きのやまい
もうずっとここにいるの。まるでねっこがはえたみたいにこのへやからでられない。それはきのやまいだとせんせいはわたしをつきはなすから、むしろきになってしまった。こいごころ、かなしくてねにもつ。根で持ってしまった先生を。#twnovel やがて干涸らびた先生を糧に私は花を咲かせましょ。
バールのようなもの
供述通り泉には女神がいて「貴方が落としたのは金のバールですか銀のバールですか」と問う。犯人が捨てたバールのような物だと言うと女神は、「こちらですか?」それは枝。「ではこちら?」それは網。差し出される物がバールと似ても似つかぬほど、女神の犯人への愛を知る。それは魚。#twnovel
図書館
身を潜めるにはピッタリだと思った。ここには地球の情報が溢れている。地球征服の糸口を探しながら働いているとついこの暮らしもいいかななんて思えてくる が全ては故郷のため。けれどもある日、僕がうっかり「食人全書」を自分の星の感覚で料理の棚に置いたことから疑惑が持ち上がる。#twnovel
図書館勤め
図書館勤めは本にとって一番の誉れ。人の役に立つ仕事がしたい。激しい競争を勝ち抜き書架に並んだまではいいが、未だ一度も手に取られずに奇麗なままで時が経つ。久しぶりね。本屋に進んだあの子がご主人に連れられていた。すっかりくたびれた表紙を恥じる彼女。私はそれが羨ましい。
お引っ越し
#twnovel 過去に引っ越すことになった君は目的時間へと遡る道中、僕のツイートに星を灯す。おかげで君が今、いつにいるのかよく解る。出会ったあの日で終わると思っていた印は未だ灯り続けていた。それから半年。貴方のことが好きでした。そのリプライを最後に君は消えた。足跡だけを残して。