足引っ張り
足を引っ張る仕事をしている。大臣の辞任も僕のせい。ごめんなさい。謝ると、「何をしてくれたの?」と問う大臣。隠された罪を見つけて引っ張り出しました と答えると、「何もしてないのと同じだ」と笑う。なぜ穏やかな顔をしているのか。優しく撫でるのか。僕は理由を計りかねている。#twnovel
A
どうか世界をお救いください。僕がこちらに招かれた直後、魔王は倒された。やれやれ。引き上げようとすると通せんぼされる。お救いください、と。勇者は破 壊者でもある。壊れた世界を商人として、僧侶として、遊び人として、それぞれに救う。世界を完全に救うため、僕は村人Aになる。#twnovel
星飼い
星飼い少女は星を追う。崖っぷちまで追いこむと飛び立つ星々。さあ行っておいで。流れて光って疲れて帰った星々の毛並みを整えれば、ボロボロ落ちる願いご と。星飼いの夢も混ぜちゃいなよ。そう言われてやーよと首を振る。神様に願いたい夢なんかない。毎日こうして。なんでもないわ。#twnovel
まきまき
世の中バランスってもんが重要だ。優しさだけじゃ足りなくなるからたまには冷たくした方がいいように。肉だけじゃなく野菜も食べるように。そういうことさと言って帯をとくあなたの理屈はつまり、恵方巻き作りでまきまきした分ほどかなくちゃってことらしいけれど、完全にアウトです。#twnovel
鬼バーボン
鬼は外。はいはい出てってやるよ。豆なんざ怖いはずもないが、この日くらいはアイツに安らぎをくれてやる。拾った豆をつまみに馴染みの店でバーボンを煽っ ていると、あちらのお客様からですっておいおい。力ではダメだ。君と話し合いたい。今夜はアイツと二人、長い夜になりそうだ。#twnovel