ステウおばさん
「愛情たっぷり!ステウおばさんの手作りクッキー」工場で働いている。
愛を込め手作りするクッキーは美味しいと評判だが、
「調査します」とある日無粋な人達が押しかける。
「原材料名に記されていない物が大量に入っているようですが」
と説明を求める彼らにとって愛は異物でしかない。
弱虫
突然の告白を信じられず茶化した僕に、「弱虫!意気地なし!大っ嫌い!」涙する君。予想外の涙に動揺してその言葉だけは真に受けてしまった。自分でも解らない。あんぽんたんな僕は気がつけば虫の姿に成り代わり、驚いた君とタイミングが合わずに、ぶちっ。#twnovel 僕も君が好 きでし た
星に願いを
迷子の流れ星がきらきら泣いていた。叶えたい願いがあるのだという。僕のじゃないのは残念だけど、星の言葉通り封筒に住所を記し、その星を封じてポストに いれた。願いを叶える手助けも悪くない。そう思っていたある日チャイムが。扉の向こう、真っ赤な顔した君の肩にはいつか見た星。#twnovel
星泥棒
星は私が頂いた。怪盗が広げたマントの裏には一面の星空。その日から空には星がない。数年後、追い詰めた怪盗は死の淵にいた。星を返せと詰め寄れば、盗めるものかと笑う。戦で壊れて星などもう存在しないのだと。だけどそれじゃあ寂しいだろう?#twnovel 僕はマントを翻す。星は僕が頂いた。
パティシエ
パティシエは自然素材を使った菓子作りが得意。本日のお薦めは満天の星空をくるりとすくったアイスに森に潜む老木チョコと純白の雪クリームが添えたもの。 お菓子と化して消える自然。王に追われてもパティシエはやめない。王が、大人が食いつぶす前に子供らへ振る舞う。託す。未来へ。#twnovel