死ネタ
死ネタは嫌われるらしい。あらかじめ死ぬことを十分に伝える必要があるのだとか。読者の気持ち、そうかそんなもの考えたこともなかった。この主人公は死ぬ 予定です。僕が死を担当する人間とその周囲にお知らせする。だけどネタバレはいけないから、寿命と死因は死神だけの秘密です。#twnovel
あたまおはなばたけ
ひどいんです。頭がお花畑だってバカにされて。旧式ロボットは頭を垂れた。気にすることないさ。時々ここへ遊びにおいで。慰めると彼は、大丈夫な気がして きましたと踊り出す。彼の頭は確かにお花畑で、人でいう脳の部分に土が。根付いた花々。失われた自然が彼の頭に息づいている。#twnovel
どんぐり通貨
おいちゃんこれじゃだめ? 女の子がおずおずとさしだしたのはどんぐり。少し考えて、いいよと頷く。どんぐりは子供の通貨。駄菓子がメインの店だ。お客の少ないこんな雨降りの日くらいはって、あぶらげ?#twnovel 人化かし講座で習った通りにする。中身がおっさんとも知らずに呑気なもんだ。
#twnvday 『どっち』
どっちにわたし入れるかしら? 懇願するような君に頷くこともできず遠くを見ていた。そうだねわたしとがったところもあるしね。こんなに君が好きなのに不 器用な僕を許して欲しい。問題は「た」。どっちのように全てくるんとした文字列を愛する文字愛好家の僕はわたしの「た」が憎い。#twnvday#twnovel #twnvday 最近呼ばれない。自分で決められるようになったのか僕任せにできない大切な選択が増えたのか退屈な日々。どちらにしようかな神様の言うとおり。久しぶりの呪文で呼ばれた先には二つの名前。花嫁選びを任せなかったのは褒めてあげるとキラキラしてない名前を選ぶ。
あの子と私どっちがいい? そんなこと言わせてごめん。いつもあなたと一緒の彼女に実はヤキモチ焼いてたの。真っ赤になって告白する君を不届きながら可愛いと思う。そして同時に疑問に思う。ねえあの子って誰のこと? 君が指さすその方向、僕には誰も見えない。#twnvday #twnovel
卵に祈る二人
卵を守っている。いつか孵るその日まで君と二人祈り続ける。祈るふりをする。孵らなくていい。孵れば僕らもそれぞれに旅立たねばならない。祈りなど届かぬよう、君のことだけ考える。#twnovel 祈る。存分に祈る。卵を殺したのはもう随分と前のこと。孵らぬ卵に永遠の祈りを捧げる。貴方と。