ロボ
人を探しています。砂漠を旅する一行は僕に尋ねました。とても温かで柔らかく素晴らしい存在なのですが知りませんか、と。僕は少し考えて首を横に振りま す。振るしかありません。僕も人だと、彼らが求める人類であると、名乗り出るには彼らロボットの理想は余りにも美しすぎたのです。#twnovel
501
501号室は指定席。3日前に退院された患者様は本日、左肩に大きな裂傷を負い入院。清拭する手を震わせてしまった私に、怖がらせてすまないねと謝られま す。いいえそうではないのです。治れば戦地へ戻られる。治らなければいい。そう思うのは看護師としては失格なのでしょうけれど。#twnovel
くるんくるん
朝顔の観察日記は数日前から白紙のまんま。折角花が咲いたのに。あの子は星になったの。ママが教えてくれたから星まで花を届けたいのにロボでもそんな機能 はない。僕は水をあげる。朝顔と、朝顔みたいにくるくるのアパートの螺旋階段へ。いつか育ったこの階段で君の空へと会いに行く。#twnovel
生きていくには
ネジを巻く仕事をしている。生きていくには理由が必要で、だからこそあの日から人々はネジ巻き式となった。ネジを巻く。おはようございます。#twnovel ネジが巻かれた。ベルが鳴って1日がはじまる。ネジは本当は飾りなのだが君が信じて巻くものだから。おはよう。生きていくには理由が必要。