いろいろといろ　じゅういち

#twnvday　量る。混ぜる。捏ねる。成形して寝かせる。もしも綺麗においしくできたら明日おはようを言ってそれから。焼く。待つ。いい香りがする。焼きたてのクッキーをシャクリ噛めば甘くて脆くておいしいだけど。あと少し自信が持てたらにしよう。君に渡すのは5回目の延期。#twnovel

夢を作る工場で働いている。コンベアで運ばれる量産品の夢を、最後に匠がトンカチでトン。ヒビが入れば出来上がり。ヒビの入り方で夢の壊れ方や寿命が決ま る大切な工程らしい。綺麗なままじゃいけないのと尋ねると、金で買われるような夢さと今日もトントン。匠の鋭いトンカチが響く。#twnvday

#twnvday　 あの子をずっと放っておいて、いざ死んでしまうとそっくりのロボットなんかを作るアイツに腹が立った。粗探しして笑顔が似てないことを指摘しようとしてや める。悔しかった。僕が見知らぬその笑顔、それは愛しい人にしか見せない特別な笑顔なのだと気づいてしまうほどに美しかった。

会えば喧嘩だからしばらく会ってない。犬猿の仲かもと思っていたら、どちらが犬で猿か決めるよう手紙が届く。差出人はない。僕ら犬好きで犬の散歩中に出 会った。犬好きに悪い人はいないと笑いあった日々を思い出す。今も犬、好きかな。出会った河原を目指す。重なる、二人と二頭の影。#twnovel

抱きしめたものが壊れる呪いだなんてとんでもない魔女に魅入られたと思う。
これであの娘を抱けないでしょう。可愛いあの娘を抱きしめたい、だけどできな い。
とはいえそれはずいぶん前からのこと。
おはようと手を振るあの娘に未だ指一本触れられずにいると知れば魔女は呆れるだろうか。

僕の影にいつからだろう黒い金魚が住み着いた。辛いことがあると現われ悲しみを食み慰める。今日も飛び跳ね金魚が誘う。ねえお話しして？#twnovel　ご主人様から悲しみを頂く。人の不幸は蜜の味。おいしい食事にそれから住まい。狭い影でごめんと仰いますが、闇に、影に大切なのは深さですわ。

全ての物語は呪いの牢獄。白雪姫も赤頭巾もすべからく罪人である。同じ生を繰り返す。恋など覚めた王子と口づける度、狼にかみ砕かれる度に思う。何故あん な罪を犯したのか。生き残るためこっそり狩人を誑かした。ハッピーエンドのその影で償う。変わらない未来を繰り返す、何度も。#twnovel