サンタ履歴
検索枠に調べた覚えのない言葉、「サンタ いる」。履歴を調べる。「サンタ いない」「サンタ 親」。単語を変え何度も。すっかり寝静まった子供部屋、枕 元にプレゼントを置く。君が何を言ってもサンタはいると答えてあげる。サンタ宛てに君が焼いたクッキーは少々堅いがとても旨い。#twnovel
人間の
サンタさんにもらったの。そう言って僕にくまさんを見せるけれど、状況から計算すると、99.9%の確率でそれを置いたのはパパかママだ。サンタなんかいないよ。そう伝えても、だってほらとくまさんを見せる。0.1%の可能性を信じられる人間の愚かさと強さ。僕らとは違う人間の。#twnovel
ペット
ペットボトルの幽霊はハラハラしていた。君に霊感があるとは思わなかったし、僕みたいな古い飲み物に手を伸ばしてこようとは。触れることができずにきっと 君は驚くことだろう。申し訳なく思っていると、「やっとさわれた」と大喜びする君。どうやらお仲間らしい君の冷たい指が温かい。#twnovel
サンタはいない
サンタ、いないから。親から渡されたプレゼント。打ち明けられて大人の階段昇った気がして誇らしいとすら思った。翌朝、枕元には何もない。無意識に枕の下 を確かめ思い当たる。どうやらサンタを信じてた。いい子じゃないけん貰えんとよ。生意気な弟の頬を引っ張り今度は僕が嘘つく番。#twnovel
温めますか
温めますかと聞かれて、あはいと答える。本の入荷が遅れてまして。わかりました。レンジの音。いつものお客と入れ違いに外へ出た。認めることなどできずに 僕らそれぞれの暮らしを守る。本当は誰かと一緒にいたいが世界の終わりを信じない。来週のジャンプも遅れたことにしておいて。#twnovel