かぐや姫
竹藪の中で女の子を見つけた。そう言って彼は嬉しそうに帰宅する。大切に大切に。両手で捧げ持つ女の子。彼はこうしてたびたび女の子を連れ帰った。もう 10人は超えただろうか。私を責める気などないとは解っていても胸が痛む。受け取って撫でるフリをしたなら空想の女の子は笑った。#twnovel
鳩使い魔
手品師をしているうち、魔法使いになりたくなった。希望に満ちた魔法学校入学から数年。魔法の現実に疲れた果てた僕にあの方は囁く。黒き魔法集団。思わず 入団した。行け我が使い魔、先触れの威嚇だ。クルックー。昔馴染みの使い魔を飛ばしても、平和の使いねとほのぼのされるばかり。#twnovel
機械の夢
はじめに物覚えが悪くなりできないことが増えました。もしかしたらと思っていた矢先、ご主人が言うのです。もうおやすみ。はじめての言葉。僕は自分の状況 を理解しました。胸の奥がさらに崩れ落ちる。もはや涙も拭えません。おやすみなさい。機械も人と同じ夢を見られるのでしょうか。#twnovel
魔法学校ロボ
魔法学校への入学通知が届いた理由は解らないが、命とあらば従うが道理。使い魔とは何か。いつも共にあり支え助けとなる存在。ピピピ。やはりこの方だろ う。どうか枯れずにいてくださいね。土ごと掘り出し頭上の小さな窪みにのせた。旅立つロボットの頭上、ゆうらり使い魔は揺れる。#twnovel
寄生娘
鬼の肩には美しい娘がのせられていた。羊や牛では飽き足らずとうとう人をさらったか。村人達は決起し鬼を退治すると助けた娘を村へと招く。村人達は気づか ない。娘が花であることを。寄生されて狂った鬼がやむなく家畜を喰ったことを。次は何に宿ろうか。艶然と笑う娘を奪い合う男達。#twnovel