雪山山荘
ようやくたどり着いた山荘には誰も居ない。お腹が空いた。一晩何も食べていないことに気づき台所を物色すると缶詰ひとつ。カパリ。取り急ぎあければ中には作家。僕と目が合うとキーボードを叩きだす。「作家の缶詰 ※開けると物語が動き出します」こんな雪山山荘(多分雪の密室)で?#twnovel
足引っ張り
足を引っ張る仕事をしている。大臣の辞任も僕のせい。ごめんなさい。謝ると、「何をしてくれたの?」と問う大臣。隠された罪を見つけて引っ張り出しました と答えると、「何もしてないのと同じだ」と笑う。なぜ穏やかな顔をしているのか。優しく撫でるのか。僕は理由を計りかねている。#twnovel
A
どうか世界をお救いください。僕がこちらに招かれた直後、魔王は倒された。やれやれ。引き上げようとすると通せんぼされる。お救いください、と。勇者は破 壊者でもある。壊れた世界を商人として、僧侶として、遊び人として、それぞれに救う。世界を完全に救うため、僕は村人Aになる。#twnovel
星飼い
星飼い少女は星を追う。崖っぷちまで追いこむと飛び立つ星々。さあ行っておいで。流れて光って疲れて帰った星々の毛並みを整えれば、ボロボロ落ちる願いご と。星飼いの夢も混ぜちゃいなよ。そう言われてやーよと首を振る。神様に願いたい夢なんかない。毎日こうして。なんでもないわ。#twnovel
まきまき
世の中バランスってもんが重要だ。優しさだけじゃ足りなくなるからたまには冷たくした方がいいように。肉だけじゃなく野菜も食べるように。そういうことさと言って帯をとくあなたの理屈はつまり、恵方巻き作りでまきまきした分ほどかなくちゃってことらしいけれど、完全にアウトです。#twnovel