病名:不明(現代の医学では解明できない)
401号室の患者様はため息をつきます。
心が欲しい。
今日もいつもと同じ主訴。
仕様を嘆くのは病気でしょうかと報告ついでに訪ねると、そう仕向けたのは誰でしょうと先生。
心を欲しがるプログラムを与えられた。人であることを願うなら彼は患者。彼は不治の病。
彼は人間なのですから。
青い小鳥
魔法学校の入学通知が届く。使い魔はどちらですか? 入学式、受付で尋ねられドキドキしながら鳥かごを差し出した。素敵な青い鳥ね。あまりにもすんなり受 付けられ僕は隅っこで泣いた。ここでなら僕ら普通に生きられる。魔力がなければ見えない小鳥。ここでしか幸せになれない僕たち。#twnovel
王子様お姫様
きっと彼だ。私のキスできっと素敵な王子様に。唇を寄せると瞬く間に。瞬く、間に。何も変わらぬその姿。彼は私の王子様ではきっとなかった。窓辺でそっと さようなら。彼女は僕のお姫様ではきっとなかった。安全のため、三度のキスが義務づけられたことなど知る由もない運命の二人。#twnovel
病名:中二病 ただし健康
302号室の患者様は左目が疼いたり片翼がなんとやら。誰より落ち着いておられますが退院だけができません。社会生活に支障をきたせばまた病気とされます からと先生。それでは何が治れば退院できるのでしょう。窓の向こう、闇を見据えて先生は仰います。もしも世界が治ったならば。#twnovel