ねこたつ
妖怪が住むという屋敷を発見、我々は探索を試みる。主の命に従い玄関で外套と靴を脱いだ。廊下の冷たさが体中に染み渡る。ほほうここか。明かりが漏れるその扉をスライドさせ覗いてみるとそこには猫と蜜柑とそれから。#twnovel この屋敷から戻れた者は未だ誰もいない。無論我々も。ぬくぬく。
欠陥羊
羊たちが逃げ出した。いくら数えても眠れない欠陥羊な上、職場放棄とはどういうことか。ほわほわ落ちてる羊毛をたどり、やがて行き着いた公園のブランコに は逃走羊とそれから、君。そうだね羊。数えたところでもやもやは消えやしない。謝ろうとすると目が覚めた。僕は君に会いに行く。#twnovel
せかいのおわり
ホワイトクリスマスみたいね。空を見上げて君が笑う。ふわりと落ちてきた白いひとひらが君の肩へ。子供達が駆け回る。雪だるま作ろうと歌う声。電飾が照ら す。しあわせそうな僕らに降り積もる白は溶けずにやがては重くのしかかる。降り積もる世界の欠片。今日は世界のおしまいの日。#twnovel
数えない
今まで様々な人々を眠らせてきたがこれほど苦労を強いられるとは。ご主人様の周りをグルグル飛び跳ねてみても、数など数えずキャッキャと笑うばかり。数えられねば役には立てぬ。羊たちはシクシク、自らの無能さを呪う。#twnovel あら笑った。眠らぬ我が子に困り果てた母親に久しぶりの笑顔。
設定
お父さんは幸せな場所では幸せな表情を作れない刑に服しているの。そう考えると仏頂面も愛しいでしょう。母の話すあり得ない父設定を否定もせずに聞き流 す。穏やかな母。果たして、テストで赤点ばかりの僕にはどんな設定ををつけてやりすごしているのか。気になるけれど今も聞けない。#twnovel