしょう」

赤メットの男「それにしても、ここは面白いコースだねえぇ~。グリーンあり、バンカーあり、断層あり…ウォーターハザードなんか、いたるところに点在してるじゃないか…。次は、あのタンクを狙って、打ってみるかなあぁ~!」

お付きの者「お…お止め下さいっ!緑色の場所は、放射性物質の飛散防止剤散布の跡…ですしっ!水溜まりは本物のハザード…危険区域…漏れた汚染水ですっ!!港湾内も、高濃度汚染で、駄目駄目ですよーっっ!!!」

赤メットの男「…港湾外なら大丈夫なの?この白い服、暑いし…脱いで、泳いじゃおうかなぁ~っ?!」

お付きの者「あ…安部…」

赤メットの男「字が違うーっっ!!!」

 

アタシん家の庭を横切りながら、マサ…宙に浮いた男、を横目に見て…

「厳しい業務ではあるが、日本の未来はみなさんの双肩にかかっている!」…と、赤メットの男は、ラテラルな檄を飛ばして…水に濡れないように注意しながら…通り過ぎていったわ。

 

 

「救済処置…本当に出来るのかしら?…溶融デブリがある、ホールの場所も…判らないってのに…」

アタシは…首をかしげた。 

「お・も・て・な・しぃぃ~~~っっ!!」

赤メットの男の声と、ゴルフボールを打つ音が聞こえ…次いで、海面に、飛沫が上がって…

「落下地点、北側放水口!一日計約600億ベクレルを外洋に放出中ーっ!!

…救済は…不可能と判断しますぅーっっ!!!」

お付きの者の、声を遮るように…赤メットの男が叫んだ。

「ゴルフに集中するためにも!5号機と6号機の廃炉を、決定要請~っっ!!期限を決めて、タンクに溜めてある汚染水を…浄化することも、合せて要請するうぅ~~~っっっ!!!」 

 

 

 

「ただ、水を入れればいいと…思ってたのかよ…」 

 

♪~アルプスまだ軟弱 故障の上に トリチウムが残るって そりゃ汚水でしょ? ラン~ラララ~ララララ……♪

 

マサ…は、口ずさみ…さらに、声を荒げた。

「まわりで我々、見てるんだぜ…それで爆発したら、また…死んじゃうんだぜ……」

「フォアァーッッ!!!!!」

ボールが当たる、甲高い金属音がして……劣化していたボルトが弾け……仮設の、汚水タンクが……爆発した。

 

 

  

「め…めまいが…してきたわあァ…」

「すみません、ちょっと私…かなり、頭、が…」

同時に呟き…アタシと宙に浮いた男は、顔を見合わせた。

男は、薄っすらと……消えかけていた……。

 

「…すべきことがなかなか進まないこの國に、何らかの貢献ができないかと考えていたのですが…申し訳ない…」

男は…フワフワと、空へと上昇していく。

「所長…?!吉田まさ…」アタシは叫んだ。

 

♪~サァー 待ちに待ってた 世界の英知 ソク トッカンデネ 英の国から 東部から チチャットネ 宇の空から 仏波の海も 越えて大和へ ドット来る 寄ってくる来る ドットコム……♪ 

 

消えていく残像と共に…男の歌声も、フェイドアウトしていった…わ……。

 

 

 

「五輪ピックのフェイス・トゥ・フェイス…か……」

♪~そぅ 東京東北 変わりゃせぬ~♪

「あ…西の魔女さんですか?アタシ、極東の見習い魔女の、キキと申します…」

アタシは…穴あき鍋のダダ漏れ対策を…ワールドワイドに募ることに、決めた。

「グリンダ?おっひさぁ~!…あのさぁ…突然でゴメンなんだけど、知恵を借りたいコトが、出来ちゃってさあぁ~」

さあ~!!連絡網…じゃんじゃん廻すわよおォ~!!!

 

「フォアアアアアァァァーーー!!!」

ドオオォォ~~~~ンンン…!!!!!

 

空に…キノコ雲がそびえ立った…。

アタシは…思ったわ。

 

赤メットの男、が…嘘を重ね、自ら掘った墓穴に…落ちたんだ、と……。

 

「ホール・イン」

アタシは、親指を立てた右腕を突き出し…呟いた。

リカバリーショットは、まだ…可能かしら…?

 

…いいえ…可能だと信じなければ、前を見ることも、進むことも…出来なくなるわ…ね…。

 

 

「より迅速に、より高度に、より堅牢に」

 

 

 

アタシは、キノコ雲を背に…英知を求めて世界中に…コールをし、続けた……。

 

 

 

 

 

※文中で使用している歌詞の、元歌は…『春の小川(1912年版)』、『東京ブギウギ(嘉門達夫氏バージョン)』、『アルプス一万尺』、『東京五輪音頭』…です。

ラストシーンの「より…」部分は、『オリンピック大会の標語』から…です。


奥付

 

 

 

2013年9月25日 初稿



アナタのために〇〇〇〇〇ループ


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著者 : 咲.
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